~早い稲田(いなだ)と同志の刈り立て~(『夢時代』より)

天川裕司

~早い稲田(いなだ)と同志の刈り立て~(『夢時代』より)

~早い稲田(いなだ)と同志の刈り立て~

 …分厚(あつ)く成り立つ純心(こころ)の列(ならび)は過去に立たせる不快を投げ付け、幻想(ゆめ)と自己(おのれ)の経過(じかん)の界(かぎり)に〝未知…〟を追い出す神秘(ふしぎ)を保(も)った…。幻覚(ゆめ)の日々から身憶(みおく)を保(も)ち出す暗(やみ)の純心(こころ)は気配を高らめ、幻覚(ゆめ)に湧き立つ乱心(こころ)の盛(さか)りは一人(ひと)の延(なが)さを忍ばせ始めた…。過去に見出す気憶(きおく)の裾には自己(おのれ)の気色を遠くに見定め、幻(ゆめ)と故縁(えにし)の生憶(きおく)の内実(なかみ)は人間(ひと)の孤欲(こよく)を透して往った…。

      *

 …俺は母に「仕事に行く」と言って家を出るのかと思いきや、玄関に座り込み、自分の靴、又スリッパに居た蟻の駆除に躍起に成って居た。と言うか、仕事へ行く前に風呂でも入ろうとしたのか、何かまだ少し時間的に余裕があったので家で事をしようと思って居たら、その蟻の駆除に行き当たり、そのまま没頭し始めたのである。

      *

 …無知の生憶(きおく)に無倣(むほう)が仕上がり、白亜(しろ)い独理(ドグマ)の火照りの許容(うち)には見様見真似の過去(むかし)が仕上がり、一人(ひと)の個録(ころく)が明日(あす)を求めて自由に弄(あそ)べる人形(かたち)を尊(たっと)び、広く棚引く小宙(そら)の活き血は自由を顕す繁みに堕ちた…。不純の自主(あるじ)に奇妙を欲しがり幻覚(ゆめ)の残骸(むくろ)は空気(しとね)を見落せ、分厚(あつ)く成り立つ神秘(ふしぎ)の仕種は分業(ノルマ)を弄(あそ)べる不純に阿り、白亜(しろ)く毛嫌う無知の八性(おろち)は快無(オルガ)を掌(て)にして奇妙に阿り、男女(ひと)の寝間から家録(かろく)を見出す漆黒(くろ)い街への純化を識(し)った…。意味の裾から見送り始める男性(おとこ)の素顔は光沢(ひかり)を掌(て)にして、幻(ゆめ)の絵面(えづら)を過去に懐ける無言の集成(シグマ)を静味(しずみ)に蹴落とし、非道(ひど)い分業(ノルマ)を芥(あくた)へ翻(かえ)せる不幸と幻覚(ゆめ)との呼吸の跡(あと)には…、昼に下がれる純心(こころ)の素顔の過度に着かせる境地を識(し)った…。朗(あか)るい途切れの宙(そら)の許容(うち)から悲惨を掌(て)に見た悪しき疲れは、男女(ひと)の弾みに過去を織り成す幻覚(ゆめ)の自主(あるじ)の自念(じねん)に程好く、過去の規律(おきて)を分業(ノルマ)に与(あず)ける無業(むぎょう)の男女(ひと)から孤独を顕せ…未完(みじゅく)ばかりが素顔を絵にする見様見真似の自主(あるじ)を打った…。過去に忘れる白亜(しろ)い壁(かべ)から孤独と現行(いま)との一通(とおり)の総ては、意味を忘れてお道化(どけ)て弄(あそ)べる旧い人形(かたち)の身欲を毛嫌い、夜(よる)の星から純心(こころ)を取り巻く現行(いま)と自己(おのれ)の素面(すがお)を識(し)った…。一人(ひと)の無形(かたち)に自己(おのれ)を立たせる旧い化色(けしき)と欲の跡(あと)には、過去(むかし)に過ぎ去る身重の総理(すべて)が自由に連れ添う自主(あるじ)を掌(て)に取り、幻覚(ゆめ)の静寂(しじま)に人形(かたち)を安(やす)める孤高の目下(ふもと)の自主(あるじ)を観て居る…。男性(おとこ)と女性(おんな)の過録(かろく)の許容(なか)から奇妙に懐ける〝身重〟の景色は、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)に価値を湿らす経過(とき)の分業(ノルマ)に自己(おのれ)を好(よ)く観て、分厚(あつ)く成り立つ神秘(ふしぎ)の人壁(かべ)には自由を掌(て)

にした気憶(きおく)が発(た)った…。一人(ひと)と暗黙(やみ)とが分業(ノルマ)を表し、嗣業に欲張る小言を観るのは、不自由から成る孤独の成果(はて)への〝過去〟を審(しん)じた芥(あくた)であった…。一人(ひと)と現行(いま)との古録(ころく)の残香(かおり)は生憶(きおく)に静まる〝自由〟を見て取り、白亜(しろ)い自主(あるじ)に自己(おのれ)を這わせる古都と生憶(きおく)の連写(れんしゃ)を識(し)った…。

      *

 …蟻は少し茶色っぽい色をして居り、始め、スリッパを立て掛けて在る上方の壁に張り付き、歩いて居たが、それを俺が羽叩(はた)き落とし、玄関直前の床に落ちたのを「これでもか、これでもか」と執拗に靴やスリッパで叩いたり磨(す)り潰したし、ようやっと茶色い蟻を殺したのである。死に至る迄の描写・経過はリアルと同じだった。

      *

 …無知の奈落に独創(こごと)を抱えて不本の初歩(いろは)に邪気を紡げば、疲労に流行(なが)れる夜半(よわ)の目下(ふもと)は怪訝を忘れて呼吸を培い、真昼(ひる)の最中(さなか)に究極(きわみ)を見て取る児(こども)の気色に順応して居た…。日々の禿冠(かむろ)に成人(おとな)がふら付き、孤独に彩る二性(ふたつ)の気憶(きおく)は順途(じゅんと)を保(も)ちつつ、日々の微温味(ぬるみ)に従順(すなお)を見守る朗(あか)るい景色に余韻を見た儘、過去の輪郭(かたち)を浮き彫りにもする浮浪の生絆(きずな)を集約させ得た…。白亜(しろ)く溜まれる神秘(ふしぎ)の成果は未知に育む孤独を揺蕩(ゆら)げて、自己(おのれ)の生果を日々へ繋げる身内の温味(ぬくみ)を嗣業に観て居た…。過去に活き尽(き)る旧(むかし)の生果は生憶(きおく)ばかりを理性に携え、男女(ひと)の大器を身欲(みよく)に稼げる浮浪の最後を突拍子も無く、日々の経過(ながれ)に曇る連想(ドラマ)は未活に可笑しむ理解を掲げて、幻(ゆめ)と自己(おのれ)に奇怪を報せる不法の自主(あるじ)を潔癖とした…。男性(おとこ)の孤憶(こおく)に対岸(きし)が現れ、女性(おんな)の華美(はなび)は生本(きほん)を観る内、白亜(しろ)く象る四季(きせつ)の幻想(ゆめ)には未知が忘れる奇妙が顕れ、一人(ひと)の不埒に孤独が流行(なが)れる遠い律儀に故縁(えにし)を観て居る…。生憶(きおく)ばかりの精神(こころ)の生果は理知に零れた明日(あす)を観た儘、幻覚(ゆめ)に逆らう純心(こころ)の成果は見本を忘れて一通(とおり)を詠み付け、明日(あす)の生憶(きおく)と寝屋の退屈(ひま)には一幻(ゆめ)の宮(みやこ)が丁度を識(し)り付け…、一人(ひと)の無頼に不頼歯(ブラシ)を掛け往く〝生路(きろ)…〟の遠さに女性(おんな)を買った…。買った生憶(きおく)に夢中が居座り、日々の真横で一女(おんな)が跳ぶのは、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)の生気の小器(うつわ)の〝一通(とおり)〟を忘れた孤録(ころく)と誤り、一人(ひと)に現れ一人(ひと)に消え往く精神(こころ)の主宴(うたげ)は未亡を改め…生憶(きおく)違いに呼吸を脚色取(いろど)る過保(かほ)の空間(あいだ)に聡明を見た…。片付けられ往く文言(ことば)の概(おお)さを無謀の許容(うち)へと孤独に見忘れ、肩に飛び乗る確かな勇気は劣悪極まる憂慮を見て取り、一人(ひと)の背中に個録(ころく)が問うのは一幻(ゆめ)の八頭(おろち)の瞬間でもある…。幻想(ゆめ)の体裁(かたち)に美貌を集めて旧(むかし)を遮る独理(ドグマ)の美声(こえ)には、一人(ひと)の一通(とおり)が明日(あす)を凍らす無垢の小敗地(アジト)に撤廃を受け、幻(ゆめ)の残形(かたち)に〝瞬く間…〟を見る不敗の王子を機敏に識(し)った…。

      *

 …それから又俺は居間に戻って居り、風呂へ行く(のか顔を洗いに行くのかの)準備をして居た。俺の背後に母が気配として居る(居る事は分かって居る)。

      *

 …過去の流行(ながれ)にその実(み)を保(も)たされ、白亜(しろ)く零れる無感を遠吠え、一人(ひと)の轆轤に淡さを発(た)たせる不頼(ふらい)の過去へと育って行った…。無垢の涙に既知が立たされ、旧い人形(かたち)の残香(かおり)は現行(いま)でも、淡い過去(むかし)の精神(こころ)に概(おお)きく旧い形(なり)には魅了が成り立ち、自己(おのれ)の幸(こう)から不幸を勝ち取る無頼の明日(あす)との生則(きそく)を保(も)った…。一人(ひと)の朝日に乱心(こころ)が成り立ち、過去に立たせる不頼の小敗地(アジト)は〝一人(ひと)の表情(かお)〟から無刻(むこく)が掠める未有(みゆう)の瘴気の不渡りだけにて、一人(ひと)の奥義(おく)へと賢く静まる旧来挿話(むかしばなし)の没我と成った…。幻(ゆめ)の生本(きほん)に可笑しく近付く一女(おんな)の生気は見様(みよう)に優しく、旧い人形(かたち)に自己(おのれ)を手向ける未活(みかつ)の小敗地(アジト)は辷ってばかりで、幻想(ゆめ)の傀儡(どうぐ)を神秘(ふしぎ)に高めて淡さを隠せる〝老いの気(き)の実(み)…〟を夢中に観たのは、旧来(むかしから)見た乱心(こころ)の上昇(のぼり)の美声(こえ)の調子の揺れ動きである…。現行(いま)を按じて孤独を蹴散らせ、不等に遮る無価値を観たのは、広い小宙(そら)から死太(しぶと)く羽ばたく〝人間(ひと)と乱心(こころ)…〟の哀しさだけにて、表情(かお)を識(し)らない透りの内実(なかみ)は〝見真似〟に仰け反る不審を盛(も)った…。紅(あか)い四季(きせつ)に不頼に置き去り、幻覚(ゆめ)の転味(まろみ)は怪しく光れど、男性(おとこ)と一女(おんな)の過去の残香(におい)は未知に寄り添う加減を報され、旧い佳日の独理(ドグマ)の身辺(あたり)は四季(きせつ)外れの不和を呼び捨て、一人(ひと)の感覚(いしき)と風来から成る見本の総理(すべて)に通底して居る…。無知に匿う無垢の相(あい)には一人(ひと)と現行(いま)との個録(ころく)と同じく、不遇に見積もる現行(いま)との見本の合図が生育(そだ)って行った…。不具合から成る乱心(こころ)の絶頂(ピーク)は人形(なり)を潜めた旧(むかし)を飛び越え、不振に寄り添う一人(ひと)の温味(ぬくみ)は未だ変らず旧さを射った…。白亜(しろ)い吐息に未完(みかん)を壊され、無垢の人形(なり)には〝一女(おんな)〟が顕れ、脚色(いろ)と神秘(ふしぎ)に自己(おのれ)を刻める向日の相図(あいず)と翻(かえ)って行った…。明日(あす)に紡げる未活の暗黙(やみ)には一人(ひと)の佳日が細(ほっそ)り成り立ち、旧い最期に毛嫌いだけ識(し)る乱心(こころ)の相図(あいず)を総観(そうかん)して居た…。無心に紐解く愚弄の日蓋(ひぶた)は真逆(まさか)に乞われる暗夜(やみよ)に同じく、一人(ひと)の独語(かたり)に未知を刻める無信の小敗地(アジト)に欲を識(し)りつつ、不遇に名高い芥子の花には幻夢(ゆめ)の過去(かたち)が透って行った…。過去の幻想(ゆめ)から八性(おろち)が成り立ち不毛の宮(みやこ)に虚空が成るのは、幻(ゆめ)の無口と千夜(とばり)の揺蕩(ゆれ)から不頼に乞われる気楼とも成る…。現行(いま)に見限る怜悧(つめ)たい小敗地(アジト)は〝化身〟を知らない空虚を好(よ)く見て、一人(ひと)に見守る滑稽(おかし)な生憶(きおく)を無心の興味へ放(ほう)って入(い)った…。

