EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)50

クライングフリーマン

告発

 =======この物語はあくまでもフィクションです =========

 ============== 主な登場人物 ================

 南部(江角)総子・・・大文字伝子の従妹。南部興信所所長の妻。EITOエンジェルのチーフ。

 南部寅次郎・・・南部興信所所長。総子の夫。

 大前英雄管理官・・・EITO大阪支部の管理官。コマンダー。総子からは『兄ちゃん』と呼ばれている。

 足立祐子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 石動悦子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 宇野真知子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 丘今日子・・・EITO大阪支部メンバー。看護担当。元レディース・ホワイトのメンバー。

 河合真美・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 北美智子・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。現在は休暇中。

 久留米ぎん ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトの総長。EITOエンジェルス班長。

 小峠稽古 ・・・ EITO大阪支部メンバー。元レディース・ホワイトのメンバー。

 和光あゆみ・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

 中込みゆき・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

 海老名真子・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7のメンバー。

 来栖ジュン・・・EITO大阪支部メンバー。元レディース・ブラック7の総長。EITOエンジェルス班長。

 愛川いずみ・・・EITO大阪支部メンバー。EITOエンジェルスの後方支援担当になった。

 本郷弥生・・・EITO大阪支部、後方支援メンバー。

 大前(白井)紀子・・・EITO大阪支部メンバー。事務担当。ある事件で総子と再会、EITOに就職した。

 神代チエ・・・京都府警の警視。京都府警からのEITO出向。『暴れん坊小町』の異名を持つが、総子には、忠誠を誓った。

 芦屋一美(ひとみ)警部・・・大阪府警テロ対策室勤務の警部。総子からは『ひとみネエ』と呼ばれている。アパートに住んでいる。

 用賀(芦屋)二美(ふたみ)二曹・・・。三つ子の芦屋三姉妹の次女。陸自からの出向。総子からは『ふたみネエ』と呼ばれている。オスプレイやホバーバイクを運転することもある。後方支援メンバー。総子の上の階に住んでいたが、用賀と結婚して転居した。

 芦屋三美(みつみ)・・・芦屋グループ総帥。EITO大株主。芦屋三姉妹の長女で、総子からは『みつみネエ』と呼ばれている。芦屋三姉妹と総子は昔。ご近所さんだった。


 小柳警視正・・・警視庁から転勤。大阪府警テロ対策室室長。

 佐々一郎・・・元曽根崎署刑事。横山と同期。大阪府警テロ対策室勤務。通称佐々ヤン

 指原ヘレン・・・元EITO大阪支部メンバー。愛川いずみに変わって通信担当のEITO隊員になった。

 用賀哲夫空自二曹・・・空自のパイロット。EITO大阪支部への出向が決まった。二美の元カレだったが、二美と結婚した。

 真壁睦月・・・大阪府警テロ対策室勤務の巡査。小柳と一時不倫をしていた。

 友田知子・・・南部家家政婦。本来は、芦屋グループ社員。

 斉藤長一郎・・・EITO東京本部の指揮官。元警視庁理事官なので、「理事官」と呼ばれている。


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 = EITOとは、Emergency Information Against Terrorism Organizationを指す =

 ==EITOエンジェルズとは、女性だけのEITO大阪支部精鋭部隊である。==


 ※かつてプロ野球球団「南海ホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)」の本拠地球場として使用され、1998年に解体された大阪球場の跡地に、南海が「未来都市なにわ新都」をコンセプトとして再開発を実施。2003年10月7日に第1期部分が、2007年4月19日に第2期部分が開業した。なお、2005年4月1日からは南海の完全子会社である「南海都市創造」が営業を行っていたが、同社は2010年10月1日、南海に吸収合併され解散したことから、再び南海による直営となっている


 午前9時。EITO大阪支部。司令室。

 大前は、東京本部の斉藤理事官から話を聞いていた。

「理事官。今度の敵、幹はお見合いパーティーが好きなんですか?一ノ瀬一佐から、マムシっていう枝が『今度の幹は女だ』って言ったって聞いてます。ヘンな作戦ばかり。ピスミラって言うエイラブ系の組織が嫌いで、EITOに始末を押しつけてくるとか。」

「うむ。私は、今度の、って言ったのが後で気になった。普通は『今の』じゃないか?上司だろう、好き嫌いはともかく。大文字君もドリフト・アイスのことと勘違いしていた、と言っていた。とにかく、こちらは連日の出動だ。いざと言うときは頼むよ、大前君。」

「分かっています。もし何らかの事件がこちらで起っても、なるべく最小限の人数で対処します。小柳警視正も文句を言わないでしょう。」

「だといいがね。」マルチディスプレイから斉藤理事官が消えるとすぐ、小柳警視正が映った。「私は不服だけどね。大阪府警に、挑戦状っぽいものが来た。これだ。」

 ディスプレイには手紙が映っている。

「手書きですか。指紋照合は?」「今科捜研で調べている。マエはなさそうだが、文書分析官が高校生以下の学生ではないか、と言っている。文章のゆらぎ、詰まり、震えはない。誰かに強要されたものではないかも知れない。『主語』がないし。」

