「SAKURA」

風月 結花里(ふづき ゆかり)

第1話 プロローグ~私と家族~

今日は4月6日、高校の入学式🏫🌸。受験勉強を必死に頑張ってきた私は、県内では進学校といえるレベルの高校に入学した。


休診日であれば来れたが、さすがに娘の入学式だからと言って、休診日にする訳にも行かず仕事をしている。義務教育までは入学式にも卒業式にも来てくれたけど。ふと高校へ向かう電車🚃揺られながら、家族の事を考えていた。


家は代々続く町医者で、今は父が院長、母は看護師長として夫婦でクリニックを経営している。今日は娘兄は国立医大の3年生、家業のクリニックを継ぐ為、日々頑張っている。


私も将来は医療従事者として、家業を継げるように大学の医学部か看護学部を目指すように父からは口を酸っぱくして日々言われてきた。子供の頃から、クリニックの娘として育ってきて、医療従事者を目指すのは子供の頃から決めていたので、私もそちらの道に進むことになるだろうという事は、常に意識していたし、他の選択肢なんて選ぶ余地はなかったから当然だけれど……。他の道とかもあったのかななんて思う事もあったりする。


父には私と兄を比べられることも結構ある。典型的な昭和の父の亭主関白。一方、母は私の一番の理解者だ、昭和の肝っ玉母ちゃんタイプ、父を立てていてもきちんと自己主張をする所はする。多分家族で母を怒らせたら怖いという認識が出来ていて、どちらかというと父も母にはかなわない。そんな父と母は夫婦の相性もいい方だと思う。


兄はマイペースだけど、実は家族のこともきちんと考えてくれている。妹の私のこともいつも気にしてくれている、根は優しい兄だ。決して天狗👺ではないし、やるべきことはきちんとこなす。


私達兄妹はそんな家庭環境にも恵まれ、兄妹仲も結構いい方だ。躾もこと礼儀に関する事は、厳しく育てられてきた。だから、子供の頃より今になってわかる事も結構ある。まだまだ、成長し切れてはいないけど、これからの高校生活を悔いのないように過ごせますように🙏高校の最寄り駅に止まり、私は電車を降りた。









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