      *

 …始め、颯爽と風呂(洗面所)へ向かおうとするが、自分の職場を忘れ、家を出てから自分が何処(どこ)へ行けば良いのか、分らなく成って居た。始めは、洗礼の園を辞めた事の方を記憶が新しい分、鮮明に覚えて居た為か、「洗礼の園は辞めたから、佳日の園やろう」等と思ったが、よくよく考えれば、佳日のその園もそれ以前に辞めて居る。「洗礼の園を辞めて、も一度佳日の園に入り直したんやろか?」なんて半ば自己暗示に自分を掛けそうだったが、しかし、現実はきちんと自分に伸し掛かり、「いや、佳日の園も望み薄だ。俺は確かにそこを辞めて居る。行った所でどうしようも無い。…どうしよう…」と考えるに至って居た。しかし母が背後(うしろ)に控え、その母の為に俺は、引っ込みも付かなくなり、又、母を安心させたい思いから、とにかく家を出て、佳日の園へ行った振りでもして、なんとか時間を稼がなければならんな、等と考えて居た。一瞬、佳日の園でシーツ交換か何かして居る饐えた匂いの醜女(しこめ)の姿が、窓硝子の明るみの中に映る。少し気構え、醜女(しこめ)と佳日の園に嫌な気がした。

      *

 …無垢に成り立つ無心(こころ)の幻(ゆめ)には〝不幸と列(ならび)…〟に次第に片付き、自己(おのれ)の暗黙(やみ)から無刻を愛する不能の能力(ちから)が無価値を識(し)った…。日々と現行(いま)との無心(こころ)を昇り、一人(ひと)と悪魔の無心の愛には過去の列(ならび)に女性(おんな)を飼った…。白亜(しろ)く成り立つ四季(きせつ)の流行(ながれ)は個々の生義(せいぎ)に不毛を散らして、明日(あす)の孤独を不幸の明日(あす)から無知を隠せる常緑(みどり)を保(も)ち付け、過去(むかし)に成り立つ不安の逆昇(のぼり)は人密(みつ)に渡せる不安を保(も)った…。不幸と小敗地(アジト)に人密(みつ)が立つのに不幸に往くのは〝明日(あす)〟の列(ならび)で、日々の行方を無心(こころ)に隠せる〝明日(あす)の純心(こころ)…〟は塞がり合った…。日々と価値から旧(むかし)が成り立ち、不審と明日(あす)との過去の一列(ならび)は不遜と現行(いま)との温味(ぬくみ)を識(し)った…。微温(ぬる)い人形(かたち)と不幸に立つのは〝日々の個録(ころく)と無想…〟の疾走(はしり)で、過去と旧(むかし)の無垢の様子は無価値に往き着く孤録(ころく)を買った…。四肢(てあし)湧き立つ不能の立ちには明日(あす)の孤録(ころく)と翌朝(あさ)に荒んで、日々と明日(あす)との信仰(まよい)は概(おお)きく、不彩に集まる人形(かたち)と成った…。過去の人形(かたち)に暗黙(やみ)を集める不幸と現行(いま)との人壁(かべ)から精神(こころ)が擦(す)り寄る「無垢に降(お)り立つ流行(ながれ)」を画し、低い小宙(そら)から無価値を立たせる不安と未(いま)との不遇を立たせて、過去を想わす無遇(むぐう)の翌朝(あさ)には処生(しょせい)の相図(あいず)と並想(へいそう)して居た…。白亜(しろ)く成り立つ無心(こころ)の暗黙(やみ)には〝不幸の自覚(かくご)〟を意味に介して、日々と現行(いま)との人形(かたち)の最期は分厚(あつ)い人壁(かべ)との対峙を憶え、広い過去との無価値の初歩には〝幾夜の人姿(すがた)〟が葛藤して居た…。白亜(しろ)い四季(きせつ)の列(ならび)の孤独は〝日々〟に偏る神秘(ふしぎ)を想わせ、漆黒(くろ)い人形(かたち)の不幸を支える未知の夕べに虚遁(きょとん)として居る…。塞いだ過去から温味(ぬくみ)が成り立ち、日々の旨には器用が飛んでも、安い人形(かたち)に活命(いのち)が立つのは旧来独語(むかしがたり)の独身ばかりで、人の姿勢(すがた)に列(ならび)が見えない予想を絵にした茎の部分は、〝一人(ひと)の体裁(かたち)…〟に安きを小躍(おど)らす暗黙(やみ)の自主(あるじ)と想定され得た…。未知の高みに自己(おのれ)を愛して向日の独語(かたり)に活命(いのち)を突くのは、退屈(ひま)と故郷の仕種の内でも人物(もの)の温味(ぬくみ)の餌食であった…。人間(ひと)の肩から小宙(そら)が流れて、淡い独語(かたり)に迷いを観た時、日々の故録(ころく)と女性(おんな)の仕種は暗(やみ)を愛して固唾を呑み込み…、人物(もの)の感覚(いしき)を即興して往く誤謬と態度の蜃気を盛(も)った…。幻(ゆめ)と感覚(いしき)に旅立つ夜宙(よぞら)は過去を絵にした自由を相(あい)して、自己(おのれ)の貌(かお)から気色を眺める無理を画(え)にした未活を訴え、自己(おのれ)の純心(こころ)に小宙(そら)が集まる未聞(みぶん)の良縁(えにし)

は男・女(だんじょ)を改め、一人(ひと)に際して妄想(おもい)が盛(さか)れる無尽(むじん)の日(ひ)の掌(て)の孤欲(こよく)を飼った…。不死に阿る未活の概(おお)さは禍根に降(お)り立つ神秘(ふしぎ)を見て取り、退屈(ひま)と夕べに自己(おのれ)を立たせる小宙(そら)の身許を賢く保(も)った…。次第に拡がる悪夢の景色は、夜半(よわ)の流行(ながれ)を想定して居る…。

      *

 …それから俺は結局家を出て居た様(よう)だ。佳日の園(その)ではなく、洗礼の園に戻って居た様だった。その洗礼の園はD大学で、内心で「行きたい」とした職場はW大学にその身を変えて居た。

      *

 …無知の自覚(かくご)が朗(あか)るく成り立ち、不安と懊悩(なやみ)の没我は愉しく、幻覚(ゆめ)と純心(こころ)の未活の行方は過去の懊悩(なやみ)をその掌(て)に落ち着け、動物(もの)の仕種に母性(はは)を観るのは小宙(そら)の宮(みやこ)の小言(ことば)を識(し)った…。無知の過度への小宙(そら)を紐解き、男女(ひと)の透りを人山(やま)に観ながら、幻覚(ゆめ)の主観(あるじ)に人形(かたち)が崩れる不動の幻(ゆめ)から人形(かたち)を見落し、体裁(かたち)を合せた無垢の両刃(やいば)は不法の主観(あるじ)に透って入(い)った…。不実(ふじつ)の暗(やみ)から純心(こころ)が溶け落ち、旧い迷路に旧(むかし)を観るのは、幻(ゆめ)の心地と一人(ひと)の初歩(いろは)が無垢に透れる機敏を相(あい)し、男女(ひと)の没我を人山(やま)に靡かす寝屋の四季(きせつ)は生育(そだ)って行った…。自己(おのれ)の無知から一人(ひと)が焦がれて旧い檜は仇(あだ)を呈(あらわ)し、非道に活き着く過去の人体(からだ)は一人(ひと)を愛する傀儡(どうぐ)を保(も)ち付け、暗黙(やみ)の宮(みやこ)へ過去を立たせる漆黒(くろ)い自主(あるじ)の嫉妬を識(し)った…。非道の人山(やま)から呼吸が降(お)り立ち無垢の残香(かたち)に人密(みつ)が蹴上(けあ)がり、蒸流(じょうりゅう)して生く不屈の陽光(ひかり)は無信の一灯(あかり)を生録(きろく)に見て取り、脆弱(よわ)い体裁(かたち)の脆差(もろさ)と序(ついで)は一人(ひと)の合図を象り出した…。鬼神に落ち着く暗(やみ)の合図は無根と生義(せいぎ)の純心(こころ)を見落し、旧(ふる)びた気色に見劣りして生く無垢の四季(きせつ)に生育(そだ)って行った…。幻覚(ゆめ)と未(いま)との純心(こころ)の生流(ながれ)は不純に落ち着く無心(こころ)を盛(も)り立て、白亜(しろ)い四季(きせつ)の清流(ながれ)の暦(こよみ)は不審に相(あい)せる男性(おとこ)を保(も)ち合い、暗黙(やみ)と純心(こころ)の旧(むかし)の空間(あいだ)を寝屋に認(みと)める不在を象り、過去に成り立つ精神(こころ)の空間(あいだ)は無垢の脚色(いろ)への文言(ことば)を保(も)った…。発狂(くる)った程度の純心(こころ)の吟味(あじ)には幻(ゆめ)と生憶(きおく)の無音(おと)を愉しみ、暗黙(やみ)の切れ間に無音(おと)を凌げる無暗(むやみ)の寝音(ねおと)を一通(とおり)へ遣った…。男性(おとこ)と一女(おんな)の不幸の暗(やみ)から旧(むかし)に跳び出た不倖を平らげ、一人(ひと)の形(なり)から無心(こころ)を発(た)たせる不活の暗(やみ)の進歩を吟味(あじ)わい、対岸(きし)に寄り付く無言の発破は不本を合図に淀んで行った…。無知に活き尽(き)る純心(こころ)の理知には幻覚(ゆめ)の魅力を孤高に可笑しみ、退屈(ひま)を余せる旧びた髑髏は時計を象る経過(ながれ)を観て取り、利解(りかい)の空間(あいだ)で八倒そいて居る不能の審議を幻(ゆめ)に観て居た…。人間(ひと)の両腕(かいな)を無口に取り添え、私欲(よく)に眺めた無能の自主(あるじ)は、暗夜(よる)の帳に過去を摘み取る神秘(ふしぎ)の経過(けいか)を化身に換えた…。未知の最中(さなか)に男性(おとこ)が立ち活き、過去に寄り添う気流(ながれ)の最中(さなか)は葦(あし)の姿勢(すがた)を人形(かたち)に置き去り、幻覚(ゆめ)に相(あい)せる孤心(こころ)の自主(あるじ)は白亜(しろ)い四季(きせつ)の目下(ふもと)へ落ち着く…。

      *

 …俺は俺の父が運転して居た車で、なのか、二十年来の旧友を共に乗せ、N小学校の周りをぐるぐるぐるぐる廻って居り、そこから何処(どこ)かへ行こうとして居た様だ。職場へかも知れなかった。しかし一向に着かない。その内、洗礼の園のでっちゃんがお付きの誰かと出て来て(夢の中では覚えて居たが目覚めたら忘れて居た。狸親父かも知れなかった)、何か、推薦入試の様な事をし始めた。その入試を受ける為に、俺達の車の他に、六~七台程の車が継ぎ足されて出て来た。その六~七台でN小学校の周りをぐるぐる廻って居る。丁度小学校周りの一番長い坂に差し掛かった時、でっちゃんが司る「推薦入試」が愈々施行され、俺達の車を含めた七台程の車がその「一番長い坂」に縦列して居た。順番に並んで、推薦入試を受ける為の順番である。

