亡霊の手記
『冴島雫より
本来は手紙の最初には相手の名前を書くべきですが、誰がこの手紙を読んでいるか分からないので、差出人から名乗らせていただきました。
私がこの手紙を見つけていて欲しい相手は、梅野司君なのですが、その願いはかなっているでしょうか?
もし、私の願わぬ相手が見つけているならば、ここから先はその人に向けて、あの事件の真相を書き連ねていきましょう。
まず、サークルのみんなに宛てた手紙については、私の祖父に頼むことにしました。この手紙を1年後に出して欲しいとお願いしました。もちろん、鍵を取りに来たメンバーには手紙を出したことは言わないで欲しいと言いました。
祖父は手紙を出した時点では、何も気が付いていなかったと思います。しかし、事件が起こり、手紙を送った全員が死んでしまった。そうなれば、心の中に罪悪感が残るでしょう。
そして、私が何かを仕組んだのではないかと勘繰るでしょう。結果、私の部屋に隠しておいた小島さんの生首を見つけるでしょう。これで、祖父は孫娘がほぼ確実に殺人に関わっていることに気が付くでしょう。
しかし、祖父はそのことを誰にも言えないので、孤独を極めるでしょう。きっと誰かがこの事件の捜査で、祖父に詰め寄れば、真相を話し、自決すると踏んでいます。
冴島家は代々に渡る建築の名家の血筋ですから、覚悟はあると思います。そして、老い先短い祖父なら、必ず自決を選んでくれます。一応、お膳立てとして、私の両親と祖父も殺しておきました。祖父の希望を断つためです。
どうやって、両親と祖父を殺したのかって?
簡単ですよ。死ぬ運命にしておいたからです。
だって、お気づきでしょう? この洋館で起こった殺人は全て死んでしまった私が行ったことなのですから。
それでは、吊り橋の話からしていきましょう。吊り橋は皆様お気づきの通り、ルバの吊り橋です。では、私がどのように橋を落としたのかと言うと、玄関の扉の鍵穴に仕掛けを施していました。
どのような仕掛けかと言うと、鍵穴に鍵が入ると、吊り橋に仕掛けたナイフが指定のロープを切るような仕掛けです。もちろん、切るロープは6人目の人間を落とすものです。
私は祖父に吊り橋は使っていないと脆くなるから、1人ずつ渡るようにと伝言しておきました。なので、招待された7人は律義に1人ずつ渡ったと思います。ルールに厳しい剛先輩もいることですから、きっと私の伝言は守られたと思います。
そして、私の予想では、最後に吊り橋を渡るのは圭人でしょう。いつもサークル内では最後尾でしたから、吊り橋も最後に渡ると思います。
吊り橋が落ちてしまうと、洋館から出る手段が無くなってしまいます。この時、携帯での通話もできないようにしておきました。また、洋館の近くは登山道から離れていて、冴島家の私有地なので、人は通りかからないでしょう。
よって、6人はこの洋館に留まらなくてはならなくなる。この洋館には玄関の鍵穴を始め、全員を殺すためのあらゆる仕掛けが成されています。次に使う仕掛けは、美空を殺すことに使いました。
あらかじめ、美空にはこの洋館に招待していました。そして、2階の真ん中の個室に、からくりが仕掛けられていることを知らせていました。チェストの裏にあるくぼみに手を入れて、ボタンを押すと、床下収納が開くというからくりでした。
私がそのからくりを実演して見せました。この時、気を付けたこととすれば、チェストにお腹を乗せて、くぼみに手を入れることでした。この通りにしないと、上手くボタンが押せないように作っていると伝えました。
そして、このからくりのことは誰にも言わないで欲しいと含みを持たせた言い方をしました。
私はそれを美空に伝えた後、そのからくりを作り変えました。くぼみのボタンを押すと、チェストの上にある天井からナイフが落ちるようなからくりに変えました。
そして、洋館に閉じ込められた美空は、真っ先に2階の個室へと向かったでしょう。美空は恋人の圭人が殺されたこともあって、事件の真相をいち早く知りたかったはずです。きっと床下収納に私の残した何かがあるはずだと考えていたでしょう。
だから、チェスト裏のくぼみのボタンを押した。そうなれば、チェストの上に置かれた美空の背中をナイフが突き刺す。部屋中には血飛沫が飛び散った。そして、絶命した美空はチェストから倒れ込み、扉側に倒れることでしょう。
そして、この美空を殺した部屋は燃やす必要がありました。まず、からくりのくぼみと天井にあるナイフの出口の2つを隠滅しなくてはならなかった。そして、美空に刺さったナイフに触れさせることを避けさせる必要がありました。
なぜなら、美空を刺したナイフは天井から落とす都合上、ナイフの刃を重くしていたからです。天井から普通のナイフを自由落下させると、ナイフの刃がぶれて、ナイフが狙った場所に落ちなかったり、そもそも普通のナイフが落ちるだけでは人の体をしっかり突き刺すことができなかったりするという懸念材料がありました。
よって、ナイフの刃だけを通常より重くすることで、ナイフの重心を下げ、狙った場所にきちんと刃が深く突き刺さるようにしました。その都合上、ナイフを持たれてしまうと、すぐにナイフの特殊性に気が付かれ、天井からナイフを落とした可能性が生まれる。
ですから、死体のある部屋に本格的な捜査させないことが必要でした。しかし、美空の死体の確認をさせないと、この先の筋書きに影響してきます。
まず、左手の手形が付いたナイフから、左利きで手の小さい樹里が疑われる推理が成されないことです。この推理が成される重要性は、犯人がこの洋館の中にいると勘違いさせることです。一度、洋館内の犯人が挙げられてしまえば、勝手に洋館内に犯人がいるとしか考えられなくなりますからね。
ちなみに、この左利きのナイフを作るために、小島を殺しておきました。後で祖父を脅す材料にも使えるので、一石二鳥でした。それに、私自身の手でも1人は殺しておきたかったので、一石三鳥ですね。
そして、樹里が犯人の推理の後には、天井裏から誰かが殺したという推理が成される。最後には、背中に刺さったナイフ自体が美空の偽装だという推理が成される。という風に、この先の推理に美空が殺された状況は重要な材料となります。
このような筋書きを用意させるには、美空の死体を認知だけさせる必要がありました。ですから、部屋をすぐに捜査不可能にしたのです。
しかし、部屋を捜査させないことが条件なら、私にはこの部屋だけを爆発させることもできました。
爆発を選ばなかった理由は、他の人間を巻き込む可能性があったからというのもありますが、次の毒殺の仕掛けに必要だったからです。
まず、キッチンの蛇口に毒を仕込んでいました。しかし、毒をそのまま仕込んでおくだけでは、美空の前に人を殺してしまうことになります。2番目の殺人には美空の刺殺が必須でした。
仮に、2番目の殺人が樹里の毒殺になってしまうと、1番目の圭人の転落死と連続的に考えて、犯人がこの洋館内にいないという考えを残してしまいます。
ですから、2番目に美空の刺殺を起こすことによって、この中にいる犯人の誰かが美空を直接ナイフで刺し殺したという意識を刷り込むことができます。よって、3番目の毒殺もこの洋館にいる人物の犯行だと思われるようになります。つまり、事故に見える殺人の不連続化が必要でした。
さらに、火事の前に誰かがキッチンの水を飲んでいたなら、事前に毒を仕込んだ訳ではなく、火事の間に犯人が蛇口に毒を仕込んだという刷り込みも可能です。よって、犯人はこの中にいるという意識が強くなります。
では、どのように蛇口に毒を仕込んだのかというと、使用したのは飴でした。熱に強く、年月による化学変化に強い毒入りの飴を蛇口の口付近に設置しておきます。毒入りの飴をそのまま蛇口に仕込むと、飴が蛇口から流れ出る可能性がありました。
よって、蛇口を囲う金属を厚くし、くぼみを作りました。そのくぼみに飴を仕込むと、蛇口の水は細くなりますが、飴が流れ出るリスクを無くしました。こちらの方が、飴が溶ける表面積が小さくなるので、毒が溶ける時間の計算が容易になりました。
