第27話
ルアを置いて、私はお風呂場を探し出した。
探し出したといっても、もう消去法で何となく場所は分かってるんだけどね。
そうして、直ぐにお風呂場を見つけた。
家と同じで結構大きいな。
森にある私の家より大きい。
一人で入るにはちょっと広すぎるけど、だからといってルアと入るなんて選択肢が出てくるはずもなく、私はお風呂を沸かした。
そして、転移魔法を使って森の方の家から着替えを持ってきた私は、適当に着替えを置いて、服を脱ぎ始めた。
服を脱いだところで、思った。
……そういえば、ルアって服はどうするんだろう。
下着は買ってきてたけど、服は買ってきてないよね。
また私の服を着るつもりなのかな。
……私、いっぱい服を持ってるわけじゃないし、最近は全然服を洗ってないし、もうルアに貸せるような服は無いんだけど。
……流石に下着姿で過ごさせるのは可哀想だよね。
いや、別に大丈夫か。
ルアが今着ている服をもう一度……いや、それじゃあ洗っても私の服にルアの匂いが付いちゃうかな。
……取り敢えず、寒くなってきたし、お風呂に入りつつ考えようかな。
何も思い浮かばなかったら、ルアには下着姿で過ごしてもらうか、もう一度今着ている服を着させよう。
匂いは多分大丈夫でしょ。一日くらいならちゃんと洗えばさ。
そうして、お風呂を上がったところで私は思った。
……タオル、持ってくるの忘れた。
はぁ。まぁいいや。森の奥の方の家で体を拭こ。
体を拭き終わったところで、この前置いておいた一度着ている服が目に入った。
ついでにあの服も洗っておこ。
これを洗っておかないとルアだけじゃなく私の着る服まで無くなっちゃうし。
そう思って、グルグルと回っている水の中に適当に服を放り投げていると、途中で私の手が止まった。
……この服、私が着た覚えは無いから、ルアが着てたやつだ。
…………さっさとこれも入れちゃおう。さっさと洗わないと汚いだけだし。
そして、全ての服を入れ終わった私は、買ったばかりの方の家に転移した。
……今更だけど、私、こっちに着替えを持ってきてたからまだ裸だし。湯冷めしちゃってるけど、もういいや。
そう思いつつ、ルアの分のタオルを置いて、服を着た私はリビングに向かった。
「……ルア、上がった」
「あっ、はい。私も入ってきても大丈夫ですか?」
「……ん」
ルアの言葉に頷くと、ルアはお風呂場……では無く、ルアにあげた部屋に向かっていった。
下着を取りに行ったのかな。
……あっ、そういえば、服をどうするか聞いてない。
「……ルア」
そう思った私は、ルアを追いかけて、ルアの部屋の扉を開けた。
すると、そこには下着を取り出しているルアの姿があった。
「ご、ご主人様!? な、何か用ですか?」
あの時見た凄くえっちな下着は無かったけど、ルアは下着を私から隠しながら恥ずかしそうに顔を赤くしてそう聞いてきた。
……別に奴隷の下着になんて興味無いし、あの恥ずかしい下着じゃなかっただけいいでしょ、と思うけど、いくら相手が奴隷とはいえ、もうここはルアにあげた部屋だし、ノックくらいしてあげた方が良かったかな、という思いもあるから、余計なことは何も言わずに私は服のことを聞いた。
「え、えっと、でしたら、ご主人様が着ていた服じゃダメ、ですか?」
すると、ルアはそう聞いてきた。
「……なんで?」
「あ、あれです。わ、私はこの服を着て一度外に出ちゃいましたし、多少は汚くなってると思うんですよ。で、でも、ご主人様の服なら大丈夫、ですよね?」
私だって今日は一応外に出たりもしてたけど、ルアの方が下着を買いに行ってる分外に出た回数は多いのか。
……なら、別にいいかな。
どうせ私がルアの着ていた服を着る訳じゃないんだし。
「……分かった。……脱いだ奴がまだ置きっぱなしになってるから着ていいよ」
「は、はい! ありがとうございます!」
「……ん」
ルアのお礼を聞いた私は、もうルアを放ってリビングに戻った。
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