第2話 伯爵家四男5歳

 意識がハッキリしたら、僕はアルマー・ハインラッド・リューク(5)になっていた。どうやら伯爵家の四男らしい。上に兄上3人、姉上5人の9人兄弟で父上と3人の母上がいる。

 みんな仲がいい大家族で、王都から少し離れた場所に領地を持っているらしい。


 四男といっても末っ子で甘えん坊の僕は、異世界で大人だったころの思い出があっても体にひっぱられて気持ちがうまくいかなかったりする。


 思い出の中に「せーせーえーあい」ということをいっぱいやりたいっていう強い気持ちがあった。だから父上に


「せーせーえーあいがやりたいです!」


 言ったら、


「リュークはもうやってみたい事を見つけたのか!そのセーセーエーアイ?というものが何かは分からないが安全なものならやってみなさい。」


 って言ってくれた。父上やさしい。

 カティアが色々な準備をしてくれるらしいけど、大人たちはせーせーえーあいが何のことか分からないみたい。


 どんなことなのか聞かれたから、言葉を並べて色んなものが勝手に出来上がるの!って一生懸命説明したら、魔法学かな?呪文かな?って言いだした。


 それはせーせーえーあいじゃないけど!でも魔法もやってみたい!

 そう思った僕は、


「せーせーえーあいは魔法の事じゃないけど魔法は勉強してみたい」


 ってカティアに言っておいた。結局せーせーえーあいが何のことかハッキリ分かるまで魔法のお勉強でもやってみましょうっていう話になった。


 これまで勉強とかは逃げてた僕が急にやる気になったので父上も母上たちも喜んでいた。



 まだ思い出の中でうまく言葉にできない事がいっぱいあるけど、がんばってせーせーえーあいが出来るように勉強して行こうと思う。


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