第3話 楽しい魔法のお勉強

 こっちの世界で記憶を思い出してから早3年、僕は8歳になっていた。

 最近ようやく体に引っ張られずに記憶や知識を引き出せるようになってきた。未だに子供らしい感情もあるけれど、この3年でぐぐっと精神年齢が上がった気がする(8歳談)



 魔法の勉強を5歳から始めるのはこの世界でも稀なようで、普通は8歳くらいから勉強が始まるらしい。3個上の三男マルク兄さん、三女シータ姉さんと一緒に勉強することとなった。

 自分たちより三つも下の弟が自分から勉強をしたい言い出したことにびっくりしたようだが、お兄ちゃん達と一緒に勉強しようね!っと弟を気遣ってくれたのである。


 そこからはメキメキと魔法学を吸収した。それはもう本当に面白くて夢中で勉強した。前世でもこんなに勉強したのはプロンプトエンジニアになろうと決めた時くらいだ。


 というか魔法学や呪文制御はどことなくプログラミングに似ていた。

 世界に組み込まれている呪文を正しい魔導式、魔導文字で並べる事で魔法は発動する。魔導式や魔導文字は今もすべてが分かっている訳ではなく、新しい概念、事象やモノが世界に定着すると魔導文字、魔導式も新しく生まれる、という正に魔法の様な仕組みであった。


 まぁ8歳の頃に習う魔法学はもっと優しい水の魔導文字を覚えてみよう!とかちょっと先にある葉っぱを風の魔法で揺らしてみよう!とかなんだけどね。

 兄上姉上とは実習的な魔法の使い方を一緒に楽しみ、自由時間になったら理論なんかを読み漁った。


 僕が7歳位になると条件付き魔法なんかも実験し始めた。

「風魔法で探査して赤色の花を見つけたら光の柱を目印に放つ」

 みたいな事も魔導文字と魔導式を知っていれば出来ちゃうのだ!まぁ文字がこの国の文字と違うし地球の文字とも違うので覚えるのが本当に大変だけど・・・本当に大変だけど覚える価値がある!


 むしろ魔導文字は世界の理として全世界共通なんだから、魔導文字でやり取りすればいいのに!って思った時期もあったけど、それだと至る所で魔法が暴発するので絶対にダメらしい。こえー!



 なにはともあれ、僕は楽しい楽しい児童教育の日々を送ってきたのだった。

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