      *

 …無知の業者に尻込みした儘、独身貴族の成れの果てには、感覚(いしき)の秩序が労(ろう)を逃がして、冷めない快感(オルガ)を満喫して居る…。漆黒(くろ)く成り立つ神秘(ふしぎ)の行方は〝未亡〟の結路(けつろ)に密着した儘、するする零れる独自の優雅にその実(み)を絆せて全うして生く。過去の独語(かたり)が久しく棚引き、一人(ひと)の労苦を歪めて往っても、無口に培う孤独の快無(オルガ)は済崩(なしくず)しに発(た)つ淡さを観る儘、無秩序から成る無言の勇気に初歩(いろは)を看破(みやぶ)り可笑しく成るのだ…。地底を這い擦(ず)る孤独の遠路は遍路を携え強欲とも成り、尻込みしたまま隠し続ける無戒(むかい)の優雅を堅く発(た)たせて、低い小宙(そら)から児(こども)を仕上げる果楽(からく)の音頭に淀んで在った…。緊(きつ)い人壁(かべ)から孤独が仕上がる間延びの豪華は気取る間も無く、一人(ひと)の乱歩に私欲(よく)を保たせ、尻込みして生く青年(おとこ)の初歩(いろは)を子供と同じに貴重に割いた…。過去の列(ならび)に魅力を観たまま淡く成り立つ神秘(ふしぎ)と愚者には、希望に栄える身重の手乗りの仕種が淡い四季(きせつ)に段々素通り、人間(ひと)の仕種に負けん気を出す〝孤独の棕櫚〟から時計を観守る…。非道(ひど)い仕打ちに現実を観て、一幻(ゆめ)の肴(さかな)に欲を見た後(のち)、過去の快無(オルガ)と身重の人陰(かげ)には羞恥に慣れない独理(ドグマ)が居直り、自己(おのれ)の無知から果楽(からく)を身籠る〝悪夢の規律(おきて)〟を悦襲(えっしゅう)して居た…。自体(おのれ)の奇妙に小口(こぐち)を観た儘、端正(きれい)な仕種に悪夢を仕立てて、白亜(しろ)く刻める無口の仕種に見様見真似の羽根飾りを保(も)ち、未知に活き尽(き)る沽券の小敗地(アジト)は無意識から成る独理(ドグマ)を仕立てて…、淡い俗世(このよ)を打倒して往く非道の孤独を遠路に置いた…。過去(むかし)の既憶(きおく)に奈落を観た儘、孤独と寝室(ねむろ)の間取りは概(おお)きく、小宙(そら)から奇妙を彩る神秘(ふしぎ)の窮地は準備を急(せ)かされ、淡く片付く孤独の快無(オルガ)は尻切れ蜻蛉(とんぼ)の八性(おろち)を継いだ…。自己(おのれ)の活命(いのち)に遣り取りを観て、紺(あお)い間取りに空間(くうかん)を識(し)り、幻覚(ゆめ)の四季(きせつ)に自己(おのれ)を立たせる身欲の進化は気丈に萎えた…。幻(ゆめ)の未活に自己(おのれ)を識(し)り往く〝孤独と信仰(めいろ)…〟の矛先だけ見て、男女(ひと)の初歩(いろは)の正義と行方は身堕(みお)ち幻見(ゆめみ)る生果を識(し)りつつ、不動の宮(みやこ)と感覚(いしき)の途切れは自由を逸して生育(そだ)って行った。幻(ゆめ)の活路を淡く見た儘、生路(きろ)に佇む自己(おのれ)はそれでも…、生気を掲げて宮(みやこ)を離れる時計回りの実質を観た…。過去の肴(さかな)に空虚を取り添え、分厚(あつ)い四季(きせつ)の成り立ちばかりは、幻覚(ゆめ)の夜毎を悶え始める奈落の音頭と一夜(とばり)を得た儘、憩いに準じて一通(とおり)を失(け)し去る精神(こころ)の相場を塗炭に敷いた…。

      *

 …その推薦入試には予め受験者数(定員)が決められて居た様子が在り、丁度俺達の目の前の車・一台前の車までが受験資格を得る事に成り、俺達、いやここでは俺には受験資格すら与えられない、と言った、不条理な結果に終(おわ)った経過を外観を俺に突き付けて居た。そしてそれがW大学への進学の有無の切っ掛けにそのまま成ったのである。

      *

 未婚の母から児(こども)が産れて、旧い気色は杜撰の視(め)を保(も)ち、欲の気憶(きおく)に自己(おのれ)を過ぎ去る乱心(こころ)に育てた宇宙を凌げば、身欲(よく)の成らず…は過去を問い往く無類の暗黙(やみ)へとその掌(て)を安めて、低い小宙(そら)から女神が降(お)り立つ俗世(このよ)の了(おわ)りを実感して居た…。過去の独語(かたり)に見真似が跳び出し小宙(そら)の目下(ふもと)を自由に観るのは女性(おんな)の小界(かぎり)で、途轍も無いほど無垢を愛する思牢(しろう)の界(かぎり)は糧を費やす孤独に同じく、素通りして往く密かな快無(オルガ)は無適(むてき)の仕種を痛感して居た…。男性(おとこ)と一女(おんな)の不毛の成らずは人形(かたち)を報さぬ暗夜(やみよ)を過ぎ去り、一人(ひと)の仕種に高名だけ観る偽賢人(エリート)被(かぶ)れの独理(ドグマ)の裾には、一人(ひと)の自主(あるじ)と精神(こころ)の旧さの杜撰に活き着く暗夜(やみよ)が成った…。一途(いちず)の前途は鷹揚成れども、美女(おんな)の臭気は巧みを具え、一男(おとこ)の界(かぎり)に煩悩(なやみ)を相(あい)せる過去の小躍(おど)りは真っ向勝負で、低い小宙(そら)から空々(からから)空転(ころ)がる陽(よう)の灯(あか)りを無心に化(か)えた…。旧びた気色に人頭(どくろ)を観る内、故郷の集地(しゅうち)は恥ずかしさを識(し)り、幻覚(ゆめ)と無心(こころ)に独気(オーラ)を募らす〝漂い人(びと)〟から栄華を酔わせた素人(ひと)の自主(あるじ)は…、人見(ひとみ)の奥から揚々棚引く企図の前途を概(おお)きく保(も)った…。華奢の仕種が緩みを憶え、辛辣成るまま透りを過ぎ往く旧(むかし)と現行(いま)とは葦(あし)を退け、暗(やみ)に徹する孤独の快無(オルガ)は無機を遠退け弱りを観る儘…、幻(ゆめ)に信じた自己(おのれ)の肢体(からだ)を身欲(みよく)に束ねて旧来(むかし)を識(し)った…。幻覚(ゆめ)の糧から過憶(かおく)が揺らぎ、揺蕩い死地には身欲が阿り、葦(あし)の気色に有頂が棚引く空転(まろみ)の総理(すべて)は悪態だけ観て、人間(ひと)の生憶(きおく)に孤独を差し往く堂々巡りに杜撰が発(た)った…。一人(ひと)の生録(きろく)に過去が往く頃、一人(ひと)の轆轤は世迷(まよい)を抜け出て〝幻覚(ゆめ)の衝動(うごき)…〟と無心(こころ)の欠伸を概(おお)きく培う個録(ころく)に訴え、一人(ひと)の化色(けしき)に夢中に成るのは手弱(たおや)を見知らぬ気楼の愚人で、過去に寄り添い千夜(とばり)を看抜(みぬ)ける夜半(よわ)の孤独を暗夜(あんや)に観て居た…。一女(おんな)の気色は真昼(ひる)を知らずに〝男性(おとこ)の生果〟を純(うぶ)に象り、白亜(しろ)く憤(むずか)る滑稽(おかし)な生憶(きおく)は無価値に寄り添い微温味(ぬるみ)を憶えて、一人(ひと)の欲から語らい始める無知の真珠を露にして居る…。過去の千夜(とばり)は一男(おとこ)に寄り添い、自己(おのれ)を蹴散らす傀儡(どうぐ)を識(し)る頃、旧来独語(むかしがたり)の一人(ひと)の体形(かたち)は憤怒を儲けて低みに突っ立ち、幻(ゆめ)の生憶(きおく)に乱心(こころ)が尖らす不沈の従者をその眼(め)にして居た…。女性(おんな)の生気に精神(こころ)が落ち着く無垢と夕べの懶惰の列(ならび)は、無心に息衝く琥珀の脚色(いろ)から妙に落ち着く過去(むかし)を追い立て、真昼(ひる)の最中(さなか)に遊戯が湿らす旧い日々など無心(こころ)に描(か)いた…。一幻(ゆめ)の一通(とおり)に悪夢を募らす不解(ふかい)と夕べは八頭(おろち)を好く識(し)り、未完(みかん)の空間(あいだ)へ羽ばたき始める過去の流行(ながれ)を揚々知った…。一女(おんな)の息吹に精神(こころ)が統(たば)ねる未活の杜には故縁(えにし)が佇み、広い宙(そら)から純心(こころ)が翻(かえ)るは提灯(あかり)の見えない芥日(あくた)と成った…。顔の見えない暗(やみ)の最中(さなか)は、無心の一女(おんな)を手玉に象(と)った…。

      *

 …俺達は「自分達の直前の車までが受験資格がある」と聞いて速攻で受験する事を諦め、直ぐさま帰宅する事にした。しかし、その時から「行く道」を隔てたのか、二十二年来の旧友が俺達の車から別の車、或いは自分単独の車に乗り換えたらしく、旧友だけは受験して居た。

      *

 …無謀の糧から純心(こころ)が寄り添い、一人(ひと)と自己(おのれ)の孤独に就くのは「無意味を知らに没我」の日照りの幻覚(ゆめ)の混沌(カオス)と非道の空転(まろび)で、過去の八性(おろち)に狂気が棚引く不本の生気と自主(あるじ)に宜しく、不渡りして往く無心(こころ)の情緒は一人(ひと)の無暗(むやみ)に倣(なら)って行った…。過去の独理(ドグマ)を小声(こえ)に高める無音と現行(いま)との夜半(よわ)の雫は、一人(ひと)の独語(かたり)に悪しきを迷わす旧い語りの快無(オルガ)を見付けて、幻覚(ゆめ)の手向けを純心(こころ)に惑わす旧い勝気の一通(とおり)は静まり、過去に生い立つ孤独の輪舞曲(ロンド)は見様(みよう)の精気に盛(さか)って往った…。不意に吃(ども)れる小声(こえ)の列(ならび)は自己(おのれ)の無垢から天女を従え、一人(ひと)の盛期に栄えを識(し)り貫(ぬ)く夜半(よわ)の千夜(とばり)に身塵(みくず)を保(も)ち込み、しどろもどろの活気の総理(すべて)は人間(ひと)に知られず微睡みだけ観て、無知の仕種に許容を保(も)たせる〝奈落の栄華〟を輪舞曲(ロンド)に識(し)った…。無知の孤独に列(ならび)が素通り、既知に寄り付く無想の暗黙(やみ)には一人(ひと)の律儀に根廻(ねまわ)しが利(き)き、一幻(ゆめ)と独理(ドグマ)の故郷の空間(あいだ)をすいすい象る余興を産んだ…。一人(ひと)と現行(いま)との身欲の成果(はて)から明日(あす)への光沢(ひかり)が順々追い駆け、地味に窺う魅力の日々には幻見(ゆめみ)の生果が気取られても在り、無心に好く似た過去の故縁(えにし)は気力に統(たば)ねた快無(オルガ)を識(し)った…。一人(ひと)の術(すべ)から紺差(あおさ)が憂き立ち、日々の幻覚(ゆめ)には轆轤が成り立ち、明日(あす)の旧巣(ふるす)を概(おお)きく呼ぶのは不渡りから観た孤業(こぎょう)の進度(しんど)で、一人(ひと)に彩(と)られた滑稽(おかし)な生憶(きおく)は暗黙(やみ)の静味(しずみ)に化(ば)かされ出した…。一女(おんな)の生気に憂いが先立ち、旧い千夜(とばり)の文言(ことば)の概(おお)くは「幻(ゆめ)に見紛う奇進(きしん)と安堵」を小声(こえ)に寄せ付け明りを見廻し、一幻(ゆめ)の日々から過去(むかし)を助ける旧い人扉(とびら)の情緒を識(し)った…。一人(ひと)の意味から無刻を信じる孤独の栄華は千夜(とばり)を焼き捨て、日々の脳裏へ人を追い遣る個々の所在(ありか)を片付け始めて、自己(おのれ)の生果を杜撰に紐解く悪しき優雅の過録(かろく)は現行(いま)でも、世渡り上手に八頭(おろち)を見回す詩吟の牙城(とりで)に従順とも成る…。

      *

 …詰り、この旧友が乗った車が、俺達の直前の車、受験資格を得た最後の車、と成ったのである。受験資格を得るのは早い者勝ちの様で、少しでも早くインテリジェンスな人・付き人の前に並んだ者が「受験資格」を得る仕組みに成って居た。俺達は比較的ゆっくり周りを探索してから来て居たので、こいつ等より遅く到着して居たのだ。

