勇敢の裏側
(なんだこれ…。強いのか?)
そんなことを思いながら、隣にいる勇気のステータス画面を確認した。
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真田 勇気
LV.1
HP:12,0000/12,0000
MP:35,000/3,500
攻撃:28,000
防御:26,000
体力:12,000
速さ:9,000
腕力:15,000
賢さ:12,000
職業:勇者+
スキル:
勇気の証
武器の補正値+200
自分のレベルより高い敵を倒した際の経験値増加
不屈の闘志 Lv.1
自分の残りHPが20%未満の場合全ステータスに補正値がかかる。
シャイニングスラッシュ Lv.1
斬撃系の武器を装備時、光属性の斬撃を飛ばすことができる。
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(え…?なんだよこれ…。勇者?差がすごい…。しかも+が付いてる…?)
「勇気…。お前…」
ボンッ!ボワァ!!
「ハハハハ!!!俺は最強だぁ!!燃えるぜ!!」
そう叫んだ鬼石の周りを頭よりも大きな火の玉が2つぐるぐると回っている。
(あいつもあんなにすごい力を…。)
他にも周りで歓喜の声や落胆の声が聞こえた。
「俺が勇者じゃない…。でも、賢者もアタリ職業だ!これはこれで最高!」
根岸は、そう言って大好物を目の前にしたかのようにステータス画面を見つめている。
そんな中、王妃のアメテルが話始め皆がそちらを注目した。
「皆さんステータスは確認できましたか?今はLv.1でそこまでステータスが高くない方も努力次第では強くなるでしょう。
あら!!そちらの勇者の方!!+が付いていますね!!すごい!+が付くこと自体珍しいのに勇者に+なんて!すごい……!今回は期待できるわね!」
勇者はやっぱりすごいステータスなんだな…。
王妃は続けた。
「次に、インベントリと言ってみてください。」
「インベントリ…。」
またウィンドウが開いた。
ただ、今回はステータスとは違う画面が開いた。
囲碁のような四角のマス目がいっぱい並んでいた。
そのマス目の中に金床とハンマーのマークがあった。
「そこにはアイテムを入れることができ、いつでも取り出すことができます。
最初からアイテムが入っている方も多くいると思います。そのアイテムを取り出すイメージをしてみてください。」
言われたとおり、金床とハンマーを取り出すイメージをした。
すると、足元に金床とハンマーが現れた。
もしかしたら、ハンマーは武器かも知れないと少し期待したが、片手で持てるサイズの道具を作る用のハンマーの様だ。
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鍛冶用ハンマー(下級)
攻撃:5
耐久:15
装備を作る際に使う道具。
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金床(下級)
攻撃:0
耐久:40
装備を作る際に使う道具。
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(これじゃ戦闘なんてできないな…。サポート役だな…。)
他の人のアイテムを見たが、剣やら弓やら杖やら強そうなものを持っている。
それを見た王妃が説明を続けた。
「今持っているアイテムはユニークアイテムで、インベントリから出したあとはどこからでもインベントリに仕舞うことができるの。
ユニークアイテムは、今は弱くても使っているうちに強いアイテムへ変化することもありますので、皆さんがんばっていきましょう!」
その言葉に男子は目をキラキラさせ、すぐにでも戦闘したいと言う空気だ。
「なにこれ?」
姫野が声をかけてきた。
「金床とハンマー?武器とか作れるのか!?」
勇気も話に入ってきた。
「いや、、装備を作れるけど俺のスキルは防具とアクセサリーを作れるだけ…。」
「え!すごいじゃん!みんな怪我しないようになるから助かるよ!」
「そんなことないよ。俺は劣化版のコピーが作れるだけだし…。」
「そんなことないよ!防具が壊れても桐山君が新しいの作ってくれるんでしょ?だから、すごいことだよ!」
そんな姫野の言葉が嬉しかった。人のためになるんだって思えて、少しだけど勇気が出てきた。
「ありがとう。姫野の職業はなんだった?」
「私?私は、戦乙女。よくわからないけど、みんなのを守るために戦うみたい!みんな守るよー!」
元気よく腕を突き上げた姫野。
とてもたくましく、勇敢だなぁ。
皆はそう思うと思う。。
「姫野は、怖くないの?」
「何が?」
「この状況とか、戦うこととか。」
「怖くないよ。だってこの国の人たちが困ってるんでしょ?だったら助けたいじゃん!怖いなんて思ってらんないよ!」
でも、そんなことはない。小学生の頃から姫野の事を見てきた、俺と勇気は知っている。姫野はそんなたくましく、勇敢な人間ではないのだ。泣き虫で、怖がりなただ普通の女の子なのだ。
でも、そんな姫野は人一倍優しかった。誰かを守るときは勇気を出し、恐怖に立ち向かっていた。
でも、本当は内心かなり怖いだろうし逃げたいんだって前に話してくれたことがある。
だから、今も本当はこの状況に混乱し、泣きだしてしまいそうなのだと思う。
そんな状況なのに、俺のことまで気を使ってくれた。本当に嬉しかった。
(俺が最強の防具を作って、姫野を守ってあげれればな…。)
そんなことを考えていた。
「じゃあ、俺達3人でクラスの皆も、この国の人たちも守ろう!!」
勇気が俺達の背中を叩いて言った。
「あら?そこの貴方の職業は鍛冶師なの?しかも防具とアクセサリーしか作れない?」
王妃がそう言うと、この世界の住人の人たちがざわめき始めた。
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