幕間 過去の記憶1
「ケンちゃん、将来の夢ってあるかい?」
「ヨシばあちゃんみたいな霊媒師!」
「まあ! 嬉しいこと言ってくれるじゃないか。私としちゃあ嬉しいけど、大丈夫かい? 危険なことだっていっぱいあるよ?」
「大丈夫に決まってるよ! だって僕には霊媒師の才能があるんでしょ! いつもヨシばあちゃんが言ってるじゃん。」
「そうだね、ケンちゃんの才能はすごいよ~。私なんか比べ物にならない。唯一無二ってやつだね」
「ゆいいつむにってなに?」
「超超超超、ちょーーーーーうすごい才能を持ってるってことさね」
「本当? じゃあ、僕は超超超超超超、ちょーーーーーうすごい霊媒師になるね!」
「その意気だケンちゃん! ケンちゃんなら絶対なれるよ!」
ヨシばあちゃんはいつも笑っていた。僕が友達と喧嘩して泣いて帰った日も、運動会の50m走で1位になった時も。しかし、この時の笑顔だけは少し陰っていたことを今でも覚えている。
「それにね…」
「それに?」
「ヨシばあちゃんみたいに幽霊さんをたくさん助けて、幽霊さんと友達になりたい!」
「うーーん、霊媒師の仕事は幽霊さんを救うのとはちょっと違うけど… そうだね……ケンちゃんならきっとできるよ! 私が保証する!」
そういってヨシばあちゃんは私の頭をクシャクシャと撫でた。
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