第5話 スキル:人工精霊
僕が獲得したスキル:人工精霊はとてつもなく扱いづらい代物だった。(出オチ)
部屋から出て獲得したスキルを告げると、みんなの反応は(悪くはないけど、大変そうだなぁ)という感じだった。
神官の説明だと、人工精霊を獲得した人はいままでも何人かいたようだ。むしろかなりの人数が授与を受けているのに何人かしか得られていないスキルと考えると、凄まじいレアリティなのではないだろうか。
今までの実用例だと泉に精霊を宿したり、鎧に精霊を宿したりと物や場所に精霊を宿せるというスキルだ。そして宿した精霊と契約というかリンクするというか、人工精霊を持つものしかわからない事があるらしい。スキル保持者が亡くなったあとも精霊は残るらしく、今でも神聖な場所や物として扱われているらしい。
聞いた感じだとそんな強力なスキル、チートじゃないか!って思うかもしれないけど残念ながら制約が凄い。その制約ゆえ人工精霊が宿っているものは殆ど無いと言われている。
ではその制約とは何か。
1.精霊を宿す対象と自分をそれぞれ専用の魔法陣で囲う。
2.対象に自分の魔力を編み込んでいく。その際魔法陣をなぞる様に魔力を制御する。
3.精霊が宿るまでこれを毎日行う。日が空くと魔法陣が霧散していく。
だそうだ。資料にも残っているらしいけど、スキルが直接教えてくれたから間違いないだろう。
今までの記録を見ると小さい物に精霊を宿す時で最低100日。泉や屋敷などの場所に宿す時は8年とか掛かっているようだ。ひええええええ。
魔法陣をなぞる様に魔力制御をするとなると脳が悲鳴を上げるくらい集中が必要なので一日1時間が限界。更に魔力が枯渇するのでそのあと何もできなくなるくらい疲労する。そして宿った精霊の効果は未知数である。
これは家族が微妙な顔するのもわかるわ。
どうしよう。方針を決めるためにも、これは最初に精霊を宿すものが重要な気がする。最悪の場合はスキルの事を忘れて魔法で生きていくという手も・・・
まあその辺も含めて、父上には一旦家族会議を開いてもらうしかないかもしれない。もしかしたらみんなからいい案が出るかもしれないしね。
それに女神様の声。制約は多いけど効果が凄いスキルだ。
それを思うと僕がこの世界を楽しめる大きな何かが隠れているのかもしれない・・・
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