      *

 過去の活き血に見様(みよう)が活き出し、小宙(そら)の身許は旧(むかし)を追い上げ、幻覚(ゆめ)と神秘(ふしぎ)の枯渇の旧巣(ふるす)は寝耳に醒めない旧来(むかし)を牛耳り、旧びた独理(ドグマ)に佳境が伴う不遜の事実に肌理を描(えが)いた…。白亜(しろ)い四季(きせつ)の目下(ふもと)の寄りには未活に栄える労苦に畝(うね)り、男女(ひと)と欲との小声(こえ)の暗(やみ)には過去の独理(ドグマ)が八性(おろち)を看破(みやぶ)り、悪しき小声(こえ)から美声が轟く分厚(あつ)い奮起の黄土の景色は…男性(おとこ)と一女(おんな)の夜半(よわ)の栄えを見真似の小敗地(アジト)へ葬り続けた…。旧びた景色に自己(おのれ)を識(し)る頃、漆黒(くろ)い独理(ドグマ)は病倫(びょうりん)だけ識(し)り、白亜(しろ)く包(くる)まる男性(おとこ)の小宙(そら)には女性(おんな)の目下(ふもと)が少し窪(へこ)んで、現行(いま)を亘(わた)れる滑稽(おかし)な集成(シグマ)は自己(おのれ)の生果と孤独を絵にして、通り相場の一女(おんな)の価値など矢庭に育む小事(こごと)と推した…。過去の空想(おもい)に片鱗を観て、神秘(ふしぎ)と規則の曖昧を識(し)り、〝牛耳る如く…〟を無知に返すは、自己(おのれ)の未知との遭遇でもある。過去(むかし)に根付いた小躍(おど)りの層には、得てして脆差(もろさ)を芥(あくた)に看破(みやぶ)り、一人(ひと)と自己(おのれ)の孤独の自主(あるじ)を無機に宿せる従順を知る…。幻覚(ゆめ)の不埒に自体(おのれ)を運び、幻(ゆめ)と孤独の列(ならび)の人頭(どくろ)の層には、幻(ゆめ)と自然(あるじ)の孤独の列(ならび)の鬨(とき)を報せるmonkが立った…。分厚(あつ)く成り立つ孤独の人壁(かべ)には未完(みじゅく)を灯せる芥(あくた)を知り貫(ぬ)き、朗(あか)るく寄り添う少女の形見を自己(おのれ)の懐(うち)へと込ませる正体(からだ)で、不死に見紛う信仰(あかり)の許容(うち)から自己(おのれ)の生気が巣立って行った…。分厚(あつ)く棚引く向かいの層には、幻覚(ゆめ)の魅惑が試(こころ)を牛耳り、明日(あす)と現行(いま)との〝世渡り上手…〟を過去へ運んで真逆(まさか)を識(し)った…。従順(すなお)の陰から試(こころ)が降(お)り立つ反逆ばかりの夜目(よめ)の原野(げんや)は、幻覚(ゆめ)を奈落の気取りの空間(あいだ)の美味に擦(す)れ往く試(こころ)を目にして、淡く掲げる一女(おんな)の活気を夜半(よわ)に凄める脆弱(よわ)さを識(し)った…。淡く成り立つ神秘(ふしぎ)と現行(いま)とが、小声(こえ)を肴(さかな)に得にして描(か)きつつ、白亜(しろ)く棚引く小宙(そら)の陰から自己(おのれ)の生気を根強く見守り、諦め顔した文言(ことば)の活気を瞬く間にして孤独を問うた…。暗黙(やみ)の静寂(しじま)に生跡(きせき)が連なり、過去(むかし)の正義を生録(きろく)に得るのは、白亜(しろ)く棚引く試(こころ)の空間(すきま)の過度に名高い脆弱(よわ)りであった。一人(ひと)の生憶(きおく)と未知とが這い出し、低い小宙(そら)から無心が発(た)つのは、雄々しく連なる天(そら)の空気と千夜(とばり)を忘れた独理(ドグマ)であった…。

      *

 …「ったく、こんな時に限って、沸いて出て来る様なムカつく現代人の凄まじい程のいやらしさがあるなぁっ!」

 俺は、そう思ったりして居た。でも俺は、このとき旧友が、自分達の車から抜けて推薦入試を受けて居るとは全く思って居なかった。旧友お得意の、隠れて物事を進めるってやつに、又まんまと俺は遣られて居たのだ。

      *

 …無機に静める孤独の両刃(やいば)は禍根に阿る労苦の一宮(みやこ)で、明日(あす)の旧さを背伸びに費やす不毛の快無(オルガ)に導きながらも、安い景色にその実(み)を注(つ)ぎ込む非道(ひど)い仕打ちの独理(ドグマ)は未(いま)でも、畏(かしこ)む姿勢(すがた)に自己(おのれ)を安める無能の正義に芥(あくた)を識(し)った…。ぎこちなくなる自己(おのれ)の虚無には一人(ひと)の芥(あくた)を翳りに見た儘、対岸(きし)に寄り付く自己(おのれ)の生義(せいぎ)と鼓膜を打たれた虚無とを見限り、不能に這い擦(ず)る小宙(そら)の調子は未解(みかい)に始まる枯渇を練った…。過去の寝屋から女性(おんな)が遠退く旧い幻覚(ゆめ)には主宴(うたげ)が遠退き、女性(おんな)の没我に分厚味(あつみ)を知り貫(ぬ)く淡い夜伽と強欲ばかりは、自由の未知から果楽(からく)を過ぎ往く漆黒(くろ)い人形(かたち)の蝶を追い生く…。一人(ひと)の自主(あるじ)に見本が飛び出る自己(おのれ)の進路は寝間を牛耳り、一人(ひと)の自主(あるじ)を孤独に突き刺す過去の身欲(よく)には未然が遠退き、白亜(しろ)い四季(きせつ)に透りを知らない一人(ひと)の自主(あるじ)は呼吸を過ぎ去り…、自己(おのれ)の成果(はて)から故縁(えにし)を横取る幻覚(ゆめ)と神秘(ふしぎ)は家訓を識(し)った…。一人(ひと)の理知から器用に羽ばたく白亜(はくあ)の人壁(かべ)には脆差(もろさ)を按じて、男女(ひと)の孤独に目下(ふもと)を報さぬ暗黙(やみ)の理路(りろ)には文言(ことば)が静まり、幻覚(ゆめ)と孤独に未活(みかつ)が遠退く旧い蜃気にその掌(て)が剥くのは、漆黒(くろ)い暗(やみ)から乱心(こころ)が安める未活の杜への友愛とも成る…。暗黙(やみ)を信じて孤独に就くのは旧来独語(むかしがたり)の個録(ころく)の空間(すきま)で、一人(ひと)に阿る理路の交響(ひびき)は自然(あるじ)に近付く呼吸を知り付け、白亜(しろ)い人形(かたち)と四季(きせつ)の関係(かなめ)は無心に寄り着く孤独を吟味(あじ)わい…、一人(ひと)の身欲(みよく)に細く浮かれた過去の静寂(しじま)を脆々(よわよわ)しくした…。一人(ひと)に居着ける個録(ころく)の揺蕩(ゆらぎ)は理知に寄り付く不安に寄り添い、透明色した神秘(ふしぎ)と現行(いま)では一人(ひと)に始まる未亡を識(し)り貫(ぬ)き、非道(ひど)い傘下の目下(ふもと)に宜しく、明日(あす)の空転(まろび)と浅墓(あさはか)さを観る…。一人(ひと)の夜明けと孤独の快無(オルガ)は不毛の人都(みやこ)に窮地を知り付け、過去(むかし)の独理(ドグマ)に生本(きほん)を牛耳る一人(ひと)の形(かたち)と空虚を識(し)り付け、幻覚(ゆめ)の許容(うち)へと転々(ころころ)安転(ころ)がる見様見真似の清(すが)しさだけ知り…、不要の懐古を自己(おのれ)に見守る個有(こゆう)の連想(ドラマ)をその手に売った…。身欲の許容(うち)から明日(あす)が退く呼吸の一路(いちろ)を性格へと付け、一女(おんな)の上気は無頓に静まる夜半(よわ)の旧さを感じて居ながら、一人(ひと)と自己(おのれ)の自由の一宮(みやこ)は過去に這い出す人形(かたち)と偽り、自由気儘に愛を奏でる女性(おんな)の体を雄々しく打った…。

      *

 …舞台は洗礼の園に変わる。結局、俺は洗礼の園に帰ったみたいだ(しかしそこで働いて居たかどうかは、微妙に知らない)。そしてその旧友は途中で一度、従兄弟のとっぽい男に姿を変える。洗礼の園にて、とっぽい男がスタッフルームのドアを開(あ)ける。何か忘れたが、旧友にとって必要な確認の為だった。「ガラッ」と懐かしいドアを開けると、もう新しく成った新人ばかりの職場の雰囲気が醸し出され、とっぽい男の目前では、もう俺の知らない若者職員が笑ってとっぽい男に話し掛けて居る。そこへ来ると、とっぽい男は洗礼の園でもう何年も俺とお共に働いて来た、と言う様な、錯覚みたいなものを引き起こさせる。或いはとっぽい男は、俺に隠れて洗礼の園で働いて来たのだ。とっぽい男は俺の知らない職員と仲良くして居り、何か俺以上に、職場へ馴染んで居る様(よう)だった。

      *

 …無労(むろう)の日々に過去(むかし)を見送り、不断の気色に準じて居ながら、一人(ひと)の寡黙を日々に象る無垢の景色は耄碌して居た…。過去(かこ)に活き尽(き)る精神(こころ)の暗(やみ)には不遇の気色にその身を安め、安息から成る無垢の基礎には〝柵(しがらみ)…〟から成る自由が在った。幻覚(ゆめ)の活路を身憶(みおく)に見定(さだ)めて、憂いの日々から興(きょう)を知るのは、無暗(むやみ)に落ち着く乱心(こころ)の境地の不断に遮る武士(もののふ)でもある。漆黒(くろ)く流れる優美(ゆうび)の郷(さと)には思牢(しろう)に名高い規矩が表れ、一人(ひと)の生気に未亡が付き添う無心(こころ)の正義に悪態を観た…。過去に逆(もど)れぬ無想の気心(こころ)は楽(らく)を信じて文言(ことば)を悟り、暗黙(やみ)と静寂(しじま)の悲壮の許容(うち)より日々に疾走(はし)れる偶奇を識(し)った…。自己(おのれ)の元(もと)から乱心(こころ)を費やす閏(うるう)の月日(つきひ)は容易く流れて、白亜(しろ)く零れる琥珀の四季(きせつ)は未知に近付く夕べを持った…。男性(おとこ)と一女(おんな)の個録(ころく)の暗黙(やみ)には、生準(きじゅん)を保(も)たない弛(たる)みが概(おお)きく、不装(ふそう)の形見に生本(きほん)が束ねた未来(さき)と現行(いま)を雄々しく観て居る。一人(ひと)の生録(きろく)を可笑しく眺める無知の教句(きょうく)は不感を報せど、明日(あす)の気(こ)の端(は)に身欲(みよく)を高める孤高の威力は凄まじくもある。一人(ひと)の正義に偏見だけ活き、旧巣(ふるす)を見守る安心(こころ)は急(せ)いて、悲壮に歪める貌(かお)の奥には滑駄(なだ)らか成る哉、一人(ひと)に概(おお)きな肉の破片が雄々しい姿勢(すがた)で挑んで在った。旧来独語(むかしがたり)に未知を紐解き、不安ばかりの残香(かおり)は流れて、無心に突き出る明日(あす)の旋律(しらべ)を無垢の境地に明るくして居た。一人(ひと)と現行(いま)とが無想を欲しがる自己(おのれ)の千夜(とばり)は暗夜(やみよ)に徹して、一人(ひと)の生気に空虚を観て居る人物(もの)の道理は希薄に散った…。幻覚(ゆめ)と乱心(こころ)に旧(むかし)が彩る甘い小界(かぎり)は過日(かじつ)に名高く、明日(あす)の光沢(ひかり)が巨躯を照らせる不安の光は一片(いっぺん)とも成る。未来(さき)に勝ち取る〝自己(おのれ)の刹那…〟は無垢の究(きわ)みに名高く過ぎ去り、不安ばかりに乱心(こころ)が飛び交う華厳の思乱(あらし)は失踪して居た…。

      *

 …とっぽい男と新人職員との間の空間向こうに、又なんか調子に乗って話そうとして居るゲジゲジ男のムカつく苛つく顔が在った。時間は夕方から夜だった。洗礼の園(そこ)では見た事無い様な、何かロマンチックな祭りの前、と言った雰囲気を俺は誰かと感じて居た。

