第8話 ルーティーン
初めての人工精霊付与のために必要なものは用意できた。付与する眼鏡に魔法陣、お尻や腰が痛くならないようにするクッションなどなど。あとは手順と実際の疲労感を確認しながらスキルを使用していくだけだ。
まずはルーティーンを組めるようにしてみよう。聞いた話によると小さい物でも90日はかかるとの事だ。長期間やり続けるためには体を壊しちゃいけない。無理が出ないようやり続けられる形にしないといけない。
どんなスタイルでやっていけばいいのか確認するためにも実際に魔力を編み込んでいく必要がある。ちょっと緊張しながらも、僕は初めてスキルを使用してみた。
ムムム・・・これは・・・なかなか・・
元々魔法の勉強が楽しくて魔法陣なんかも色々書いたりしていた僕ですら、この作業はなかなか集中力が必要だった。魔力で編み込んでいくというのがまた厄介だね。
空間に描くことは紙に書くより立体的に注意が必要だから、歪まないようにするのに集中力がいる。魔力量は家族の中でも多い方だから枯渇の心配はないけど、集中し続けるのがなかなか骨かもしれない。
集中力が切れるまで魔法陣を描いていると、気が付けば3時間ほど経っていた。予想よりも長時間集中できたな。魔法が好きなのも功を奏したかもしれない。
スキル使用後は脳や体の疲れを癒すために瞑想をする。これは魔法の勉強のあといつもやっている事なのでここでもやることにしよう。瞑想後はリラックスも出来るし集中力も上がるから、スキル使用前に30分、使用後に30分の瞑想時間を入れよう。
その他の時間は目一杯体力と魔力の回復に努める!遊ぶぞぉ!
楽しく読める魔術の本なんかはいいけど、頭が疲れちゃうような理論とかは一先ずやめておこう。精霊付与までの辛抱だ。
初めてのスキルが成功するまで、家族にも協力してもらった。父上からもみんなに話がいき、快く協力してくれた。
僕が疲れていたら姉上や母上がマッサージしてくれたり、兄上たちが一緒に体を動かして遊んでくれたり。父上に至っては、「疲れた時は甘いものだ!」とか言って毎日みんなにお菓子を手配してくれたりした。ちょっとした甘味フィーバーで母上、姉上たちが大喜びしていた。
そんなこんなで1ヶ月、予想よりも大分早い日数で最初の人工精霊付与は完了した。
魔法陣の上の眼鏡が強い光を放つ。段々と光が収束していく。
光が全て眼鏡に吸収されると、頭の中に声が響いた。
(生み出してくれてありがとう。リュークお父様。私は眼鏡の精霊。名前を付けてくださいな)
僕はこの歳で精霊の娘を持ったようだ!
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