第25話 ちらつく影
反社暴力集団『デモンズオーク』
ボスの部屋
「…ああ…わかっているとも。例の件だろう。先日市長の娘を攫ってきたのでこれで6人確保したところだ。
…なに?キンバレー市には青髪の若い女は7人いるはずだ?
いや…しかし…今回派手に動いたから官憲に目をつけられている。あまり今は動かないほうがいいのではないか?
…わかったわかった、あんたには前金をたんまり頂いているからな。もらった金に見合った仕事はするさ」
ちっ…金払いはいいがいけすかない野郎だ…
宗教団体だがなんだか知らねぇがどうにも胡散臭くていけねぇ…
俺達は裏社会の人間だし誰それを誘拐してこいっていう依頼は今までもいくつもこなしてきたが、 青髪の若い女を片っ端から攫ってこいなんて正気の沙汰じゃねぇよ。
だいたいどうやってそれが何人いるなんて調べたのかさっぱりわからん。
このスペッチ?だとかいう一度会った人間とは遠く離れても会話できるとかいう聞いたこともない術といいヤバいネタに踏み込んじまったかもしれねぇな。莫大な報酬に目が眩むんじゃなかったぜ。
とっととあと一人攫ってきてこんなヤバい連中とは縁を切らねぇと…
「ボス!お話が…」
「うるせぇ!しばらく部屋には誰も入れるなと言っただろう!」
「す、すいやせん…ですが急いでお話したいことがありまして…」
「あ?なんだ言ってみろ?つまらねぇことならはっ倒すからな!」
「ヒィ…。いえ、あの…新入りが青髪の女を捕まえてきたそうでボスにお目通りを、と…」
クックック…手間が省けたな…
こいつも奴らの神の思し召しってか?
「よし、会おう。これで今回の仕事も片がついたし今夜は前祝いに派手に飲むぞ!」
「うおおぉ、さすがボス!一生ついていきます!」
はん、調子のいいこった。まぁいい、 とりあえず哀れな子羊ちゃんの面でも拝みにいくとしますかね。
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