この飴を溶かすために、火事により強制的に水を使わせる必要がありました。ですから、火事が必要でした。
結果、消火活動で蛇口の飴は溶け切り、水道水には毒が含むようになります。そして、火事で暑くなったために、水分補給に来る樹里はその毒入りの水道水を飲みます。
さっき水を飲んだ来実は水を飲まずに、樹里の方が水を飲むでしょう。さらに、樹里は美空の殺人で疑われてしまっている。だから、自分を落ち着かせるために、水を飲む可能性が高まります。
そして、毒は致死量の数倍は入れているので、即死になったことでしょう。仮に、生き残ったとしても、洋館に医療器具は置いていないので、治療は難しいでしょう。
水道に仕掛けた毒は、ヒ素でした。ヒ素のような硫黄が含まれるような毒等でないと、銀食器を黒く変色させることができません。このために、硫黄をたくさん含んだ純度の低いヒ素を選びました。
致死量との兼ね合いが難しかったですが、水道に毒が仕掛けられているということが分からないと、次の殺人に繋がりませんから致し方なかったです。
次は剛先輩を銃殺することでした。仕掛けは簡単です。血糊が発射されるライフル銃を事前に剛先輩に見せておくことでした。
そして、剛先輩が入るであろう2階の1番奥の部屋の床下収納に、本物のライフル銃を入れて置きました。床下収納はすぐに気が付くように、分かりやすく取っ手をベットの近くに出しておきます。
その取っ手を使って、床下収納を開くと、中にはライフル銃がある。剛先輩はそのライフル銃を血糊の出る偽物と信じるでしょう。なぜなら、血糊ナイフを洋館に置いていたからです。美空の部屋で火事があった後、現場の状況を確認する時に、別のナイフで実演があると予想しています。
もしくは、全員の利き手を確認する過程で、血糊ナイフが使われるでしょう。ですから、剛先輩は血糊のライフル銃を思い出し、ライフル銃は偽物だと思います。
しかし、これだけでは、ライフル銃は偽物だと完全に思い込ませることは出来ないでしょう。
ですから、剛先輩の精神状態を追い込みました。仲間を失うことにトラウマのある剛先輩は、小島の自殺未遂で、自殺するんじゃないかと思うくらい落ち込んでいました。
たった1人でこれだけ追い込まれるなら、3人ならどうだろうと思いました。
きっと信じられないほど追い込まれるはずです。そして、この状況に、水を飲めない状況を作り出します。樹里の毒殺で、毒が蛇口から出ていることが分かります。ですから、他の蛇口の水も飲めないと考えるでしょう。
もし、事件当日に雨が降っていたとしても、雨どいに毒を仕込んでいます。おそらく銀食器のチェックで雨どいの水が飲めないことが分かるでしょう。よって、洋館内に安全な水はありません。
ですから、冷房器具が無く、火事で気温の上がった洋館内なのに、水が飲めないとなると、冷静な判断ができなくなります。早く安全な水分を補給したいと皆が考えるはずです。
そして、剛先輩はライフル銃の血糊は飲むことを思いつくでしょう。
私の開発した血糊は、凝固することなく、保存料が加えられており、2年以上の賞味期限があることは皆に伝えていました。よって、ライフル銃の血糊を飲むという結論に至ったはずです。
しかし、他の人間に飲んでいることを見られたくないから、部屋の鍵は閉めておく。そして、すぐにでも飲みたい剛先輩は口を大きく開けて、ライフル銃の引き金を引くでしょう。
この時、偽のライフル銃といえ、威力が高い。よって、口で咥えてしまうと、口に入った大量の血でむせてしまうと考えて、少し口から離して発砲するでしょう。結果、自殺のように見えるが、他殺かもしれない死体が出来上がる。
という結末が1つです。実はもう1つの結末も用意していました。それは拳銃自殺を図る場合です。
私は床下収納にライフル銃と拳銃を入れて置きました。拳銃の方は、リボルバー式で弾が込められているので、すぐに
