第9話 精霊かわいい
スキルでの精霊付与に成功した。初めてだったけど魔法の勉強をしてきたのが功を奏したのか、事前に聞いていたものよりかなり楽に発動できたと思う。
用意していた眼鏡に精霊が宿ると、精霊は僕をお父様と呼び始めた。まぁ実際生み出したんだし、お父様か。でもなんか硬いなぁ。もっとフランクにお父さんって呼んでもらおう。
そして名前を付けてあげないといけないようだ。どうも僕の住んでいる王国は西洋風な人名が一般的の様だ。人名と被らない様に、そして僕が日本とのつながりを感じていられる様に。
サクラ。馴染み深い名前を付けることにした。
(サクラ。君の名前はサクラだ。)
(まぁ!素敵な名前!ありがとうございます、お父様!)
名前を貰ってはしゃぐ精霊さん。めちゃかわいい。なんかもう、別に特殊な力とかなくても全然いい位かわいい。これが・・・父性??
(あとお父様はちょっと硬いから、普段はせめてお父さんって呼んでくれるとうれしいな。)
(分かりました!お父さん!)
比較的疲れの無い様に精霊付与を行ってきたけど、やはりどこかには蓄積していたのだろう。そういった自分でも感じていなかった蓄積された疲労が吹っ飛んで行った気がした。
サクラは今自分が精霊として補助できる事を丁寧に教えてくれた。狙い通りというか希望通りというか、僕が精霊付与をしながら強く願っていた魔法陣生成のサポートを出来るようになっているらしい。
魔法陣生成の精度的サポート、均一バランス調整、魔力量管理などの自分でやってる部分を補助してくれるようだ。超助かる。
少し休憩してから家族にも人工精霊のスキルがうまくいったことを報告することにした。みんな急いで談話室に集まって来たようで興味津々だ。
みんなに見えるように眼鏡を丁寧にテーブルに置きサクラを呼ぶと、家族にも見えるように姿を現した。
(はじめまして、皆様。私はリュークお父様に生み出してもらいました眼鏡の精霊サクラと申します。)
うちの子完璧だ!みんなきゃーきゃーいったりかわいいかわいいと褒めたり我が家にプチ精霊ブームが訪れた。父上や兄上は、僕が精霊にお父様と呼ばせてる!とかはしゃいでたけど、実際生み出したし最初からそう呼んできたことを言うとなんか羨ましがっていた。
一通り騒いで落ち着くと、家族全員が身の回りにつける何かに精霊さんを宿してほしいとお願いしてきた。まぁこれだけ可愛いんだから気持ちもわからなくもない。
だがちょっと待ってほしい。一ヶ月の間、精霊付与を行っているときに凄い問題点が出てきていたのだ。
それは尻と腰が滅茶苦茶痛くなるという事だ!!
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