5Gを防がねば!

​約1日遅れてしまいました。申し訳ありません。

なるべく間に合うようにします。

───────

 クラスメイトについて行ってから程なくして、前の方から「着きました」という声が聞こえた。

 ガチャと扉を開ける音がし、列になって入っていく。

 部屋はまたまた広く窓からは外の様子が見ることが出来そうだった。


「あ、颯汰くん!」


 俺が部屋に入ると菜奈さんが俺の元へ来る。


「あ、菜奈さん」


「これからどうなるんだろうね、私たち。」


 やっぱり不安は不安なんだろう。

 今のところ悪そうな感じはしないけど、少なくともなんの断りもなく連れてくる時点で普通ではなさそうだ。


「うーん…わかんないけど注意するに越したことはないと思うよ。」


 少しすると案内してくれた兵士の人が初老の男性を連れてきた。


「只今からあなた方にはここに呼び出された際に得ることのできた特典ギフトの確認をしていただきます。」


 兵士の人がそう言うと初老の男性が前に出てくる。


「特典の確認はわたくしが務めさせていただきます。」


 そう言うと1人づつ別室に連れていかれ、3分ほどで帰ってくる。


 少しすると俺の番になった。


 別室へと案内されそこには先程の男性が椅子に腰掛けていた。


「どうぞお座り下さい。」


 そう言われたので座ると軽く話をすることになった。


「いきなり呼び出されて不安でしょう。ですが悪いようにはしません。」


「はぁ。」


「そんなに緊張なさらず。お茶でも飲みますか?」


「いや、あんまり喉乾いてないんで大丈夫です。」


 そんな会話を2分ほどすると男性が


「……はい、確認が終わりました。あなたの特典は固有のスキルのようですね。おめでとうございます」


 と言われた。

 スキルか。よく分からないけど固有なのだから悪くは無いだろう。


「固有のスキルは少し扱いが難しいですが、使いこなせれば良い武器となるでしょう。」


 どのようなスキルなのかは分からないのかそれ以上のことは話されずに部屋を出て行かされた。


 みんながいる部屋に戻ると待っていたかのように山田が俺の元へ来た。


「伊藤殿はなんと言われたでござるか?」


「デュフッ、ちなみに拙者は固有スキルだそうですぞ。」


 オタク特有の早口でスキルを解明するのが楽しみだとか何とか言っている。


「僕も同じ、固有スキルって言われたよ」


 そう横から入ってきたのは雅人だ。


「これはこれは燈野殿。」


「じゃあここ3人は全員同じなわけか。」


「ってことは颯汰もなのね。」


「でもスキルの詳細は教えられてないよね。」


 山田もハッとしたような顔をしたことから教えられなかったのは俺だけではないようだ。


「これは、デュフッ、やはりそういう事でござるか。」


「どういうことだよ。」


「あー、あれでしょ山田くん、自分で探せるとは、楽しみでござるな。とか言いたいんでしょ。」


「思考盗聴しているでござるかっ!?」


「だからアルミホイル被れって…じゃねえんだよ!同人誌売りさばいたろか!?」


 そんなふうに駄弁っていると全員の特典の確認が終わったのか兵士と男性、そして最初にいたおっさんが戻ってきた。

 戻ってきて早々おっさんは


「皆様、お疲れでしょう。まだお昼時ですが、本日はゆっくりとお休み下さい。お食事は1階まで降りてくだされバ用意いたします。」


 と言い、部屋へと案内してくれた。


 5部屋ほどあったため、生徒会役員の田中さんがまとめあげ、1部屋4から5人の組み合わせを作ってくれた。


 俺の部屋の班はいつも一緒にいる雅人と山田、たまにいる菜奈さんとお馴染みの田中さんになった。


 部屋に入るとこれまた広く、寝具や家具も完備されていた。


 やはりここは城とかなのだろうか。それにしては王様とかには会ってないし微妙に引っかかるのだが。

 まあ考えすぎても仕方ない、取り敢えず疲れをいやそう。


 とりあえず風呂があるか聞くか。


 ◇◇◇


「っと、あぶね」


 危うくタイルで滑るところだったが、ともかくこんな大浴場があるとは。

 しかもちゃんと高級。


「先入ってるよ。」


 風呂の蒸気のせいでよく見えないが男子はほぼ全員揃っているようだ。


 頭と体を軽く洗い、湯船へとつかる。

 予想通り男子勢揃いだ。


「俺は付与バフ系って言われたぜ」


 面々は特典の話をしているようだ。

 その中でもひときわ声が大きいのは獅子島レオ。

 金髪長身の耳にピアスを開けたよくいるチャラ男だ。


「俺は特殊魔法系と言われたな。」


 獅子島の隣にいる寡黙なやつは黒澤海斗。


 こいつらがクラスでも強力な立場を持っていたことを考えるとここでもそうなのだろう。


「しっかし、あのジジイ。詳しく教えてくんねーのケチだよな。」


「あまりそういうことを言うな、詳しく分からない可能性もあるだろう。」


「うえ!ダッセー!知ったかしてんじゃねえかあのジジイw」


 これ本人に聞こえたらどうするつもりなのだろう。

 そんなことを思っていると先程までゆっくりと湯船に浸かっていた雅人が立ち上がってこちらに来た。


「颯汰、部屋に戻ろう。ここは少し、いやかなり騒音が鬱陶しいよ。」


 そう本人にも聞こえるほどのボリュームで言ってのけた。

 こうやってズバズバ言っていけるのが雅人の強みなのだ。


「…へいへい。」


 少し戸惑ったが、渋々湯船から上がることにした。


「いま颯汰僕のこと褒めたでしょ。」


「思考盗聴されてる!?」

───────

8/14 時間が分かりにくいと感じたため、少し変更を加えました。

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