第2話 桜並木の下で

電車🚃を降りて、色々と考えながら高校に続く桜並木を歩く。桜🌸が綺麗だった。親子連れで入学式に向かう真新しい制服を着た生徒達が歩く。


1人男子生徒が1人で歩いていて印象に残った。桜並木をくぐりながら堂々と歩くその人は真っ直ぐ前を向いていた。そんな彼の姿が私の中でとても印象に残っていた。


────────────────────────


 入学式では桜並木の下で見かけた彼が、入学生代表として挨拶していた。そして、私は多分その時から彼の事が気になっていた。そしてその彼と私は同じクラスになり、私の前の席に座っていた。何とも偶然とは思えない事が続いて、私は正直驚いた。


 教室では、担任の自己紹介と各生徒の自己紹介が始まった。順番に自己紹介が続き、前の席に座る彼の番がきた。

「松田 陽樹です。趣味は音楽鑑賞と映画鑑賞です。中学では、サッカー部に所属していました。よろしくお願いします。」

ハッキリと聞き取りやすい声だった。次は私の番か……。

「宮本 愛梨です。趣味は読書、映画鑑賞、音楽鑑賞です。中学では演劇部に所属していました。よろしくお願いします。」


はぁ緊張した…。声が上ずってたかも(笑)

彼は松田くんというのか、私の前の席の彼の名前を一番最初に覚えた。まぁ入学式を終えての席順は出席番号順に並んでいる。そういえば義務教育でもずっとそうだったなと思い出した。そしてこれが彼との出逢いでもあった。


一通りの自己紹介を終えると、明日からの時間割なとも配られた。 教科書は既に合格発表後に指定のものを購入しているので、用意する必要はなかった。簡単な自己紹介と明日からの授業の説明、用意するものなど大まかな説明を終えて、ホームルームは終わり、帰路につく。


大概の新入生はこの後は親御さんや家族と食事会と洒落こむのだろうが、私の両親は仕事だし、ゆっくり帰ることにした。思い切って前の席の松田くんにも声を掛けてみる。

「松田くん、あの良かったら一緒に帰らない?」

「えっと…、宮本さんだよね。いいよ。一緒に帰るか。」

と快くOKをしてくれた。


――――帰り道。高校の最寄りまで一緒に行くと、松田くんと私の最寄駅は私と同じ路線で2駅違いな事が分かる。今日は松田くんのご両親も私と同じく仕事で、

入学式には来てないらしい。🚃³₃に揺られながら他愛ない会話をした。

「松田くんは凄いよね、新入生代表の挨拶しちゃうなんてさ。」

「ありがとう。宮本さんもうちの高校入るなんて、すごい思うよ。」

「そうかな?でも高校受験勉強は結構頑張ったかも。これから仲良くしてくれると嬉しいかも。」

「こちらこそ、よろしくな。」


私達の通う神奈川県立Y高校は神奈川県内では進学校と言われ、難易度は高い方だ。国立大学に進学する生徒は結構多い。滑り止めでMARCHを受験する生徒も多く、レベルは高い方ではある。よく私も入れたなと思う。こうして私達は出逢い、この後自然に付き合うようになる。その話はまた後日しようと思う。















 


 




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「SAKURA」 風月 結花里(ふづき ゆかり) @mochako37

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