第2話 秘密の会合
翌日の夜、私は直人さんとの約束通り、高級レストランのプライベートルームに向かっていた。昼間の仕事が終わり、少しの間自宅に戻って身支度を整えた後、タクシーで目的地に向かう。心の中では、直人さんとの夜を思い出しながらも、これから話し合うことへの緊張が混じっていた。
レストランのドアを開けると、ウェイターが私を迎え、直人さんが待つ個室へと案内してくれた。ドアを開けると、直人さんが既に座っており、私を見ると微笑んで立ち上がった。
「美香さん、来てくれてありがとう。」彼は私に席を勧めた。
「こちらこそ、直人さん。昨夜のこと、今も心に残っています。」私は彼の微笑みに応じながら席に着いた。
ディナーが始まり、ワインが注がれる。お互いに仕事の話や些細な出来事について話しながら、徐々に緊張が解けていく。食事が進むにつれ、私たちは本題に入ることにした。
「直人さん、実は…」私は少し言葉を選びながら話し始めた。「隆二さんの動きが気になります。彼の行動には、何か裏があるような気がしてならないんです。」
直人さんは眉をひそめ、真剣な表情で私の話に耳を傾けた。「具体的に何か見つけたのですか?」
「はい、いくつかの書類を見つけました。取引先との不自然なやり取りや、隆二さんが極秘に進めているプロジェクトの情報です。それに、結衣さんも何か関わっているように思えるんです。」
直人さんは深く頷いた。「実は僕も同じように感じていました。最近、父が倒れてから特に感じます。彼の背後には何か大きな力が働いているのかもしれません。」
「私たちでその証拠を集めて、真実を明らかにするしかありませんね。」私は直人さんの目を見つめながら言った。
「そうですね、美香さん。あなたがいてくれて本当に心強いです。」直人さんは私の手を握り、温かい感触が伝わってきた。
その瞬間、ウェイターがデザートを運んできて、私たちは話を一旦中断した。デザートを楽しみながらも、心の中では次のステップについて考えていた。
「今夜はここまでにしましょう。明日から本格的に動き出しましょう。」直人さんが提案し、私も同意した。
ディナーが終わり、直人さんと一緒にレストランを出る。夜風が心地よく、二人で歩きながらこれからの計画について話し合う。次第に緊張感が高まる中、私たちは再びホテルのスイートルームに向かい、一夜を過ごすことになる。
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