第28話
Side:ルア
「……分かった。……脱いだ奴がまだ置きっぱなしになってるから着ていいよ」
「は、はい! ありがとうございます!」
「……ん」
ご主人様が部屋から出ていった。
……良かった。勇気を出してご主人様の着てた服を着たいって言ってみて。
下着を見られちゃったのは恥ずかしかったけど、ご主人様といつかの時に備えて買ったあの下着じゃないし、大丈夫!
……それに、恥ずかしかったけど、ご主人様が相手だしね。
今日着る分の下着を用意した私は、ルンルン気分でお風呂場に向かった。
ご主人様が一度着た服を着られることなんてもう絶対無いだろうし、目一杯楽しまないと。
……凄く変態っぽいけど、これもご主人様のせいだもん。
ご主人様が可愛すぎるのが悪いんだもん。
……初めて奴隷商で見た時から可愛い人だなと思ってほぼ一目惚れしてたけど、ご主人様と触れ合って、まだ少しだけだと思うけど、色々と知っていくうちにもっと好きになってきてしまって、色々と変なことも考えてしまうようになっちゃったんだもん。
……だから、あの時だってご主人様に好きにしていい、なんて命令をされたから、ちょっと強引だったけど、キスをしちゃったんだよ。
凄く恥ずかしがっていて、可愛かったなぁ。
ご主人様は初めてじゃないって言ってたけど、絶対私と一緒で初めてだったし、ああやって強がっちゃうところも全部可愛い。
このまま一生ご主人様のことを考えていたいけど、せっかくご主人様が沸かしてくれたお風呂に入らない訳にもいかないし、お風呂場に着いたんだから、早く入っちゃお。
今ご主人様の着てた服を確認しちゃったら絶対お風呂に入る気なんて起きなくなっちゃうからね。
さっきまでご主人様の入ってた風呂……昔は絶対こんなことなんて考えなかったのにな。
そんな邪な考えを抱きつつ、私はお風呂に入り終わった。
そして、とうとうご主人様の着ていた服を着る時が来た。
ご主人様の服を手に取った。
その時、ポロリとついさっきまでご主人様が履いていたであろう下着がその場に落ちた。
「……え? あ、え? え? こ、これ、ご主人様の……」
ご主人様は絶対にこの下着も込で着てもいいって言ったわけでは無い。
そんなこと、あの初心で可愛いご主人様を少しの間だけでも見てきたなら直ぐに分かる。
……そもそも、私は自分の下着を買ってきて持ってるんだから、これを履いていいわけが無いんだ。
そう思って、自分の欲を仕舞うために視線を逸らすと、今度はご主人様がしていたであろう上の下着が目に入った。
……あれは私のサイズには合わないから、付けれない。
そう分かってるからこそ、手に取る意味なんてないはずなのに、いつの間にか私はご主人様の上の下着に向かって手を伸ばしていた。
それのせいで色々と吹っ切れてしまったのか、ご主人様の下の下着にも手を伸ばしていてしまっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます