第33話 ライトSIDE 最早手遅れか.......
思った以上に大きな話になってしまった。
リヒトは……本当に壊れていた。
化け物みたいな女をつれて喜んでいやがった。
恐ろしくデカい目の女を気に入っていて、片方はまだ、体は真面だが、片方はバランスも悪く体すらおかしく歩行困難のようだった。
俺はあれより醜い女を見た事が無い。
あれなら、スラムに転がっている女の方がまだましだ。
それより問題は……ハーレムパーティ申請だ。
リヒトの奴余計な事しやがって……
取り敢えず、俺だけで判断がつかないのでリメル達を呼ぶ事にした。
そして、リメル達が来る前に自分達の状況を確かめる事にした。
◆◆◆
俺は近くのギルドに相談にきた。
『パーティ申請』である以上は冒険者ギルドを通している、その可能性が高いからだ。
受付に話をすると応接室に通される。
S級ランク、勇者の特典だ。
「これは、これはライト様、今日はどう言ったご用件で」
このギルドのギルマスらしい男が来た。
「ハーレムパーティ申請について教えて貰いたい」
「ハーレムパーティですか? 本当のハーレムパーティはですね。勇者パーティのみに許された特典でして……勇者パーティは王族や上級貴族のみに許されている一夫多妻、一妻多夫の権利を持っています。 その制度を利用して組んだパーティです。 まぁライト様の場合は、聖女マリアンヌ様や剣聖リメル様、賢者リリア様と『肉体的にも婚約関係に近い関係があり、恋人同士でパーティを組んでいる』そんな報告からの申請のようです」
「本当のとは?」
「ああっ、只単に複数の恋人同士で組んだパーティは正式なハーレムパーティではありません。 ハーレムパーティはギルドだけでなく各国単位で認められた公的な物になります」
「公的な物ですか」
「はい、冒険者ギルドだけでなく教会、各国までへの申告になります」
そんな大きな話だったのか。
「何故、そこ迄の話になるんですか?」
「それは四職の今後を左右する話だからです。 勇者であるライト様は魔王討伐後は、王族との婚約もあり得ました。過去には帝国と王国両方か姫を貰い親善を計った事もあります……聖女様も、剣聖様も賢者様にも国単位で動き婚姻相手を募る場合もあります。 ですが、苦難を乗り越える仲間と恋仲になる事もあります。 一緒に苦難を共にし絆を深めていくのですから仕方が無い事です。 その場合は国や貴族の方が婚姻を諦める必要があります。 魔族と戦い魔王と戦う運命の4人を引き裂くなんて事はしたく無いですから、その為に生まれたのが『ハーレムパーティ申請』なのです」
「それで、ハーレムパーティ申請してハーレムパーティに認定されたパーティは、取り消しとかできるのか?」
「それは可能ですが……意味はありません」
「何故ですか!」
「言い方は悪いかも知れませんが、もう既にそれなりに深い関係になっていると解っている訳ですから、今更取り下げても、良縁が来ることは無いでしょう……それなら今後も問題視されない為にハーレムパーティを続けた方が良いと思いますよ」
やはり、これはもう俺だけじゃどうする事も出来ないな。
それに、三人が俺のハーレム要員になっているなら、リヒトに渡して戻って来て貰う事は出来ない。
どうするんだよ……これ。
◆◆◆
それから3日後、リメル達と合流した。
「色々と話があってな……」
俺は現状について順を追って話す事にした。
「あの似顔絵みたいに本当に醜かったんだ」
「それ本当なの? あの似顔絵や映像があっているなら化け物だよ」
「うん……冗談だよね?」
そう言うと思って貴重な記録水晶を使って俺も隠し撮りしたんだ。
撮影した動画を見せた。
「あの通りじゃない……本物の化け物だぁ~」
「本当にリヒトがこれと暮らしているの?」
「しかも……二人……二人目は体もおかしいよ……私吐き気がしてきた」
これは凄く衝撃的だよな。
見た瞬間俺も、目が可笑しくなったのかと思った。
稀に記録水晶はブレる事もある……そういう現象で只のブスだと思っていたら……あれは間違い無かった。
女の好みは自由だ。
だが、幼馴染のリヒトがあれと恋仲だと思うとなんとも言えないやるせない気持ちになる。
「これで、あのデーターが本当だったのは解って貰えたと思う……それより問題は『ハーレムパーティ』として俺達が登録済みだと言う事だ」
「「「ハーレムパーティ!?」」」
「これについては、俺から説明をするより、ギルドで聞いた方が良いだろう……冒険者ギルドへ行こう」
再び冒険者ギルドを訪れて同じように説明をして貰った。
ギルマスは留守だったがしっかりと受付嬢が応接室で対応してくれた。
S級はこういう時にアポイント無しで対応して貰えるから便利だよな。
「えっ……そんな話があったの? ちなみに……コホン私の場合はどんな婚約者が見込めたのかな?」
「リメル様の場合は『赤髪の貴公子ダルク様』や『獅子公レオ様』あたりの婚約が来た可能性が高いですよ」
「嘘……」
「えーーっ私の場合は……」
「マリアンヌ様の場合は聖女様ですから『聖騎士』だったら選び放題ですね……『聖教国の白百合アーサー様』『光の聖者ランスロ様』あたりでしょうか?」
「そんな、私の憧れの存在からの縁談があったの……」
「え~それじゃ私は……」
「リリア様の場合は学者の家柄からが多いかと思いますが『博識のギルム様』とか『黒き天才スタフォード様』あたりの可能性が高いかも知れません」
「だけど、もう無理なんだよね……」
「ええっ、だって勇者ライト様のハーレムメンバーですから、今から解散しても遅いですね……」
「では間違いで済ませばどうだ!」
「あの……リメル様、見られてないと思っていたかも知れませんが、人前でキスしたり、ライト様が、その服に手を入れてメンバーの胸を揉んでいる様子は沢山の方が見ておりますよ……リヒト様が『ハーレムパーティ申請』をしたから問題にならなかったですが……してなければ、大変な事になっていましたよ」
もっと早く知っていれば自重したのに……今更もう遅い。
もう、俺も此奴らも良い縁談は来ない。
そして、俺のハーレムの一員だから、リヒトに追いそれと渡せない。
どうした物か……
この際、恥を忍んで何か良いアイデアが無いか、この受付嬢に聞いてみるか……
「もしも、仮にもしもの話だが、この三人のメンバーの誰かをリヒトとくっつけたい、そうする方法はあるのか?」
「それは可能ですね……リヒト様が手柄を立ててライト様が下賜するような形をとれば恐らく大丈夫です……ですが……」
「何かあるのか?」
「あの怪物王子と呼ばれるリヒト様が、普通の容姿の女性を望むとは思えません……しかも、最近はやたらと家事に目覚め、生地を購入して裁縫が趣味みたいですよ? 狩るのはゴブリンか精々で偶にオークまで……あれはもう戦う気が無いと思います」
「「「「怪物王子」」」」
「はい、ブス専王子という字もあります……貴方達が追放したから『壊れちゃったんだ』そう言われてます……あの凛々しかったリヒト様が、子供が受ける様なドブ掃除や教会の掃除を受けて『うりやぁぁぁぁぁーー』と奇声をあげて掃除したり、女性ようの下着を見ていたり、コホン……あの変な奴隷に変な服を着せてニヤついていたり……奇行に走っています。 放っておいてあげれませんか? もし、無理やりパーティに入れてもあの変な行動をとられたら勇者パーティの醜聞になるかも知れません」
「そこ迄おかしいのか? リヒトは……」
「リメル様……女性もんの下着を手に取り、ブツブツと言っている殿方どう思います? 私はこれでも元はリヒト推しでしたが……もう……諦めましょう」
「そうか……」
「これで現状が解っただろう……行くぞ」
「「「うん」」」
もう、どうする事も出来ないのか……
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