第10話 もこもこラグ
実際に人工精霊のスキルを使ってみて出てきた問題点。それは尻と腰が滅茶苦茶痛くなることだった。すこし休んでからその問題を解決する精霊を生み出そう。家族みんなの要望に応えるのはそれからだ。10代で腰痛持ちとかシャレになんないよー!
初めての人工精霊を生み出してから3日が経った。疲れも抜けてきたので次のスキルに向けて準備を始めることにした。サクラの眼鏡は常にかけており、お風呂、トイレ、就寝の時以外は外さない。眼鏡やっぱり安心するなぁ。
僕の魔力とも同調率が上がってきたのか魔法練習時のサポートもスムーズになってきた。
長期間のスキル実行に向けて対策を考える。ずっと同じ姿勢で座るので、全身が凝る。また向こうの世界でよく聞いたエコノミー症候群なんかも怖い。圧が同じところに係るので痛くなるし、ずっと集中してるので凄い疲れる。
よって次の人工精霊にはこれらをざっくり解決してもらうために体調管理をしてもらいたい。疲労回復、血行促進、痛み軽減などの効果がまとまると嬉しいな。
人工精霊の力は限定的に願えば特化型になるようだ。体調管理というざっくりとした切り口ではなく、血行促進のみや疲労回復のみなど特化して願えばより強く力が発揮される。ただあまり汎用性はなくなるかな。泉の精霊の水の浄化だって毒素除去や不純物除去、微生物除去などの複合能力だ。なかなか特化型は難しいよね。
ただ特化型はロマンでもあるから、その内時間が出来たら生み出してみようかな?
話は戻って長時間座っていても快適にスキル行使ができるよう、いい敷物を織れる人が居ないか出入りの商人に聞いてみた。どうせだったら人工精霊のスキルに必要な魔法陣を織り込んで柄にしておけば、自分の分の魔法陣を毎回描いていく必要なくなるんじゃないかな?ライフハックだね。(日常的に同じ魔法陣が必要な人限定)
仕事が早く腕のいい職人や魔力の通りやすい素材の使用などで結構な高値になりそうだ。こんな時はパパンに可愛くおねだりしてみる。ホシイヨー!タノムヨー!と丁寧にお願いしたら、快く買ってくれた。ありがとう父上様。「早くスキルになれて陛下の依頼をこなせるように頑張りなさい」と言われた。
将来への投資ってやつだね?
そんなこんなで1週間程して持ち運びしやすいサイズで、座り心地のよい、魔法陣の刺繍されたもこもこラグがやってきた。
これからの人工精霊生活のために精霊付与がんばるぞー!
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