△02
予定時間の三十分前となりました。水道水を一口。
パソコンの電源をオンにして機材やソフトの設定を指さししながら念入りに確認していきます。以前に設定を間違えてしまって、無音のまま配信をしてしまったことがありました。
配信をみてくれている方から指摘していただければ良かったのですが、生憎のところ私の配信はコメントをオフにしているので、気づいた視聴者の方が教えててくださろうにもその手段が無いのです。あの時の視聴者の皆さんはさぞヤキモキしただろうなと反省しつつ、壁の時計を睨みながら開始時間を待ちます。
あと五分。ノートを開いてメモしておいた今日の話題にさっと目を通します。私の配信は先ほど述べたように、コメントが機能しておらず私が一人で話しているだけなので、事前に話す内容を用意しておかないとすぐに窮地に達してしまうのです。
コメントを拾って皆さんと相互コミュニケーションをとれば、話題が尽きることも少ないでしょうし、視聴者の皆さんにも楽しんでいただけると思うのですが、話の途中でもゲームの途中でも歌の途中だろうと挨拶を最優先にしてしまうので「いやああ!ミスったー!あ、こんばんは、ゆっくりしていって下さい。」「あなたに会いたくて~♪こんばんは、来てくれてありがとうございます。」と、情緒というか展開というか流れというか、色々と滞ってしまうのです。そんなわけで、配信中はコメントをオフにするという措置をとっているのです。
あと一分。水道水を一口、そして深呼吸。さあ、本日もVtuberとして視聴者(いればの話ですが)の皆さんに楽しんでもらえるよう精一杯頑張りましょう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます