第6話 精霊さん
人工精霊のスキルを授かってからも、相変わらずの日々を過ごしていた。魔法の勉強は続けてるし、教養となる法律、国家情勢、文学、芸術、なども勉強してる。長男グリオン兄さん、次男ダルトン兄さんの様に領地経営にはあまり関わらないので政治経済や軍事の方の勉強はあまり力を入れていない。そこに熱心だと変な思惑があると捉える人もいるらしい。
家族との関係も変わらなかった。スキルが無くても魔法の分野で頭一つ抜けてたし、末っ子という事もあってみんなから可愛がられている。家族の僕以外全員優良スキルと呼ばれるものを授かったので、その辺も含めて問題ない感じになってる。
変った事といえば精霊さんの事について勉強をし始めた事かな。
どうやら人工精霊のスキルで生み出された精霊さんも、自然に生まれた精霊さんと同じ性質を持つらしい。元々の精霊さんの誕生条件が、長い間魔力を吸収し続ける要因があったり、長い間信仰の対象だったり、世界に殆どいない上位精霊様、大精霊様から命を与えられたりと時間と魔力が大きく関係してくるようだ。
そして生まれたての精霊さんは、その力が限定的らしい。例えば生まれたての泉の精霊さんは水の浄化のみ出来たようだ。時間と共に精霊さんも力を付けていき、今では水の浄化、水量調節、水草の育成、魚の育成などなど色々な事を出来るようになっているらしい。
精霊が生まれるとき、強く望まれている力を初めに持つことが多いようだ。
僕も早速精霊さんを生み出したいけど、何にどんな力を持たせるか悩むなぁ。初めてのスキル使用だからあんまり無茶もしたくないし・・・
そんなことを悩んでいると、専属メイドのカティアと執事のブラドーがやってきた。なんでも父上が呼んでいるらしい。珍しいな。
部屋に入ると嬉しそうな父上が声をかけてきた。
「リューク、急に呼んですまんな。」
「いえ、ちょうど時間があったので大丈夫です。なにかあったんですか?」
「貴族の義務の一つで一族の誰かが新しいスキルを授与された場合、王家に報告しなければいけないというものがあるのは知っているか?」
「はい、教養の時間に習いました。」
「よろしい。それでこの前、陛下にリュークのスキルを報告したのだよ。」
「ああ、そうなんですね。どうでした?陛下の反応は。」
「それがなぁ、大変興味を持たれてな!もう少し成長したら、何か王家所縁の物や場所に精霊を宿してほしいと仰って下さったんだよ!」
「それは・・・光栄ですね!」
さぁ、大変なことになったぞ!!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます