第3話 さらなる危険

翌朝、私は直人さんと共にオフィスに向かった。昨夜の話し合いを経て、私たちは行動を開始する準備が整っていた。しかし、まだ全てが順調に進むとは限らない。直人さんも私も、そのことをよく理解していた。


オフィスに到着すると、直人さんはすぐに彼のデスクに向かい、私は自分の仕事に取りかかった。しかし、心の中では常に隆二さんの動きが気になっていた。彼の計画を暴くためには、もっと具体的な証拠が必要だ。


その時、オフィスのドアが突然開き、見知らぬ男が現れた。彼は私たちの方に向かって歩いてきた。見たところ、30代半ばの彼は落ち着いた表情で、しっかりとした歩調だった。


「神谷さん、佐伯さん、少しお時間をいただけますか?」彼は静かに言った。


直人さんは顔を上げ、私に一瞥を送った。「もちろん。あなたは?」


「関田和彦です。民間の調査員で、ある方からの依頼であなた方に協力するように言われました。」関田さんは冷静に答えた。


私たちは会議室に移動し、彼の話を聞くことにした。関田さんは持ってきた資料を広げ、私たちに説明を始めた。


「隆二さんが裏で進めているプロジェクトの詳細です。ここには彼が関与している不正な取引の証拠も含まれています。そして、佐伯結衣さんもこの計画に深く関わっています。」


私は関田さんの言葉に驚きと同時に緊張感を覚えた。「結衣さんが…」


「ええ、彼女は隆二さんと共に行動しています。さらに、最近、隆二さんの周りで不穏な動きがあるのを察知しました。昨夜も銃撃がありました。恐らく彼らはあなた方の動きを警戒し始めています。」関田さんは続けた。


「つまり、私たちも危険にさらされているということですね。」直人さんが言った。


「そうです。ですが、今はまだ彼らの計画を完全に把握していません。この情報をもとに、さらに調査を進める必要があります。」関田さんはそう言って、私たちに資料を手渡した。


その瞬間、外で銃撃音が響き渡った。私は驚いて身をすくめたが、直人さんが素早く私を守るようにして立ち上がった。


「急いで隠れ家に避難しましょう。ここでは危険です。」関田さんは冷静に指示を出した。


私たちは急いでオフィスを後にし、関田さんが用意していた隠れ家に向かった。車の中で、私は直人さんの手を握りしめ、不安と緊張が入り混じる中、次の計画を頭に描いていた。

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