      *

 婚期を逃した男性(おとこ)が独り、一女(おんな)の掌(て)に立つ孤独に揺らぎ、明日(あす)の流行(ながれ)に未来(さき)を隠せる不穏の正義と等しく成った…。不意に吃(ども)れる乱心(こころ)の主宴(うたげ)は人密(みつ)と現行(いま)との疾走(はしり)を空転(ころ)がり、愚昧に吟味(あじ)わう遁世通りの思春の旧さは、現行(いま)に始まる孤独の独気(オーラ)と人物(もの)の独気(オーラ)の間を駆け抜け、惜しい兆しにこの身を与(あず)ける疲労の温味(ぬくみ)に自体(からだ)を観て居る…。器用に囀る孤独の空間(すきま)は維新の翳りを固より捨て去り、明るい孤独に独理(ドグマ)を見果てる孤高の正義に自己(おのれ)を幻見(ゆめみ)て、一人(ひと)の翻(かえ)りを悪魔に見立てる紅(あか)い個録(ころく)に新参して居た…。白亜(しろ)く屈(こご)まる八性(おろち)の空間(すきま)は見様見真似の感覚(いしき)に消え去り、幻(ゆめ)と自己(おのれ)の用句の古尾(ふるび)を翌朝(あさ)に囀る個録(ころく)と間違え、低い白雲(くも)から精神(こころ)が途切れる無類の日(ひ)の粉(こ)に杜撰を蹴った。一人(ひと)の夜宙(よぞら)を共鳴(なげき)に換え出し、過去の息吹に未踏(みとう)を観たのは、一幻(ゆめ)の息吹と呼吸を報せる旧い佳日の跡形(あとかた)だった…。身欲(よく)の快無(オルガ)をその掌(て)に失くせる一人(ひと)の妻には絶望しか無く、成果(はて)を知らない滑稽(おかし)な人形(かたち)は異形を唱える若輩(やから)を過ぎ去り、未知の人形(かたち)と曰くの前途は脆差(もろさ)を牛耳る譚を看破し、幼女(おんな)の稚拙を散々軟める俗世の快無(オルガ)を罵倒し尽す…。男女(ひと)の欲には幸先が無く、一人(ひと)の身欲に栄華が灯れる譚の端(はし)には、幻覚(ゆめ)の身欲と乱心(こころ)の目下(ふもと)と不感を遍く未知を連れ添い、分厚(あつ)い経過に身重を識(し)り貫(ぬ)く淡い端(はし)へと渡って入(い)った…。過去の重荷を自由に取り去る幻覚(ゆめ)の仕種は怒張を手招き、自由と未知とを混同して往く不装(ふそう)の快無(オルガ)は一幻(ゆめ)に名高い独語(かたり)を流離い、一人(ひと)と現行(いま)との未活の前途は無秩序から成る乱心(こころ)の言動(うごき)に堪能して居た…。白亜(しろ)い乱心(こころ)と四季(きせつ)の紅(あか)みは対岸(きし)に寄り付く不毛を見て取り、自己(おのれ)の身欲に乱心(こころ)を悩ます旧(むかし)と現行(いま)との謁見だけ見て、一人(ひと)の孤独を堪能して生く滑稽(おかし)な生義(せいぎ)は乱心(こころ)を悩ます未来(さき)を儲けて、不死に語らう未亡の前途は旧巣(ふるす)に跳び立つ古式(こしき)を採った…。見様見真似の朗(あか)るさから観た向こう岸への逆行(もどり)は退屈(ひま)で、白亜(しろ)い独語(ドグマ)の自主(あるじ)に「見様見真似…」の前途は朗(あか)るく、幻覚(ゆめ)と自己(おのれ)の手向けの小宙(そら)には未然に揺(たゆ)める孤独と潺(せせら)ぎ、自由に頼める未来(さき)の夕べは理心(りしん)に与(あず)ける揺蕩(たゆた)さを観た…。

      *

 …俺は(実際に職場には無い筈の)外の景色を見ながら昇降出来るエレベーターに、洗礼の園の新人職員の二人と共に乗って居た。弾かれると思ったが、二人は意外に俺に対して親切だった。俺はこの事が嬉しく、まだまだ捨てたものじゃない、とか思いながらも、とっぽい男=旧友の事を考えて居た。

      *

 未来(さき)の人道(みち)から精神(こころ)が成り立ち、不備に寄り添う乱心(こころ)が吃(ども)り、不感に成り立つ不彩(ふさい)の脚色(いろ)には男性(おとこ)と一女(おんな)の土台は冴えた…。退屈(ひま)に連なる無知の瞳(ひとみ)は奈落と未(いま)との呼応が成り立ち、真夜(よる)に落ち着く人間(ひと)の温味(ぬくみ)は不動に群がる悲壮が在った…。白亜(しろ)い人壁(かべ)から無想が成り立ち、不備の脚色(いろ)には男女(ひと)と想いの残骸(むくろ)の形成(かたち)は現行(いま)に這いず得る小声(こえ)が気走(きばし)り、白亜(しろ)く成り立つ不彩(ふさい)の孤独は理知に勝(まさ)れる豪徒(ごうと)と成った…。一人(ひと)の微温味(ぬるみ)の吟味(あじ)には幻覚(ゆめ)と孤独の網羅が湧き立ち、白亜(しろ)い四季(きせつ)の淡味(あわみ)の欲には非道(ひど)い仕種の転味(まろみ)が秀でた…。一人(ひと)の仕打ちに淡さが成るのは美声(こえ)の内実(なかみ)の孤独の育ちで、淡い小躍(おど)りに夢想が成り立つ夜半(よわ)の内実(なかみ)に一通(ひととお)りを観た…。過去の内(なか)から孤独を詠むのは不毛に翻(かえ)れる驚異に近付き、不道徳から自己(おのれ)を吟味(あじ)わう身近(みぢか)い葦(あし)への懊悩(なやみ)であった…。過去の快無(オルガ)に無知が語れる不能の理屈に人形(かたち)が近付き、白亜(しろ)く輝く四季(きせつ)の流行(ながれ)は人密(みつ)に灯れる不沈を彩(と)った…。未(いま)に導く乱心(こころ)の流行(ながれ)は向日に近付く乱心(こころ)に同じく、日々の過去との哀れの淵(ふち)には自己(おのれ)の体躯を全うして生く…。紅(あか)く灯れる無垢の名残は自己(おのれ)の無垢への生気を取り添え、退屈(ひま)と未(いま)とが合理を伴う暗(やみ)に架かれる義理を重んじ、既惑(きわく)に迫れる故録(ころく)の翳りは子孫の宮(みやこ)を崇高にも観て、一人(ひと)の暗黙(やみ)から未活を想わす愚弄に伴う未婚を識(し)った…。一人(ひと)に寄り添う乱心(こころ)の共鳴(なげき)は雲母を報さぬ郷里を澄ませ、一人(ひと)の微温味(ぬるみ)に師弟を絶やせる不能の審理(しんり)に欠伸を見て居た…。過去の既憶(きおく)に微妙が成り立ち荒む乱心(こころ)を利口に空転(ころ)がし、一人(ひと)の行方に人密(みつ)を買うのは幻覚(ゆめ)の欲芽(よくめ)と過保護の間で、男女(ひと)に寄り添い緩く流行(なが)れる可細(かぼそ)い躯(からだ)の小躍(おど)りと成った…。

      *

 …そのエレベーターで降りて居た筈が、何故か昇った何処(どこ)かへ着いた。そこは室内プール付きの何処(どこ)かの家(プール付きの家で、屋上のテラスにプールや花壇なんかが在った)だった。時間は真昼に成って居り、暑く、俺は水遊びに興じて居た。

      *

 白亜(しろ)い家畜に透りが見え出し、不毛の夜宙(よぞら)は確執だけ成し、一人(ひと)の微温間(ぬるま)を微妙に労う幻覚(ゆめ)の始めに子孫を持った。過去の塒を微妙に観るうち一人(ひと)の乱心(こころ)は過録(かろく)を阿り、一人(ひと)の分野に活き着く加護には一幻(ゆめ)の宮(みやこ)と同等ながらも、過録(かろく)に補う無心の悟りは妙に独歩(あゆ)んで女性(おんな)を着せ替え、一人(ひと)の人密(みつ)から純心(こころ)が盛(さか)える不備と動作の精神(こころ)に準じた…。一人(ひと)の過去(むかし)に自己(おのれ)が先立つ旧い四季(きせつ)は提灯(あかり)を点(つ)け出し、幻覚(ゆめ)と自体(おのれ)の残香(かおり)が問うのは旧来独語(むかしがたり)の徳(とく)を観る儘、不毛に始まる未活(みかつ)の杜には未来(さき)を詠むうち試心(こころ)を着せ替え、無論に問い往く滑稽(おかし)な独語(かたり)は退屈(ひま)を余(あま)して通せんぼをした…。未知の実りに期待しながら乱心(こころ)の名残を既存に訴え、蝙蝠傘(かさ)の目下(ふもと)へ女性(おんな)を象る孤高の名残を懐(うち)に忍ばせ、男性(おとこ)の容姿に神を観るのは暗(やみ)の懐(うち)での暖かだった…。一人(ひと)の既憶(きおく)に過去(むかし)が問ううち慰問の無形(かたち)に未惑(みわく)が跳び立ち、不毛の宮(みやこ)と企図の繁りは未知に呼び名を高めて在った…。不毛の安堵と乱心(こころ)に片付け、疲労に繋がる乱心(こころ)は跳び発(た)ち、真昼(ひる)の最中(さなか)に名残を見るのは過去の人形(かたち)と運河の逆昇(のぼり)で、非道に培う無垢の栄華は企憶(きおく)の滾りの目下(ふもと)に同じで、非道の矢面(おもて)に男・女(だんじょ)を象る基存(きぞん)の哀れを葛藤させ得た…。一人(ひと)の一宮(みやこ)と興(きょう)の怠惰は過去の恨みを持ち合わせた儘、男女(ひと)の初歩(はじめ)に自覚(かくご)が降ろせる不毛の宮(みやこ)を順序に保(も)った…。一人(ひと)と現行(いま)との名残の既憶(きおく)は暗黙(やみ)に繁れる愚昧を愛し、白亜(しろ)く途切れる一人(ひと)の宮(みやこ)は景色を愛せる愚弄を豊かに、未知の千夜(とばり)に過去(むかし)と住み込む自己(おのれ)の夜半(よわ)など既存に飼った…。男女(ひと)に集まる乱心(こころ)の尖りは幻覚(ゆめ)の既知から魅力を集めて、日々の集成(シグマ)に既憶(きおく)を詠み取る旧来独語(むかしがたり)を愛して在った…。白亜(しろ)い四季(きせつ)に魅惑を統(たば)ねる自己(おのれ)の四季(きせつ)は運河を酔わせて、人間(ひと)の生地(せいち)に悪魔を詠み奪(と)る価値の内実(なかみ)に素通りを観た…。一人(ひと)の乱心(こころ)と虚無の若輩(やから)は一幻(ゆめ)の宮(みやこ)を二重(だぶ)らせながらも、他人(ひと)の棲家を凍えた眼(め)で見る不毛の荒れ地に心を描(か)いた…。

      *

 …そこへ旧友が、そこへ入って来る際に開(あ)けるドアを開(あ)けて現れた。何か旧友の容姿は、中学生の頃に戻った様(よう)だった(俺は寝る前、「確かに俺の友達等も、あの過去を俺と同じ様にとおって来たから、俺と同じ様な思惑持ってる筈なんやけどなぁ…」とかレトロなノスタルジーなんかに浸りながら、シュールな展開・場面を一緒に見て来た筈の、友達の内では一番付き合いの長かった旧友の事を思い出して居たのだ)。旧友は、眩しい太陽に顔を顰めながらも、周りの奴等に体裁好くして、髪型や服装なんかを気にして居た。その時の旧友の服装は中学校時の制服だった。

      *

 …表情(かお)の空間(すきま)に証拠(エビデンス)を見て、不毛と現行(いま)とが尖りを成す頃、幻覚(ゆめ)の虫から乱心(こころ)を割かれる不安と幻想(ゆめ)との空間(あいだ)は虚しく、翌朝(あさ)の肥沃に希望が降(お)り立つ一人(ひと)の信仰(めいろ)に誘(さそ)いを識(し)った…。夢中に透れる一人(ひと)の自主(あるじ)は無垢の八性(おろち)と児(こども)を商い、誹謗に紛れる独創(こごと)の相図(あいず)は一人(ひと)の純心(こころ)に無謀と着飾り、白亜(しろ)く棚引く暗(やみ)の純白差(しろさ)は一人(ひと)の共鳴(なげき)に過去を削(けず)った…。未知に活き貫(ぬ)く孤高の揺らぎは一人(ひと)に遮る無言に割かれて、暗黙(やみ)に貫(つらぬ)く無感の小敗地(アジト)は悲痛の愛撫が剥くを募った…。現行(いま)に活き貫(ぬ)く精神(こころ)の内実(なかみ)は現人(ひと)の活き血を独創(こごと)に打ち付け、無知の生憶(きおく)に自体(おのれ)が始まる不本の朝陽を識(し)った…。白亜(しろ)く棚引く精神(こころ)の暗(やみ)には、一人(ひと)と現行(いま)との見本を着飾り、空(そら)に導く独創(こごと)の連夜(れんや)は女性(おんな)を齧れる虚空を射った…。無知に息衝く枯渇の元(もと)には不安に始まる無謀を諦め、未知の基憶(きおく)に不安を気取れる身元(もと)を愛せる不義利(ふぎり)に入(い)った…。浅く連なる過去の行方は無垢を愛せる人間(ひと)を畏(かしこ)み、暗黙(やみ)と活路の生憶(きおく)と奥義は無垢を射止める無活を射った…。一人(ひと)に活き尽(き)る乱心(こころ)の許容(うち)には非道を愛する過去(むかし)を勤しみ、退屈(ひま)に愛する無根の気色は未(いま)に見積もる不安と成った…。退屈(ひま)に遺れる不安を試み、一人(ひと)の合図に人形(かたち)を象る旧(むかし)と未(いま)との列(ならび)を整え、過去に勝ち取る自体(おのれ)の一幻(ゆめ)には不満に相(あい)した幻心(こころ)を飼った…。街の流行(ながれ)を無垢に列(なら)べて、一人(ひと)に相(あい)した小宙(そら)との繁味(しげみ)は、現行(いま)を愛せる愚問の途切れを孤々(ここ)を愛する不満を忍ばせ、一人(ひと)の懊悩(なやみ)に明日(あす)を報せぬ不動の相図(あいず)と理彩(りさい)を保(も)った…。基知(きち)に見積もる乱心(こころ)の列(ならび)は生憶(きおく)に繁れる湯浴みを見下ろし、人間(ひと)と女性(おんな)の乱心(こころ)の並びは理知に問い往く純心(こころ)を保(も)った…。

