第14話

「………………そろそろ、寝る」


 あれからしばらくして、本当に眠たさに限界が来た私は隣にいるルアに向かってそう言った。

 結構時間も経ったと思うし、多分、今なら舐められたりなんてしないだろう、と眠たい頭で考えたから。


「分かりました」


 すると、やっぱり私の考えが正しかったのか、いつもみたいな舐め腐った様子はなく、ルアはそう言って頷いてくれた。

 ……まぁ、いつもみたいな舐め腐った様子なんて言っても、そこまで舐め腐った様子なんて無いんだけどさ。


「…………早く、来て」


「はい!」


 ルアを急かすと、眠いって言ってるのに、大きな声で返事をしてきた。

 ……うるさい。

 

 ……と言うか、よくよく考えてみたら、私、こんな変態みたいな格好をしてる子を抱き枕にして寝るのか。

 まぁ、私の所有物だし、別にいいんだけどさ。

 ……さっきルアも言ってた通り、あんな格好を強制したのは私だし、あの格好を理由に嫌がったら流石にルアが可哀想だと思うし。

 ……ルアの自業自得なんだけどさ。とはいえ、だよ。


「……今日は、私が先」


 寝室までルアを連れてやってきた私は、そう言ってベッドに横になった。

 昨日、ルアと一緒に寝ても問題ないことは分かったし、もうルアに先に横になってもらって警戒する理由もなくなったからね。


「……ルア、来て」


「は、はい」


 私がベッドの奥に詰めながらそう言うと、ルアはまだ自分の格好に慣れないのか、顔を赤くしたまま、ゆっくりと私の隣に寝転んできた。

 私も逆の立場だったらどれだけ時間が経ってもあんな格好慣れる気がしないし、仕方ないか。


 そう思って、もうそれ以上はルアの様子なんて気にしないようにしつつ、私はルアを抱きしめて、目を閉じた。

 

「……ん」


 ……暖かくて、不本意ながらも人肌に触れたいと思っている私は相変わらず安心してしまい、そのまま直ぐに眠りについてしまった。


「……よしよし、可愛いですよ、ご主人様」


 


 目が覚めると、昨日同様ルアを抱き枕にしてるからか暖かくて、安心する目覚めだった。

 そして、昨日もそうだったけど、眠る時はそんなことないのに、何故か起きたらルアの方からも私のことを抱きしめてきていて、ルアを起こさないと私が起きられないんだよね。

 

「……」


 ルアを起こさないと、私が起きられない。

 それは分かってるんだけど、どうしても昨日の事が頭の中にチラついてしまう。

 大丈夫、だよね。あんなに怒ったんだから、今日は、き、キスなんてされない、よね。


 ……一応、ルアのスカートと服を捲っておこうかな。

 もちろん私が見たいから、なんて理由じゃなく、ルアが自分の格好へ羞恥心を抱いているうちにベッドから抜け出すために、だ。

 

 案外いいかもしれない。

 いくら大丈夫だと思ってても、万が一ってことはあるし、もうかなり昨日の時点で満足しているとはいえ、ルアへの仕返しにもなるしね。

 

 そう思った私は、身動きが取りにくいながらも直ぐに行動に移した。

 

「……起きて」


 そして、ルアをさらに恥ずかしい格好にした私は、ルアを起こすことにした。

 早く起こさないと、風邪を引いちゃいそうな格好だし。

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