では、仲間が3人いなくなった状態で、剛先輩がどちらを選ぶか見物でした。あそこまで追い込めば、自殺する可能性もあります。しかし、それでも仲間の分まで生きようとするかもしれません。
私はその選択の結果を知ることは出来ないのが、少し名残惜しいです。しかし、行動の結果は死に収束するので、どちらでもいいというのが本音です。
さて、もう残り3人となれば、本当にこの中に犯人がいるのかという議論も湧いてくることでしょう。そのために、私は身元が分からないように死ぬ必要がありました。
焼死体は事件性が出てくるので、崖からの転落死を選びました。これによって、身元が完全に分からない状態の不審死となったはずです。
よって、死体のすり替えが行われているのではないかという推理が生まれるでしょう。もし、遺体のすり替えが怒っていれば、私は生きている。そして、この洋館の天井裏にでも隠れているんだろうと推理されるでしょう。
ですから、天井裏の木材は強度を通常より高め、絶対に壊すことのできないようにしました。実際、天井裏には通信機能抑止装置と最後に作動させる自動発火装置があったので、天井に侵入されるとまずかったです。
そして、雄馬をどう殺したかの説明に移りましょう。雄馬を殺した方法は、感温印刷でした。
感温印刷は、ぬるま湯に付けると紙の色が変わり、文字が出てくるものです。この感温印刷を施した紙を雄馬の招待状にだけ入れて置きました。だから、金庫の人形の下に敷かれている紙を見て、雄馬だけがピンと来たはずです。
そして、雄馬にも刷り込みを行っていました。私はドライヤーをバスタブに入れて、感温印刷の文字を見る方法を実演しました。その時、私は防水のドライヤーを使っていたので、見事に感温印刷の文字を浮き上がらせることができました。
ですから、雄馬はその時の私の真似をしたでしょう。ランプのコンセントに防水性の無いドライヤーを繋ぐ。そして、水の入ったバスタブにドライヤーを入れれば、感電してしまうことでしょう。
おそらくここまでの5人は上手く殺すことができると思います。しかし、ここから先は自信がありません。
なぜなら、司なら私の思い描いた運命も打ち破ってくれそうだから。
この手紙の冒頭で、差出人が梅野司君であって欲しいと言いました。私はそうならないような運命を思い描いています。でも、彼なら私の運命を変えてくれるのではないと考えています。
それでは、事件の種明かし中ではありますが、私がこの事件を起こした動機を語っていこうと思います。
私はノーベルとアインシュタインを尊敬していますが、好きじゃありません。
理由は、どちらも立派な殺人鬼でありながら、その殺人に後悔したからです。
ノーベルはダイナマイトを発明し、そのダイナマイトが戦争に使われたことによって、たくさんの人を殺しました。しかし、彼は発明を後悔しました。
アインシュタインは核爆弾の基礎となる理論を発明したことにより、たくさんの人を殺しました。しかし、彼は発明を後悔しました。
どちらもたくさんの人を殺した殺人鬼でありながら、その殺人を後悔しました。おそらく、彼らには想像力が足りなかった。自分の発明が殺人に使われるとは思わなかったんだと思います。だから、彼らは後悔した。
しかし、私に言わせてみれば、美学が足りません。
彼らには未来予測の観点が抜けていた。彼らは予想外の殺人をしてしまったがために後悔してしまったのです。
私は予想外の殺人をしません。予想通りの殺人をします。
私は小さい頃からこういう未来予測に長けていました。このような条件では明日こうなる、明後日はこうなって、1週間後にはこうなる。だから、1か月後にはこうなって、1年後は……
といくらでも未来を予測し、実際その通りになりました。その時、私自身がその未来に干渉したらどうなるか気になりました。私は誘雷を使って、人を殺そうとしました。