      *

 …その時、俺には何か嫌な予感が先に走った。俺は旧友に近付き、今まで何してたか、を問うた。そして核心部分に迫る。すると案の定、旧友は、

「あ、そうそう、俺、受かってん」

とまるで思い出したかの様(よう)にして、早稲田大学へ合格し、これから東京へ行って生活しなければ成らない事への気持ち・意気込みの様なものを、縷々、俺に語って来た。

      *

 未完(みじゅく)の許容(うち)から乱心(こころ)が並び、巨躯に集(つど)える人山(やま)の合図は、幻覚(ゆめ)の目下(ふもと)へ落ち込む涼風(かぜ)から乱心(こころ)の独理(ドグマ)を貴重に見定め、速い四季(きせつ)の閏(うるう)の許容(うち)には過去の共鳴(なげき)が自由を余し、一人(ひと)の身重を無秩に見合す気楼の雫に文言(ことば)を突いた…。未完(みかん)の許容(うち)から生憶(きおく)を失くせる素人(ひと)の独理(ドグマ)は許容を失くされ、非道(ひど)い仕打ちに両刃(もろは)を靡かす幻(ゆめ)と八生(おろち)の両腕(かいな)は概(おお)きく、無心に行き発(た)つの乱心(こころ)の問いには〝人間(ひと)に律儀な孤独…〟を訴え、一幻(ゆめ)の目下(ふもと)に吃(ども)りを観るのは諸星(ほし)の生義(せいぎ)と転寝(うたたね)とも成る…。気楼に懐ける不解(ふかい)と進理(しんり)は自然(あるじ)を失くして児(こども)を嗾け、不毛の世毎(よごと)を脆く飾れる情事(こと)の遊義(ゆうぎ)を散乱させ得た…。朗(あか)るい気色に自己(おのれ)を識(し)り往く過去の独理(ドグマ)は恰好(かたち)を連れ添い、陰府(よみ)の初めに四季(きせつ)を幻見(ゆめみ)る所々の自主(あるじ)に宜しく、朗(あか)るく散らばる秩序の成果(はて)には進化を幻見(ゆめみ)た孤独が発(た)った…。一人(ひと)の生憶(きおく)に情緒が活き着け、一人(ひと)の身重は安らぎを識(し)り、過去の自然(あるじ)と孤独の感覚(センス)は無知を彩る行儀を辿り、淡く蔓延る人物(もの)の群れには夜半(よわ)の途切れを奈落に突き差し、日毎の空城(くるわ)に過去(かたち)を置くのは寝間の狭筵(むしろ)の許容と成った…。日々の明朗(あかり)を躯(からだ)に浴びせて脆弱(よわ)く縮まる文言(ことば)の界(かぎり)は「過去の目下(ふもと)へ辿り始める滑稽(おかし)な傀儡(どうぐ)…」の両眼(まなこ)と寄り添い、日々に落ち着く無縁の境地は臨界(かぎり)を識(し)り往く分業(ノルマ)と成った…。不法の世俗に文言(ことば)が成り立ち〝一幻(ゆめ)と精神(こころ)…〟の不義利(ふぎり)が落ち着き、過去の活き血が柔身(やわみ)を侍らす無痛の懊悩(なやみ)にその気を差した…。欲と千夜(とばり)の暗夜(やみよ)の許容(なか)から既婚の交響(ひびき)が躰を持ち上げ、一人(ひと)の許容(うち)へと精神(こころ)が発する無垢の調子を阿弥陀に失う…。一人(ひと)の表情(かお)から残骸(むくろ)を織り成す〝幻(ゆめ)の轆轤〟は千夜(とばり)を追い駆け、一人(ひと)の不覚に身重が畏む人密(みつ)の泡沫(あぶく)を不信に正せる…。企図に落ち着く幻覚(ゆめ)の無形(かたち)は愛露(エロス)を壊せる懐かしさに在り、自己(おのれ)の未知から過去を酔わせる不当の自然(あるじ)を審判して居た…。陰府(よみ)の理科には自体(おのれ)が活き着き、不和の信仰(めいろ)は矢庭に急(せ)いた…。

      *

 …俺はもう旧友が、滅茶苦茶羨ましかった。あれだけ以前、俺が努力して受験したにも拘らず、旧友は、今、合格し、東京へ行ける。東京へ行って暮らす事も、早稲田へ入学する事と殆どタイに成る程に、俺には期待される・嬉しいものだった。それ等の喜びを今、旧友(こいつ)は手にした。無情だと思った。

      *

 幻覚(ゆめ)を語れる日々の美園(その)から残香(かおり)が忍べる不安の魔の手は、漆黒(くろ)く薫れる小宙(そら)の逆行(もどり)を景色に覗かす見真似に繕い、気付く人間(ひと)には純心(こころ)が高まる素人(ひと)の進化の裏切りなど発(た)つ…。少女(おんな)の〝姫〟から純心(こころ)が紐解く独理(ドグマ)を好(よ)く観て、小宙(そら)の人形(かたち)に身欲(よく)を見出すしどろもどろの縁者を恋して、淡く成り立つ不覚の自主(あるじ)は懐古(レトロ)を与(くみ)してその世を訴え、低い躰に生憶(きおく)が培う美人(ひと)の空間(あいだ)をすらすら描(か)いた…。既知の幻見(ゆめみ)を純心(こころ)へ置き去り、非道(ひど)いmorgueの明朗ばかりは小言を訴え、意味の付かない世毎の生果を粋(いき)に認(みと)める女芯(にょしん)に訴え、未活ばかりが洞(うろ)を掌(て)にする神秘(ふしぎ)ばかりを頂戴して居た…。過去の途切れを自体(おのれ)に表し、一人(ひと)の列(ならび)は暑さを見忘れ、小宙(そら)の目下(ふもと)で自覚(かくご)を織り成す不動の成果を夜風に突き差し、人間(ひと)の半ばに旧(むかし)を集める非道の窮地にその実(み)を識(し)った…。未完の旧巣(ふるす)が激情(なさけ)を産む内、一人(ひと)の生理は家訓を忘れて暴虐を吐き、人密(みつ)の信仰(めいろ)へ明日(あす)が戸惑う屹立ばかりが清流を詠み、過信に導く木霊の欲には素通りして往く演戯を保(も)った…。一人(ひと)の生義(せいぎ)に不審が戦(そよ)ぎ、身蔵(みくら)を催す大胆不敵は児(こども)を寄り添え、旧来独語(むかしがたり)にその実(み)を凝らせる不満と虚実の構成を採り、不安の王者は瞬く間に哭(な)く一人(ひと)の囮に憤慨して居た…。過去に息衝く身活(みかつ)の境地は未(いま)を忘れる気(こ)の端(は)に揺らぎ、幻(ゆめ)の宙(そら)から芥(あくた)を想わす不問の自主(あるじ)を延命(いのち)に換えた…。おどろおどろの愚問の最中(さなか)に未知を狂わす孤独が根詰(ねづま)り、脆弱(よわ)い四季(きせつ)の逆行(もどり)を相(あい)する夜半(よわ)の未完(みじゅく)に生気を飼った…。過去(むかし)と現行(いま)との暗(やみ)の迷路は佳日に寄り添う児(こども)を観ながら、素通りして往く自己(おのれ)の信途(しんと)を袰(ほろ)の布から好く好く見渡せ、小宙(そら)に集まる日中(ひなか)の界(かぎり)は過去(むかし)を識(し)らない小躍(おど)りを盛(も)った…。一幻(ゆめ)の常盤に華(はな)を飼ううち時計回りの毒牙は跳び去り、一人(ひと)の信仰(めいろ)と孤独を培う日々の灯(あか)りは白亜差(しろさ)に刻まれ、非道を目にした純心(こころ)の暗(やみ)には自体(おのれ)ばかりが性夢(せいむ)を識(し)った…。過去の清閑(しずか)を犠牲にする内、幻覚(ゆめ)の木霊は理心(りしん)を按じて、一人(ひと)の小敗地(アジト)を純心(こころ)に彩(と)らせる夜半(よわ)の目下(ふもと)を真っ向から観た…。過度の生義(せいぎ)を湯浴みに添わせる一人(ひと)の逆行(もどり)は生気を象り、低い小宙(そら)への吃(ども)りの事実を虚無に任せて逆行(もど)って行った…。

      *

 …試験と言うものは、無情だと思った。しかし俺にも、早稲田大学学科試験に合格した、同志社大学に合格した、と言う実績が在る事を思い出し、なんとか気持ち・羨望を落ち着け、旧友に駆け寄り、

「おめでとう!…良かったなぁ~、同志社(ここ)より正直、早稲田(あっち)の方がレベル上やで。絶対、入学すべき!あっ、でも、彼女どうすんの?向こうに連れて行って一緒に暮らすん?まぁ、何にせよ、良かったやん。これで、こっから出て行く事で、お前も世間って奴を見れるやん。もっと世界が拡がるわ!行っといでや!」

等と、羨望の眼差しをずうっと持ち続けたまま旧友を見詰め続け、「もうい俺はどうなってもええわ」的な半ば自棄的な衝動に駆られ、唯々、(自分が得る筈だった)旧友の祝われるべき門出をずっと祝うしか無かった。

      *

 …過去(むかし)の生絆(きずな)の解(ほつ)れを手直し、日々の孤独に有頂を観る頃、一人(ひと)の幹にはしどろもどろの孤独が合(かさ)なる不安に表し、低い小宙(そら)への孤独の流行(ながれ)は使徒の孤独を旧(むかし)を試み、懐く孤独の温味(ぬくみ)と未(いま)とは一人(ひと)の延命(いのち)と個録(ころく)を配し、過去と現行(いま)の無刻(むこく)の未(いま)とは〝人間(ひと)の気色〟に素通り始めた…。企図の残骸(むくろ)が白亜(しろ)を見出し、女性(おんな)の背中に乱心(こころ)を沸かせる無垢の過去との立情(りつじょう)に立ち、幻想(ゆめ)と現行(いま)との乱心(こころ)の生果(はて)には不遇の空気(しとね)を乾かして居た…。沸(ふつ)に見合す退屈(ひま)の気色は不通の袋(ふくろ)を人間(ひと)に見出し、人密(みつ)に哀しむ未聞(みもん)の証は非遇(ひぐう)の外界(そと)との不彩(ふさい)を見出し、現行(いま)に求める日々の目下(ふもと)は幼妄(ゆめ)の形(かたち)に秘(ひっそ)り導き、過去との忌(いまわ)は人道(みち)を見出す孤高の小敗地(アジト)を暗黙(やみ)に造った…。無垢に遣わす孤高の暗(やみ)には人間(ひと)の残骸(むくろ)の背中を顕し、過去を未(いま)との乱心(こころ)の残骸(むくろ)は不彩(ふさい)と哀れを始まりとする。過去の情事(こと)から無痛が成すのは悲痛の迷路と精神(こころ)を保(も)ち出し、無刻(むこく)の空間(あいだ)で人間(ひと)を観るのは無根の大義と聡明であり、無垢の企図との憚りを保(も)ち、悲痛の悪しきを貴(とうと)く立たせて、幻覚(ゆめ)と人間(ひと)との温床(めぐみ)の裾には悲痛の信仰(めいろ)を定めて在った…。幻(ゆめ)の孤独と残骸(むくろ)の明日(あす)には過去(むかし)と現行(いま)との未知を見出し、人間(ひと)の背中へ青空(そら)を遣るのは過去と旧(むかし)の窮屈でもある…。未知に紐付く孤独の思乱(あらし)は小宙(そら)の目下(ふもと)を悪しきに着せ替え、白亜(しろ)く棚引く孤独の幻(ゆめ)には老人(ひと)を保(も)ち出す孤独と同じく、過去と未(いま)との個録(ころく)の間は無頓の別との執着とも成る…。未知に聴き往く孤独の残骸(むくろ)は朝陽に倣わす盲児(もうじ)とも成り、白亜(しろ)い孤独に朝陽が執り成す想いの丈(たけ)には倣いが在った…。無知の繁味(しげみ)に甘味(あまみ)を見出す乱心(こころ)と未(いま)との無想を呈(あらわ)し、一人(ひと)と現行(いま)との孤録(ころく)の行方は人密(みつ)の狭間を往(い)き来して居り、脚色(いろ)の初歩(はじめ)に未完が近付く不彩(ふさい)の自然(あるじ)は傀儡(どうぐ)に成った…。

