第38話 奴隷購入 勇者の場合

リヒトが帰ったあと、四人で話した結果、別々の個室でそれぞれが欲しい奴隷を購入する事にした。


「ライト様、こちらが今回用意した奴隷でございます」


凄いな……リメル達とは全然違う。


気品がありこう言うのを『本物の美少女』と言うんだな。


この奴隷に比べたら幼馴染みの三人はただの村娘だ。


幾ら三職といっても本物の魅力を持った女性には遠く及ばない。


「どの女性も凄いな……」


「どれも最低白金貨3枚(約3千万)からの最高の奴隷ですからな……お前等自己紹介をしろ」


「私の名前はエルミア、見ての通りエルフです。一応は遠縁ですが、森もエルフの民の長の家系に繋がります。戦闘では弓を得意としています」


金髪に色白……凄い美人だ。


「家事は出来るのか?」


「エルフは森の民ですからある程度は……」


「次は私ね、私の名前はシャーロット、家名はもう無いわ! 元はこれでも貴族の出身ですから、事務仕事や様様な提案プランは得意です。 細剣なら少々つかえます」


シルバーの髪にグリーンの目、色白の肌、高貴な女性と言うのは彼女みたいな女性を言うのかもな。


「家事は?」


「貴族出身なので苦手です」


「次はあたいかな? あたいは元傭兵で名前はマーサ……剣は使えるよ! 家事は傭兵団に居たから料理に炊事になんでも出来るさぁ……事務仕事は苦手だ!」


赤毛に褐色の肌……野性的な美人だ。


しかも、胸がデカい。


「私の名はセラミス、元騎士だったが、今じゃ落ちぶれてこの通りだ……騎士はよく勘違いされるが野営が多い……メイドの様に出来るかと言えば出来ないが、一通りは出来る……大剣を使う」


これまた金髪に胸が大きく背が高い……とんでもない美人だ。


「次は私ですね、我が名はセラ……最強の魔法使いを目指す者です! 魔王軍と戦うならこのセラにお任せ下さい! 家事は万能です、ご安心を」


黒髪に黒目……なかなか可愛い。


「あっ、ライト様、今のは嘘です! セラの特技は詐称術…….嘘の天才です! 奴隷紋で縛って手元に置けば、色々な交渉で役にたつと思います」


「成程……嘘の天才と言う事か」


「あはははっ、そういう事です……まぁこんな風に騙すのが得意です。


「ライト様、以上5名がこの近隣の奴隷商で最高と呼ばれる女奴隷でございます……一部要望に叶ってない物もおりますが……近隣の奴隷商で最高と呼ばれる物5人を連れて参りました。あとレベルを落とした物でヒーラーや戦士もおりますが、美貌という点で難がある為連れてきませんでした」


「どの子もなかなかの人材だな!」


「最高の奴隷でございますから!」


しかし、困ったな。


誰か1人に絞れないな。


欲しいと言えば全員欲しい。


だが、此処から絞るのか……全部満たしていそうなのは居ない。


しいて言うなら エルミナとマーサ、セラミス辺りは戦って簡単な家事は出来そうだ。


だが、マーサは事務仕事が出来ない。


事務仕事が得意なのはシャーロットだ。


それにシャーロットは元貴族。


俺が魔王討伐後の褒賞でくる縁談はきっと彼女の様な人物だったに違いない……


クソっ……全員が最高の容姿を持っている。


これじゃ、なかなか決められないな。


誰にするかな……最低でもエルミナとセラミスは欲しい。


だが、他の三人も捨てがたいな。


う……ん!?


『特定用途小切手』って自分で金額を書くんだよな……5人全員買えるんじゃないか?


何も1人だけしか買えない訳じゃないよな。


「ちょっと聞きたいんだが、この『特定用途小切手』で買える奴隷は1人なのか?」


「それはですね……自分で金額を書くものでそのお金は教会が後に払います。基本的に青天井ですから、本気になれば国中の奴隷すら買えますよ!」


「やはりそうか……それなら5人全員買わせて貰おうかな……」


「流石、勇者様ですね! よう太っ腹! 」


「いやぁ、そんな……」


「それではですね、5人あわせた金額は全部で白金貨32枚(約3億2千万)になります。 此処までの取引きですので、奴隷紋の刻み賃、最初のドレス代などは特別にサービスさせて頂きます。 それでは金額の方のご記入お願い致します」


「ああっ……」


結構な金額になってしまったが……大丈夫だよな。


俺は震える手で『特定用途小切手』に金額を書いた。



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