私の思惑通り、人は死にました。その時、私は思いのままに運命を操ることのできる人間なんだと確信しました。
その日から私の運命通りに人を殺すことが楽しくなっていました。全て、予想通り。
だから、後悔はしない。
実際、私はこの洋館で起きた殺人で、5人を殺しましたが私の予想通りだったので、何の後悔もありません。そして、司と来実も予想通りに殺します。ですから、何の後悔もありません。
しかし、その一方で、司は私を変えてくれると期待している私もいます。
私が司に運命の話をした時、もう既に自分の死ぬ日を決めていました。私はこの先の運命全てを決めるためには、私の死は必須でした。全ての未来を知っているラプラスの悪魔がこの世界に存在しない証明には、ラプラスの悪魔がこの世界に存在していることが使われます。
ラプラスの悪魔がこの世界の全ての未来を知っているなら、その知識を組み込んでいる脳細胞の未来も予測することになります。その脳細胞の未来予測をするためには、別の脳細胞が必要になる。と言った風に、ラプラスの悪魔の存在は帰納的に否定できます。
だが、ラプラスの悪魔が死後全ての運命を決定づけることは出来るのではないでしょうか?
ラプラスの悪魔が死んでいるなら、ラプラスの悪魔自身の未来予測は必要なくなる。よって、ラプラスの悪魔は存在する。
このような理屈が成立するわけです。そのためには、私は死ななければならない。私が死ななければ、私が思い描いた運命の純度が下がる。私の存在がカオスを生むのです。
ですから、私はあの日、運命の話をした。司に運命が私を殺すということを言うことで、私が運命によって、洋館の5人を殺したことを示唆するためです。そして、司に私の共犯となり、洋館残した証拠を処分させるためです。
そのような予定でしたが、私の予想とは反して、司は面白い話をしてくれました。
神様はサイコロを振るというのです。
理由はその方が神様も俺達を楽しいからだと言いました。
この時、私ははっとさせられました。彼なら私の予想から外れたことをしてくれるんじゃないかと思いました。
だから、私は司なら私の運命を打ち破ってくれるかもねと言ったのです。
これは運命上言ってはいけませんでした。司が私の意図に気が付き、私の共犯となることを拒否するかもしれません。
だから、私はサイコロを振ってみたのです。
その方が楽しかったから。
私はいつの日か怪物になっていたのです。最初はただ未来予測するだけだったのに、その未来を意のままに変えたくなった。そして、私は簡単に未来を変えた。私は私が作った運命で他人を殺しました。
何のためか分からず、ただ他人の運命を変えることが私の運命であるということを信じている怪物となっていました。
だから、私はどうなるか分からない未来に楽しさを覚えていました。
はたして、私が振ったサイコロの目はどう出たのでしょうか?
もし、私の運命通りなら、司は圭人の殺害に使った鍵穴、美空を殺したナイフ、樹里を毒殺した蛇口を処分するはずです。この証拠は燃えないので、私と犯行を結びつける証拠となります。
ですから、その3つを崖下に落とした後、来実を脅して、自身を撲殺させるように追い込むでしょう。そして、来実は通信機能抑止装置の充電切れと共に作動する自動発火装置によって、煙を吸って窒息死する。
きっと1人になった来実は、火事に対処などできないでしょう。慌てて煙を吸って、死んでしまいます。
そして誰もいなくなった。というのが、1つの結末です。
しかし、司が私の運命を打ち破ってくれるなら、司は火事に適切に対処し、来実と司は救助される。
そんな結末となるでしょう。
結局、私は全員が死んでしまう結末しか予想できませんが、心の中で予想外が起きることを願っています。
私は亡霊として、このサイコロの目が出す結末を死者の世界から見守っています。
私のいない世界を生ける者へ』
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