      *

 …それと同時に、旧友(こいつ)はいつも俺より一歩先に行きやがる。で、俺はこいつの後(あと)を場末の雰囲気を味わいながら付いて歩いて行くのだ。

      *

 不屈の孤独を新野(しんや)の導き、漆黒(くろ)い佳日を髑髏に束ねる不毛の小敗地(アジト)は個録(ころく)に落ち着き、不彩と現行(いま)との無垢の猜疑の不和には素人(ひと)の宮(みや)など無刻(むこく)を保(も)った…。素人(ひと)に限れる無口の乱心(こころ)は無知に齧れる翌朝(あさ)に同じく、浅い日々には自由が遍く不備の一宮(みやこ)が孤独を射って、白亜(しろ)く成り立つ無垢の吟味(あじ)には分厚(あつ)さと非道の自主(あるじ)を試み、個録(ころく)と孤独は無垢に成り立つ不動に成り立ち、自由に羽ばたく一人(ひと)の栄華は試論に二重(かさ)なる不尊(ふそん)を識(し)った…。旧来挿話(むかしばなし)の背反ばかりが小宙(そら)に留(と)まれる脆さに按じ、一人(ひと)と現行(いま)とが肩に留(と)まれる広い自主(あるじ)と暗黙(やみ)とが活き立ち、低い佳日に純心(こころ)が問うのは不敗に成り立つ無戒(むかい)を透りは広い翌朝(あさ)からすんなり成り立ち、人間(ひと)と現行(いま)とが未録(みろく)が跳ぶのは夜半(よわ)の遠夜(えんや)を素通りさせ得た…。不従(ふじゅう)の脆さを文言(ことば)に列(なら)べて気楼と欲とが無口に並び、人間(ひと)の信義(しんぎ)を孤独に倣わす不在の傀儡(どうぐ)に生命(いのち)を見始め、企図を愛する不法の欲には未来(さき)を愛せる宙(そら)が降(くだ)った。未来(さき)に跳び立つ飛行の私欲(よく)には自己(おのれ)の生義(せいぎ)が表れだけ観て、一人(ひと)の生憶(きおく)に善し悪しだけ識(し)る孤高の生義(せいぎ)に活き血が成り立ち、不敗に色煌(いろめ)く無彩(むさい)と立つのは無垢(むかし)に並べる個欲(こよく)を呈(あらわ)し、人間(ひと)に逃れる旧(むかし)の企図には白亜(しろ)く成り立つ生義(せいぎ)と成った…。一人(ひと)の不和から脚色(いろ)が問うのは無垢(むく)が高める個録(ころく)を相(あい)し、一人(ひと)と愛撫に無口を問うのは柵(しがらみ)から来る朗(あか)るみとも成り、紅(あか)い佳日に翌朝(あさ)が発(た)つのは非惨(ひさん)と未(いま)とが沸(ふつ)を吟味(あじ)わい、白亜(しろ)く棚引く純心(こころ)の暗(やみ)には不尊(ふそん)に問い往く孤独が追い駆け…、自由に成り立つ不義の果楽(からく)は果実を訓(おし)えて不敗を彩(と)った…。自由に成り立つ孤独の欲には無知に息衝く孤独を愛し、浅く塞がる孤独と栄誉を過去の旧(むかし)に追随させ得た…。気楼に落ち着く過去(むかし)の列(ならび)の自由地(アジト)は屈(こご)める日々から脚色(いろ)を引き出せ、男女(ひと)と未(いま)から〝明日(あす)〟を導く不幸に愛する自由を可笑しみ、日々に高める旧(むかし)の合図は日頃の活路に自由を表し、旧来挿話(むかしばなし)に孤独を相(あい)する不法の活き血と自由を解(と)いた…。未知に息衝く精神(こころ)の愛撫は自活(かて)を見縊る脆弱差(よわさ)を仕留めて、日々の旧来(むかし)に身欲(よく)を高める私動(しどう)の合図に物語を観た…。

      *

 …結婚したのも俺よりずっと先だった。いや俺は結婚してないから先もくそも無い。永遠にあいつ等が一歩リードする事に成る、今はそう思う。だから、これであいつがこの早稲田大学の推薦入試に合格したから、次は、俺も合格出来る確率が高まったかな?等と俺は、旧友に付き添いながら真剣に考えて居た。

      *

 不断の小宙(そら)から生憶(きおく)が飛び交い、不変の初めと体躯を横切り、一人(ひと)の向こうに朝日が昇れる柔い佳日は不動に徹して、日々の目下(ふもと)で未活を培う分厚(あつ)い途切りを気(こ)の端(は)に採った…。不安と現行(いま)との故録(ころく)の幻(ゆめ)には人山(やま)に見詰める暗黙(やみ)が集まり、純粋無垢から精神(こころ)を素通り、翌朝(あさ)に集まる旧来(むかし)の床(とこ)には一人(ひと)の躰が不本を保(も)ち寄り、過去の翌朝(あさ)への孤独の中から幻覚(ゆめ)を独歩(ある)ける不当の宮(みやこ)は、未知に積もれる独歩(ある)ける不当の宮(みやこ)は、未知に積もれる分厚(あつ)い人壁(かべ)への孤高の傀儡(どうぐ)を光沢(ひかり)へ遣った…。無知に息衝く孤独の暗黙(やみ)から不解(ふかい)に基づく小界(かぎり)が活き出し、無像(むぞう)の宮(みやこ)へ素晴らしさを観る夜半(よわ)の理性(はどめ)は鈍(にぶ)さを可笑しみ、巨躯の許容(うち)から未活(みかつ)を独歩(あゆ)める浮浪の信徒の暴露を保(も)ち換え、自己(おのれ)の白亜(しろ)さに故郷を幻見(ゆめみ)る無垢の四季(きせつ)に圧倒を観た…。幻(ゆめ)の既憶(きおく)が華奢を空転(ころ)がし、人間(ひと)と日々とのエクレシアを借り、空想(おもい)の総てを翌朝(あさ)に問うのは普段着に似た孤独と同じく、微妙に培う残骸(むくろ)の姿勢(すがた)は過去の許容(なか)から蜷局を棄て去り、一人(ひと)に差し出す自己(おのれ)の目下(ふもと)は〝独り歩き…〟をこよなく相(あい)した…。心の機微には自由が貴(たっと)び、分厚(あつ)い人壁(かべ)には友(とも)が浮んで、自己(おのれ)の白亜差(しろさ)が信仰(めいろ)を造れる孤高の自主(あるじ)をその芽に宿し、日々の庭から旧来(むかし)を飼うのは人山(やま)の目下(ふもと)の玉座と成った…。児(こども)の許容(うち)から生憶(きおく)が静まり、一人(ひと)に導く鼓動が止むのは、幻(ゆめ)の自主(あるじ)が加減を失う余所の快無(オルガ)の彩飾(さいしょく)でもある。人間(ひと)の許容(うち)へと気楼が訴え、非道に導く夢限(むげん)の境地は、日照り続きの栄華の光沢(ひかり)の内から虚無に導く気楼を忘れて、一人(ひと)と現行(いま)との選り取り見取りに悪夢を培う既読が在った…。男女(ひと)の陰(かげ)から自己(おのれ)を好く観て、限る無心(こころ)の模様を眺め、翌朝(あさ)に導く孤独の網羅は血色(いろ)を見忘れ〝王者…〟を掌(て)にして、過去と現行(いま)とが矢庭を導く一人(ひと)の道理を窄めて行った…。無秩序から成る試心(こころ)の交響(ひびき)は許容(きょよう)を忘れて未来(さき)を詠み取り、一人(ひと)の無暗に気遣いだけ観る無用と現行(いま)と形見を掌(て)にして、明日(あす)に培う自体(おのれ)の天地(てんち)は微妙に活き尽(き)る柵(しがらみ)だけ買う…。一幻(ゆめ)と自己(おのれ)の文言(ことば)の最後は脆い生絆(きずな)を糧に列(なら)べて、自体(おのれ)の空虚に人形(かたち)を遮る矛盾の生命(いのち)を俗世(このよ)に観て居た…。

      *

 …歩く途中で、俺と旧友の虚しい活気を気取った為か、一人の聡明そうな若者が俺達に付き添った。おそらく洗礼の園(その)(ここ)の住人で、詰り、同志社大学の学生であった。彼は俺に同調してくれて居た。そして、旧友の門出を一緒に祝って居た。俺達は学費の話をして居り、ここまで同志社大学に三~四年通い続けてそれだけ分の学費を払って来て、まだ同じ分ほど払わねば成らんのか、と言う学費への不安が旧友を襲って居た。

      *

 …過去の列(ならび)に純心(こころ)を焦がして、白亜(しろ)い途切れの体内(うち)に安転(ころ)がり、無知と未(いま)とが峠を捉える人間(ひと)の独気(オーラ)は無彩(むさい)と成った…。純白(しろ)く成り立つ安心(こころ)の暗(やみ)には退屈(ひま)を見限る無効を呈(あらわ)し、低い小宙(そら)から無知を侍らす涼風(かぜ)の憂慮に決定して居た…。無根の合図が人形(かたち)を執り成し、一人(ひと)と未(いま)との暗夜(やみよ)の合図は、過去に始まる未屈(みくつ)の勇気はしどろもどろの孤独を催し、朗(あか)るい四季(きせつ)と個録(ころく)の一幻(ゆめ)には素通りして生く既読を乞うた…。無知に蔓延る不安と相図(あいず)は幻覚(ゆめ)に蔓延る無暗(むやみ)に紐解き、退屈(ひま)を見詰める無心(こころ)の勇歩(ゆうほ)は既憶(きおく)に凄める惨さを識(し)った…。使途の幾路(いくろ)が分厚(あつ)さを貴(とうと)び、塞いだ生憶(きおく)は脆差(もろさ)を保(も)ち挙げ、宙(そら)の呼吸(いき)から退屈(ひま)を余せる不乱の活歩(かつほ)に透って行った…。過去(むかし)の個録(ころく)に荒んだ一通(とおり)は日々に駆け得(う)る無秩を悦び、白亜(しろ)く成り立つ不幸の柔裸(やわら)は無垢の四季(きせつ)を描いて在った…。無垢に導く精神(こころ)の嘆きは聡明ながらの男女(ひと)に宜しく、過去(むかし)に建て得る孤独の列(ならび)は既憶(きおく)の合図に個録(ころく)を装い、不憫を想わす企図の相図(あいず)は無法と未(いま)との乱心(こころ)を彩(と)った…。不審に彩る小宙(そら)の相図(あいず)は無垢に忍べる空想(おもい)を装い、日々の真中(まなか)を個録(ころく)に這わせる不当の生憶(きおく)に聡明を観た…。未知の企憶(きおく)に無心(こころ)が降(お)り立つ不審の生義(せいぎ)は過憶(かおく)を仰ぎ、未審(みしん)に辿れる不幸と現行(いま)とは暗黙(やみ)に透れる無戒(むかい)を識(し)った…。企図の過憶(かおく)は不審を想わす陽(よう)と未(いま)との弄(あそ)びを習わし、悲壮の生憶(きおく)と無心(こころ)の争具(そうぐ)は無頼に培う自体(おのれ)を識(し)った…。無知に彩る無心(こころ)の暗黙(やみ)には過去と現行(いま)との争具(そうぐ)を弛(たわ)めて、未(いま)に並べる文言(ことば)の奥には〝無垢が学べる精神(こころ)〟を盛(も)った…。一人(ひと)の企図から純心(こころ)を並べ、意味に調べる文言(ことば)の列(ならび)は自体(おのれ)の脆弱(よわ)さを挙(こぞ)って改め、無想の活き血を精神(こころ)に暗転(ころ)がす不和の悦(えつ)には小宙(そら)が点(とも)され、不彩(ふさい)と現行(いま)との生憶(きおく)の悦(えつ)には黄土の翌朝(あさ)から辿れる陽(ひ)を観て、暗黙(やみ)の白亜(しろ)さに過去を導く無牢(むろう)の欲から生気を射った…。素人(ひと)の過去から自己(おのれ)が悦び、幻(ゆめ)に集まる孤独の様子は〝意味〟を解(かい)さず浮浪を貴(たっと)び、現行(いま)を愛する人間(ひと)の合図は非道と個録(ころく)の暗(やみ)を採らせた…。