 午前9時半。会議室。

 ディスプレイに出ている、手紙を見て言ったのは、みゆきだった。「下手くそな字やなあ。」みゆきは、書道2段である。

 小町も言った。「ウチより下手やな。」

「内容は?」大前が呆れて言った。文面には、こう書いてあった。

 難波パークスで、人が死ぬ予定。7月15日(海の日)。

 》

「随分、大雑把やナア。」と、ぎんが言った。

「ひょっとしたら、挑戦状じゃなくて、密告かもね。」と二美が言った。

「つまり、犯人から遠くない人間が、計画を阻止して欲しい、とたれ込んだ、って訳だ。カンがいいな、ウチのカミサンは。」「哲夫。イチャつくと、袋にされるかも。風紀乱したカドで。」「笑えないな。」と、用賀と二美は言い合った・

「夫婦漫才は、花ヤンか横ヤンの前でやってくれ。なんばパークスと言えば、何年か前直結しているタワーマンションで殺人事件があったが、それからは、平和な街やけどな。いつも、日本橋方向や戎橋方向に・・・。」

「兄ちゃん!」「何や、総子。大きな声出して。」大前は、総子に問いただした。

「何で、ひらがなと違うんやろ?」「ホンマや。余所から来た人間やったら、つい漢字で書いてしまうやろうけど、ひらがなの街が多いもんな。なんさんタウンとか、なんばCITYとか。」とジュンが言い、「JR難波は、遠いワナア。あ。ウインズ難波とチャイます?コマンダー。」と、あゆみが言った。

「場外馬券発売所か。」と大前が感心していると、「明日は『海の日』。祝日は休館日よ。」と、三美が入って来て言った。

「本来なら10時にオープンだけど・・・。殺人の『予報』だとすると、拉致されて監禁されている、と見るべきね。」

「そして、三美ネエ。拉致犯人は、休館日を知らない。時限爆発物か。」

「ヘレン。届いた手紙の投函日は?消印は?資料を見て。」と、二美が言った。

「金曜日。南海難波駅の消印です。」と、ヘレンが答えた。

「・・・今、出発しよう。皆で調べるんや。ウインズから500メートル以内。まずは、拉致された人物を助けだすんや。多分、犯人は明日戻って来る。ヘレン。府警に捜索協力要請や。」

 ヘレンは受話器を取り、紀子は皆に、カチカチっと百均の『火打ち石』を鳴らした。

 縁起担ぎの儀式だ。

 オスプレイ2機で出発した、総子達は、徹夜で捜索した。

 そして・・・。

 翌日。午前9時半。

 修学旅行で来ていた、難波駅近くの『ホテルなにわっこ』の高校生達が、ウインズ難波に向かった。

 午前10時。ウインズ難波。

 待っていたのは、EITOエンジェルズだった。

「朝、食べたか?セイガク!!朝抜かしたら、お肌に毒やで。」と、ぎんが言った。

「食べたみたいやで。そこのアクドから、続々出てきたから、すぐに行き先が分かった。」と、ジュンが言った。

「ホテルの朝食より、アクドの朝食か。グルメヤナア、自分ら。」と、真美が言った。

「徹夜したで、あんたらの『手作り』を探して。」と、稽古が言った。

「出来損ないの爆発物。徳用マッチ全部使っても爆発はせえへん。」と悦子は言った。

「火薬の成分。理科で習わんかった?」と、祐子は言った。

「ウインズのトイレで、担任のセンセは見付けた。酷い脱水症状やった。去年、熱中症で亡くなった同級生の復讐か?」と、真子は言った。

「この格好、見てピンと来ないのね。『もぐり』だから。」と、弥生は言った。

「まあ、仕方無いわよ。『ご当地ヒーロー』だから。」と、いずみは言った。

「ほな。捕まえる前に、教えんとアカンわな、チーフ。」と、小町は言った。

 突然、総子は、口上を始めた。

「天が呼ぶ、地が呼ぶ、人が呼ぶ。悪を倒せと我らを呼ぶ。参上、EITOエンジェルズ。満を持して。」

 総子が言い終わると、EITOエンジェルズは学生10人をピコピコハンマーで彼らを叩きまくった。

 用賀が言った。「ダークレインボーに比べると、レベル1くらいかな?」

 二美が長波ホイッスルを吹こうとしたが、佐々が顔を出した。後ろに警官隊を控えている。「もう、エエかな?」「はい。佐々捜査官。」

「捜査官?おい、逮捕連行!!」と、佐々ヤンこと佐々刑事は被疑者の高校生を逮捕連行させた。

「彼らは、誕生日迎えたから、18歳。新聞にイケメンが並ぶわね。」と一美が言った。

「チーフ。担任の先生の大下先生は、熱中症事件とは無関係でした。他の教師でした。木下先生と、告発した南君が話してくれました。数日間、点滴をして様子を見るそうです。」と、真壁が報告した。

 午前11時。オスプレイの中。

「ネットには、本当の事も書かれているが、デマもある。いつかは思い知るだろう、彼らも。報告書は後でエエ。皆、直帰してええぞ。但し、東京から『お座敷』がかかったら、別や。ご苦労さん。」と、タブレットの中の大前は言った。

「チーフ。ウチら、いつから『芸妓』になったん?」と小町は総子に言った。

「配属した時、契約書を書いたやろ?」

 総子の言葉に、ええ?と皆はコケた。

 午後5時。総子のマンション。

「見事な『団体芸』やな。」と、南部が言うと。総子は寝息を立てていた。

 知子が、毛布を持って来て、南部がソファに横になった総子にかけてやった。

「総子は、『お茶ひく』暇がないな。」と、南部が呟き、知子は笑った。

 ―完―

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EITOエンジェル総子の憂鬱(仮)50 クライングフリーマン @dansan01

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