第11話 あ、これ、ゲームで学んだやつだ!
「馬鹿な…小僧、 どうして俺の『反射』が使える?!」
「さぁ、 なんでだと思う?ところであんたさぁ、 傷のひとつでもつけられたら無条件で通してくれるんじゃなかったっけ? 頬から血が出てるぜ?」
こうして挑発してみせているアキだったが実のところ内心はいっぱいいっぱいだった。
普段父や母と訓練しているとはいえ、 命のやり取りをするようなことは無論、 前世も含めて初めての経験だ。
一方相手は経験豊かな軍人であり、まともに戦ったらいかに通知を駆使しても勝てるかどうかも怪しい。
だからこそ会話のさなかフォローしたウマルの『反射』スキルの【リ·アルト】でもっとダメージを与えておきたかったが、ぶっつけ本番ということもありうまく相手に返しきれなかったのだ。
もともと『反射』は一度発動させると10秒間敵の攻撃を任意の方向に跳ね返せるものらしいが…まぁそれでも相手にだいぶ警戒させることには成功したらしく、『反射』でダメージを負わなかった後方の兵たちは遠巻きに囲うようなかたちになっている。
ちなみに【リ·アルト】でできるのはあくまで誰々が○○した、 という行為の主体を自分に置き換えて実現することができるというもの。 【アルト】はまだ試してないが行為者に同じ行為を無条件に繰り返させる効果があるようだ。
なんにせよSNSの 【アルト】機能を奴に対して使えるのは後一回。 そのこと自体はばれてないだろうが、 どうやって使うべきだ…? こちらの攻撃は全て『反射』で弾かれるだろうしこの一回を無駄に消費したらもう打つ手がない。
そうしたら後ろにいるエミリアたちも…
いや、待て…かすり傷とはいえどうして奴にダメージが入った? もしかしてゲームでもよくあったアレか…?
ウマル少佐視点
せっかく人が気持ちよく仕事を終わらせた、 と思ったのによぉ…そこに得体のしれないガキが飛び込んできやがった。
何故だかしらんが俺のことを知ってるようだし、 見た目によらずベルトリオン共和国の犬か?
まぁなんにせよ殺せばすむ話だ
なにィィィ!! 俺の自慢の『反射』スキルを使っただとぉぉぉ!!
どういうことだ? アレは俺しか使えないんじゃなかったのか?
しかも驚きのあまりか『反射』の発動に失敗しちまってこの俺に血を流させやがって…許せねぇ…ぶっ殺してやる!
「なぁおっさん、 あんたその自分のスキル無敵だと思ってないか? 違うんだよなぁ?」
あ、何を言ってやがる? 俺はこの無敵の『反射』スキルで少佐になるまで帝国でのし上がってきたんだぞ。弱点なんてあるわけないだろうが
「エミリア、 僕を相棒だと信じるなら僕めがけて最大火力で魔法をぶっ放せ! 隣の姫さんも頼む、 僕を信じてくれ!」
はっ…小僧が攻撃手段に乏しいから味方の魔法を跳ね返してこっちに当てようってか
来るのがわかってるなら再度跳ね返せばいいだけのことよ
「ああ、もうアキ信じてるからね! ファイアロンド! ファイアロンド!…えっ
」
「ならばわたくしも彼に賭けます! ウインドブラスト! ウインドブラスト!…嘘」
「 【アルト】! もういっちょ 【アルト】!」
な…小僧が小娘たちの詠唱に合わせる形で何か叫んだ瞬間、 魔法がやまびこのようにこだましやがった。
「そして…【リ·アルト】~!炎と風の四重奏をくらいやがれ!」
なんて熱量だ…だが俺には効かん!『反射』!丸焦げになるのはお前だ、 小僧!
…なに…『反射』できないだとぉおぉ!!? ぐぁぁぁぁぁああ!!
「リフレクがかかっている敵に魔法を当てたい時は、味方にリフレクをかけて反射させるとリフレク貫通してダメージ通るんだぜ? 国民的RPGで学ばなかったのか? なんてね」
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