第13話 早い!早すぎる!

 がんばろうと気合を入れたのはいいけど、順調すぎると逆に怖くなるのって人間あるあるだよね?


 昨日はぶっ続けで半日丸々スキルを使っていたので家族を心配させてしまった。時間の効率もあまり良くないかもと思い、魔法陣に込める魔力を増やしより早く編み込んでいくことを意識して6時間ほどに抑えることにした。

 途中休憩もきちんとはさみ、魔力の管理もしていく。トータルで注いだ魔力量は少し減ったが、効率的にはよくなったと思う。


 全く疲れず、なんなら少しづつ調子を上げていき最終的には5日間で父上のピンに人工精霊を宿すことが出来た。


 サクラの時には1ヶ月もかかったのに、サクラとマモルが揃ったら1/6!?

 余りの早さに僕ですら疑ってしまった。


 しかしいつもの光が収まるとそこにはピンの精霊さんがいた。


(初めましてお父様!僕はピンの妖精です!名前を付けてくれますか?)


(君はキヨシだ!僕の父上が快適に仕事を出来るよう手助けをして欲しい!)


(わぁ!いい名前ありがとうございます!お父様のお父上に一生懸命仕えます!)


 精霊さん素直でかわいい。父上にも優しく扱ってもらうよう頼んでおこう。


 その日の夜の団欒でみんなにキヨシを紹介した。聞いていた話とは比べ物にならない早さで精霊さんを生み出しているので、みんなびっくりしているようだ。

 父上にキヨシを預け優しく扱ってもらうよう頼んだ。キヨシにも父上の言う事を聞くようにお願いした。


 それが終わると家族たちから僕も私もと揉みくちゃにされた。わかってるから!わかってるから!最年少の僕がみんなを宥め、これからのスケジュールを組むことにした。みんな暴走気味なので喧嘩でも起こったら後味悪いからね。


 年長者から順に小物サイズの物に人工精霊を付与していく。付与が完了した次の日はおやすみで一日明けてから次のスキルに取り掛かる。それを全員分一周するまで続けるというスケジュールだ。

 みんなには要望を提出してもらわなきゃと思っていたら、みんな既に要望をまとめていた。キヨシを付与しているときに既に考えていたらしい。みんな相当楽しみにしてたんだね。


 家族に喜んでもらおうと気合を入れて人工精霊に挑むこと約2ヶ月。僕は全員分の精霊を付与することが出来た。



 短期間で沢山人工精霊を使用したおかげでなんだか熟練度があがった気がする!成長を感じるリューク君なのであった。

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