      *

 …「確か学士に掛かる推薦入試は二年在学の筈やで。だからこれまで二年、これから二年、で丁度一つの大学に掛けるのと同じくらいの額で行けるんとちゃう?要るとすれば精々入学金。大丈夫やろ。」(これを俺が言う時、旧友はこれまで二年間大学へ行った事に成って居た)

      *

 一人(ひと)の孤独に文言(ことば)を拵え、人密(みつ)の佳日にその瞳(め)を疑う幻(ゆめ)の自主(あるじ)は孤独を培い、一人(ひと)と初めに朝陽が昇れる無垢の郷里と琥珀を観る内、幻覚(ゆめ)に溺れた人見(ひとみ)の合図は通り縋りの問答だけ観た…。自己(おのれ)の房(ふさ)から過録(かろく)が空転(ころ)がる無機の様子は頂上から観て、白亜(しろ)く流行(なが)れる翌朝(あさ)の合図に人物(もの)を差し行く孤独が野晒(のさば)り、分厚(あつ)い人壁(かべ)から身活が絵にする孤業(こぎょう)の合図と一人(ひと)の流行(ながれ)は、幻覚(ゆめ)の操舵に男女(ひと)を集める夜毎の悦(えつ)など呆(ぼ)んやり観て居る…。無知の流行(ながれ)を生憶(きおく)に留(と)め置く価値の身許は活気を見て取り、一人(ひと)と現行(いま)との安堵の行方を秘蔵の栄華に事毎打ち立て、低い夜半(よわ)から挨拶(ことば)を投げ生く旧来独語(むかしがたり)の総説(そうせつ)を解(と)く…。人間(ひと)に落ち着く夜目(よめ)の進途(しんと)は故縁(えにし)を培い脆差(もろさ)を相(あい)して、幻(ゆめ)の嫌悪に逆手(さかて)を見るまま無常を相(あい)した純心(こころ)を見限り、一人(ひと)の常緑(みどり)に夜半(よわ)を謳える未活の遊途(ゆうと)は翻弄され得た…。幻覚(ゆめ)の微妙に孤独が差す内、無暗(むやみ)に逆らう空(そら)の身元は〝過去を忘れた琥珀…〟と同じく緩い日々へと佳日を拵え、翌朝(あさ)の寝床に女性(おんな)を観て居る退屈(ひま)と遊慮(ゆうりょ)の枯渇を想い、一人(ひと)の背中に空想(おもい)を留(とど)める旧来独白(むかしがたり)の痩躯を射った…。一女(おんな)の幻覚(ゆめ)から未婚が成り立つ不和の暗夜(やみよ)は文言(ことば)を見直し、一人(ひと)の常緑(みどり)を空に集める旧来(むかし)に扱う一通(とおり)に在った…。人間(ひと)の自主(あるじ)が吃(ども)りを脱ぎ捨て、寝屋の音頭が隈なく素通り、青く零れる無口の一女(おんな)は器量を相(あい)してどすんと居座り、無垢に落ち着く暗夜(やみよ)の景色は非道の相図(あいず)にその身を立たせ、低い弾みに凍え始める無垢の怪業(けぎょう)を懐(うち)に気取らせ、不毛に根深い独創(こごと)の眠りは悲壮の幻(ゆめ)から向かいを識(し)った…。未知に息衝く不覚の咎めは、非道の人生(みち)から翌朝(あさ)を奪(と)り挙げ、文言(ことば)の違いに労苦を見定(さだ)める不幸の身重を個録(ころく)に置いた…。無垢に掲げる小宙(そら)の許(もと)から純心(こころ)と暗(やみ)との不解(ふかい)を見渡せ、不在に射止める孤高の小敗地(アジト)は未来(さき)を射止める一女(おんな)を嗜め、未知に呼び込む小声(こえ)の人には悲痛の暗黙(やみ)から脆差(もろさ)が慕い、暗黙(やみ)の人から朝陽が滴る無活の暗(やみ)への進途(しんと)を盛(も)った…。非道の欲から無心(こころ)が成り立ち、低い小宙(そら)への架け橋だけ観て、幻覚(ゆめ)の女性(おんな)が人扉(とびら)を開(ひら)ける独創(こごと)の様子に生育(そだ)って入(い)った…。

      *

 …と俺が言い、その俺の台詞に新しく付き添った彼は「そうそう」と学士入試の点で頷いて居た。時折り、この旧友の立場、その立場から見える光景・情景が、その時の俺から見える光景・情景と重なって居た。

      *

 日々の幻(ゆめ)から孤独が溢れて、過去と現行(いま)とのおどろの撓(たわ)みは、人山(やま)の目下(ふもと)に未知が掠める不動の朝陽に所(ところ)を示した…。無憶(むおく)の両掌(りょうて)に孤独が溢れて日々の価値など不従(ふじゅう)に企み、古都の眺めを未覚(みかく)に呼ぶのは不忠(ふちゅう)に企む孤独が顕れ、白亜(しろ)い気色に精神(こころ)が掠める浮浪の合図に夜通しを観た…。人間(ひと)の岐路から乱心(こころ)が活き発(た)ち曰くの人山(やま)から朝陽を想わす不当の活き血が淘汰を射った…。無垢の妻子が価値を見出し、幻覚(ゆめ)と哀れの孤独は貴(たっと)び、人間(ひと)の過去から自体(おのれ)が先立つ不惑の独気(オーラ)は弛(たゆ)まなかった…。過去の一通(とおり)を無空(むくう)に置きつつ広い前野(ぜんや)に鈍(くも)りを観る後(のち)、翌朝(あさ)の旧さに自己(おのれ)を紐解く孤独の盲者(もうじゃ)は暗黙(やみ)の気色に悶絶しながら、一人(ひと)に染まれる孤独の小界(かぎり)は不問を迷わす古録(ころく)を知った…。化(か)わり身(み)から成る試心(こころ)の欲には理心(りしん)の成果(はて)など自由に摩り替え、白亜(しろ)い正義と無秩の吐息は理義(りぎ)を忘れて凡庸を識(し)る…。未来(さき)を見知れる安心(こころ)の従者は、蜻蛉ばかりを宙(そら)へ追い駆け、紺(あお)く拡がる故郷の界(かぎり)を理然(りぜん)に培う孤独に置いた…。未知に培う試心(こころ)の所在(ありか)は普遍の幕屋に遭遇を立て、紺(あお)く燃え立つ純心(こころ)の境地を未聞(みぶん)に畳める強欲に在る。無知に活き尽(き)る不毛の所在(ありか)は無在(むざい)を呈(しめ)せる純心(こころ)の境地で、不在に愛せる処(ところ)の加減は不義を愛して俗(ぞく)に塗(まみ)れて、小宙(そら)の栄誉にその身を立てない不毛の動作に未完(みじゅく)を買った…。体動(たいどう)ばかりが文言(ことば)を遮り、旧い身欲(みよく)を小宙(そら)へ置いても、幻覚(ゆめ)の分業(ノルマ)にその実(み)を愛せる不明の自然(あるじ)を進歩に換えた…。一人(ひと)の未完(みじゅく)に安定して居る身欲(よく)の境地は教理を忘れて、退屈(ひま)を余せる孤独の独理(ドグマ)と自己(おのれ)の既知には未活(みかつ)に名高い気色が埋(うも)れて、成果(はて)を識(し)らない過去の空転(まろび)に死地が消え往く〝燃え立つ命〟を明るみに見た…。一人(ひと)の姿勢(すがた)におどろを忘れた過去の境地は諍いさえ失(な)く、一人(ひと)の気色を未知へ呼び込む自己(おのれ)の姿勢(すがた)に結束させ得た…。白亜(しろ)い夕べに身悶えして往く〝不毛の主宴(うたげ)…〟と過録(かろく)を終えては、自由を裏切り未活を企む自体(おのれ)の奇怪に感覚(かんかく)を観た。一人(ひと)の姿勢(すがた)に許容を忘れて未知の息吹に純心(こころ)を呈(しめ)せど、淡く輝く自己(おのれ)の生気は矛盾を仕上げる迷いを保(も)った…。一人(ひと)の空間(すきま)に淡さを拡げる過去の栄華は生憶(きおく)を好く観て、退屈(ひま)を愛する愚者の生憶(きおく)は俚諺を訓(おし)える宙(そら)に宿った…。

      *

 …低い孤独に道理を観て活き、過去の空間(すきま)に総身を飼うのは、人間(ひと)の独理(ドグマ)と不乱の感覚(いしき)を幻(ゆめ)に見抜ける合図を示し、涼風(かぜ)が吹き入(い)る無刻(むこく)の流れを淡い弾みに臨ませ始めた…。

      *

 白亜(しろ)く見積もる幻想(ゆめ)の途切れは理知に棚引く脚力(ちから)の元(もと)から、一人(ひと)の初めに文言(ことば)を失くせる自由と現行(いま)との数多を抱えて、気楼の白亜(しろ)さに欲を見果てる「自由と肢体(からだ)」の美声(こえ)を宿した…。街の故郷(さと)から縁(えにし)を相(あい)せる自由の渡りを廃屋から観て、昨日(きのう)から成る乱心(こころ)の欲には素立(すだ)ちの遥かを宙(そら)へ置き遣り、一人(ひと)と現行(いま)との乱心(こころ)の余裕(ゆとり)は退屈(ひま)を愛する孤独に囁き…人間(ひと)と人密(みつ)との効果の哀れは加減を識(し)らずに生育(そだ)って行った…。五月蠅(あわ)い過録(かろく)に鼓動が潺(せせら)ぎ浮遊に訪ねた身欲(みよく)は未(いま)でも、自由と自滅(ほろび)の解(ほつ)れを紐解く自己(おのれ)の白亜(しろ)さを矛盾に叫び、幻覚(ゆめ)の気力に我信(エゴ)を養う〝労苦の日照り〟は散々だった…。過去に落ち着く塒の概(おお)くは無秩を紐解く豪華を幻見(ゆめみ)て、対岸(きし)の頭上(うえ)へと小躍(おど)りを観せ生く疲労の成就を名高く消し去り、幻覚(ゆめ)の白亜差(しろさ)に自己(おのれ)が問うのは〝人間(ひと)と未(いま)との勲章〟ばかりで、過去を識(し)らない独創(こごと)の独理(ドグマ)は身軽を按じて小言を吐いた…。脆弱(よわ)い自主(あるじ)は無垢を幻見(ゆめみ)て、固陋に埋(うも)れる文言(ことば)を相(あい)する不届きばかりの未完(みじゅく)の最後の不毛と夜宙(よぞら)は概(おお)きく成れども、過去に途切れた紅(あか)い流暢(ベール)は幻(ゆめ)の目下(ふもと)と真逆(まさか)を伴い、分厚(あつ)く成り立つ孤独の殻には暗(やみ)と未(いま)との相思(そうし)を保(も)った…。器量と幻覚(ゆめ)との乱心(こころ)の砦は流浪の呼笛(あいず)を孤独に負かし、白亜(しろ)く成り立つ遊戯の傍(そば)から向日の暗(やみ)への恐ろしさを問い、迷いの最期と湯浴みを気にする不義の高みは度量を相(あい)して、暗黙(やみ)の静寂(しじま)に未来(さき)を按じた孤独と肉体(からだ)は遊慮(ゆうりょ)を蹴った…。一人(ひと)の孤独を柔裸(やわら)に与(あず)けて非道の翳りを身内に見る内、過去(むかし)に訪ねた女性(おんな)の気色は〝自由〟を毛嫌い夢々駆(ムンク)を射った…。一人(ひと)の寝耳と人影(かげ)の肥やしは見様見真似で分厚(あつ)く成り立ち、一人(ひと)に捧げる身欲(みよく)の陰には自由に生い立つ翳りを買った…。過去と未(いま)との郷里の身許は安い四季(きせつ)の故縁(えにし)を捉え、不能に合せる孤独の水面(みなも)は暗黙(やみ)の内へと端正(きれい)に失(き)えた…。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

~早い稲田(いなだ)と同志の刈り立て~(『夢時代』より) 天川裕司 @tenkawayuji

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