第3話 学校でもユノちゃんが気になってしまう……
翌朝……
起きるとユノちゃんは着替えを済ませていて、ベッドに座りスマホを弄ってゲームをして、わたしが起きるのをまっていた。
昨日の夜のことを思い出して、顔がニヤけてしまうのを我慢して声を掛けようかと思ったけど……頬が、ほんのりと濡れてる?えぇ……涎を垂らして寝ちゃってた?恥ずかしい……多分……ユノちゃんが気遣ってくれて拭いてくれたっぽいなぁ……優しいし。
「お、おはよ……」
「おはよ。良く寝てたから7時になったら、起こそうと思ってた……」
あれ?いつもと雰囲気が違う感じだなぁ……どうしたんだろ……少し頬が赤くてチラチラって、わたしを見てる?え?なにか変?
自分の体を見るけど、おかしな所は無いよね……顔?ベッドに座り顔を見るけど……寝起きの顔なだけで……おかしくないよ?
「な、なに?何か変化なぁ?」
「え?別に……変じゃないよ。ご飯食べちゃお」
リビングに降りると、いつものユノちゃんに戻っていた。学校に行く支度が出来てユノちゃんと一緒に登校をした。
「なんだか新鮮だね!」
「そうだね。いつも一緒に登校をしてるけどね」
「うん。朝起きて一緒に登校をするのって初めてじゃない?」
「そうかな?小学校の時に何度か、泊まって一緒に学校に行ったって」
「え?あ……思い出した!行ったねー!懐かしー」
学校に着くと、ユノちゃんは人気があって他の友だちに囲まれて楽しそうに話を始めてしまった。あぁーあぁ……つまんない……
それでもユノちゃんはチラチラと気にして見てくれてるのに気が付いて嬉しくなった。ん……一緒に話に加わりたいけど……恥ずかしくてムリムリ……
ボーッと、ユノちゃんを見つめていると……昨日の夜にユノちゃんと、間接キスしちゃったんだよね〜♡ 今日も泊まるらしいし……また、間接キスしちゃおうかなぁ。ふふふ……♪
そんな事を考えていると授業が始まり……お昼休みになった。ユノちゃんと友達が教室を出て行くので追いかけるとユノちゃんがチラチラとわたしの事を気にしてくれて微笑んでくれていた。
それでも、やっぱり……話に参加が出来なくて……気まずい。何だかコソコソと何人かが内緒話を始めて、また移動し始めたので付いて行くと……
「ミユちゃんは、付いてくるだけで話に参加しないんだから、恥ずかしいから付いて来ないで」
「う、うん。ごめん……」
ううぅ……最悪……ユノちゃんに怒られちゃった……そりゃそうだよねぇ……何も話さずに付いてこられたら気味悪いよね……。でも、ヒドイよね……少しは一緒にいてくれても良いと思うんだけど。
遠くから友達と楽しそうに話をしているユノちゃんを見つめてイライラとヤキモチを妬いて過ごしていた。
ふん。もう知らない!こんなに大好きなのに……はぁ……。
自分の席に戻り座って過ごして居ると、ユノちゃん達が戻ってきたので、自分が教室を出て特に行きたい場所や人に会いたいわけじゃないので、学校をウロウロして過ごした。
時間が経つのが遅いなぁ……テクテクと足音が付いてくるので振り返ると、ユノちゃんが付いてきていた。
え?なに?さっきは付いてこないでって言ってたのに。ふん。知らない!イジワルしてくるし……ユノちゃんを無視して行き先が無いまま歩き続けた。
わたしが怒ってるのが分かってるのか、声は掛けてこなくて距離を保ち、ただ付いてきていた。歩き疲れたので教室へ戻り席に座っていると……心配そうな顔をしたユノちゃんから話を掛けられた。
「……怒っちゃった?」
「知らないっ」
怒っていた、わたしはそっぽを向いた。
「ごめんね?他の友だちがさ……悪口を言い始めたから、それを聞きたくなくて……」
……そうなんだ。でも言い方があるよね?友達が悪口を言い始めたから、教室へ戻っててとかさぁ……
「……わたしと一緒に居ると恥ずかしいんでしょ!」
「ごめんてばぁーねぇー」
こうなると、わたしのイライラは中々収まらない事をユノちゃんは知っているので、面倒そうな顔をしていた。
「はぁ。ごめんね?」
ふん。なによ。面倒そうな表情をしちゃって……わたしが悪いみたいになってるよね?溜息なんか付いちゃって。面倒なら放っておいてよね……
「もう良いから。放っておいてよ……」
そう言って机にうつ伏せになって顔を隠すと、ユノちゃんは困った表情をして自分の席に戻っていった。
教室の後ろの方で緊張をした表情で、辺りを見回していた男子がミユの方に近付いてきた。
「あ、あのさ……ミユちゃん?ちょっと良いかな?」
机にうつ伏せで寝た振りをしていて、級に名前を呼ばれて慌てて顔を上げると……あまり話をした事の無い男子が緊張をした表情で、わたしを見つめていた。
「え?あ……うん。良いけど……なに?」
「えっと……ここじゃ……ちょっと……教室を出ない?」
え?あぁ……これってもしかして、その……告白だったりして……うふふ♪まぁ……そんな事はないと思うけど。
「うん。良いよ」
「はぁ……。良かった」
男子の表情が、わたしの反応を見て少し安心したようで笑顔になって、わたしが席を立ち男子の後を付いて行くと、ちゃんと付いてきているか心配なのか後ろを振り返りチラチラと確認していた。
「うふふ♪大丈夫だよ。逃げたりしないよ?」
「え?あはは……心配でさー」
「もぉ〜心配って子供じゃないんだよー」
あ、あれ?普通に話しちゃってる……?緊張もしてないかも。教室を出て廊下の曲がり角にやって来た。ここを曲がれば移動教室が並んでいるので昼休みの時間帯は比較的に人が少ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます