第21話 見える、見えるぞ。僕にも敵の動きが(ry
なにかうちとけるきっかけが欲しい。
確かにそうは思っていたけど…
それが〇〇することだとは思っていなかったよ…
僕たちがいつものように少しギクシャクとしながらも山道を踏破してると、 遠くから何やら人が争うような声が聞こえてきた。
咄嗟に村の門番のノリスさんのスキル「索敵」をリアルトで発動させる。
ちなみにとっさに使えるように皆のスキルなんかはブックマークしていてすぐ呼び出せるようにしているよ。
前方300メートルほど先に男性が3人、女性が1人。更にそこから200メートル先に男性が4人。近いほうは女性が男性3人に追われていて遠いほうは2対2で争ってる感じか。遠すぎてアカウントは確認出来ないので誰かはまだわからない。
「この先で女性が追われてるみたい。どうします?」
「助けよう」
いちもにもなくフレイヤさんが答える。なんだかんだこの人も正義感強いよね。それともエミリアの影響かな?
「いきなり魔法だと女性を巻き込む可能性があります。 なのでサフランさんは山道で追ってくる男たちのなかで先頭の男を「心眼」を使って弓で狙い打ってください。それに僕も続きます。男たちが不意を突かれて動揺して女性と距離が離れたならフレイアが魔法で援護。そこにアリアさんとユーリさんが切り込む形でどうでしょう?」
上出来だ、それでいこう、とアリアさんが大剣を肩にかついで頷いた。
180センチくらいあるだろう女傑が大剣をかつぐいでいる姿はやっぱり格好いいなぁ…僕はまだ身長140ぐらいだし。出番のないエミリアは不満そうだけど、 開けたところならともかくこんなところで火魔法をぶっ放せば山火事になっちゃうよ。
予備の弓を貸してもらってサフランさんの隣で構える。森で小動物や鳥を狙うために父さんに教わったことはあるけどあまり腕前に自信はないかも。でも「心眼」は目標を定めたら狙い打つタイミングが直観でわかるようになるというもの。動く相手に最適なので今の僕でも当てられるはず。発動するとかなり目に負担がかかるので乱発はできないんだけどね。ちなみに技と併用すると慣れないうちは疲労が半端ないし、リアルトを2回分使い切ってしまうので使いどころが難しい。
「いくぞ…「心眼」!」
「続けていきます。リアルト!(心眼)」
キュピーン!なんてね(笑)
「ぐわぁ〜」
下卑た顔をしながら女性を追いかけるのに夢中でこちらに気づいていなかった盗賊らしき男の肩と足に矢が突き刺さる。これにはさすがに逃げていた女性も気づいたようでこちらのほうに歩みを変えて走ってきた。
「くそが…伏兵がいたのか、逃がすな、追…ぎゃああ〜」
即座に態勢を立て直して追おうとするも更にそこにフレイアの風の竜巻が襲い掛かる。
竜巻に巻かれふっとんでいくおっさんを尻目に、 残った男1人は慌てて逃げ出そうとしたがアリアさんとユーリさんが2人がかり詰め寄るとあっという間に倒してしまった。哀れ…
どうやら2対2だったむこうの勝負もケリが付いたようで、逃げていた女性に手を振っている。彼女のお仲間だったか。奇襲を受けて分断されたってところかな?なんにせよ皆無事でよかった。
「助かったわ、ありがとう坊や」
「どういたしまして。ところでお姉さんたちは盗賊退治でも請け負ったの?」
「いいえ、わたしたちは市長の娘さんの誘拐事件の調査に来たのよ。そうしたら突然彼らに襲われて…」
わお、これはトラブルの予感がするなぁ…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます