第5話 シュバイツァー家にて
「あのクソババアほんと加減っていうのを知らないんだから…あいたたた…」
「こら、アキくん駄目じゃない。フィオナさんのことクソババアだなんてなんて。今度会った時アキくんがクソババア呼ばわりしてたって言っちゃおうかな~」
そうやってからかってくるアイナさん…エミリアの母親に慌てて勘弁してくださいと
ジェスチャーする。こういうところは母娘でそっくりだと思う。
僕は母さんの愛の鞭…もとい愛の槍で擦り傷まみれになったので
治療してもらおうと隣家のエミリアの家を訪れていた。
脳筋の両親たちを治癒魔法でサポートしてくれていたアイナさんは今はこうして村で小さな診療所を開いているので、小さい時から彼女にはお世話になりっぱなしで頭があがらない。
ちなみに旦那さんは両親たちのパーティのリーダーだったアルクさんだ。先ほど込み入った話があるとかで、父さんを連れて村長さんのところ行ってしまった。
エミリアもお使いを頼んだらしく不在らしい。
それにしても母さんはやっぱり強かった…
あれでいてかなり手加減されているのはさすがに僕もわかっている。
それでも戦闘時の『SNS』の使い方が少しは掴めた気がする。
最初はタイムラインで母さんの行動を確認すれば余裕で対処出来るんじゃない?と思っていたけど、のんきに確認してる頃には既に攻撃がとんできてて吹っ飛ばされてしまっていてこのやり方じゃダメだと気づかされた。
そこで試行錯誤をしているうちに、そういやもともとのSNSって設定とかいじれたよな…と思ったら『SNS』にも「設定」の項目が出現したのだ。
そこで「プッシュ通知」をオンに
「表示する項目」を戦闘中の挙動
にすることで戦ってる最中に母さんの次の行動を瞬時に読み取ってなんとか一本だけ勝利をもぎ取ることができたんだ。
そうそう、それで勝利の結果念願のフォロワーがついに0じゃなくなったのも嬉しい。家族が3人とも僕のアカウントをフォローしてくれたんだ。
おそらく推測だけど「こいつなかなかやるやん」みたいな感じで認められた時にフォローされるようになるんじゃないかな。
いや、これフォロワー増やすの大変じゃない…?みんなもっと気軽にフォローしてくれてええんやで。
「はい、動かないでね…『ヒール』…よし、もう大丈夫かな?とりあえず傷はふさがったけど今日はあんまり無茶なことはしないように」
は~いとのんきに返事を返すと
ピロン
アイナ・シュバイツァーがあなたをフォローしました
現在のフォロー数:4
フォロワー数:4
おお?アイナさんサンキュー~。これであと一人フォロワーが増えればスキルレベルがやっと2にあがるぞ。ちなみにアイナさんをまだフォローしてないのはなんとなくフォロー枠をひとつあけといたほうがいい気がしたからだ。
「まだまだ子供だと思ってたのにフィオナから一本取ったんですって?将来有望じゃない?うちの娘とかどう?」
「ブッ…ゲホッゲホッ…。からかわないでくださいよアイナさん…。僕らはまだ12歳ですよ…それにあいつの気持ちだって…ゴニョゴニョ…」
まったく…急にアイナさんがからかうもんだからついアイツのことが気になったじゃないか…お使いにいってるってことだけど今何やってるんだ?
え、戦ってる?
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