『Hollow Knight』2018年、switch、虫の王国を冒険し、王国の真実を目撃せよ。死ぬのは当たり前な高難易度2Dアクション。

 今回は高難易度で知られる、こちらのゲームです。


『Hollow Knight』2018年、switch、CERO:B(12歳以上対象)、Team Cherry


 寂れた村にいる老いた虫は語ります。

 この村の地下に存在するハロウネスト。それは虫たちの王国でした。今や衰退したその王国に、冒険を挑む者は多く存在します。

 ある日、この村に現れた主人公もまたその一人。寡黙な主人公はハロウネストを旅し、時に強い敵とまみえ、時に道を切り開き、やがて、この王国の真実にたどり着きます。その旅の果てに、主人公が選ぶ結末とは。


 本作は虫がデフォルメ化されている世界観で、敵味方含めキャラクターはほぼすべて虫です。冒険の舞台はかつて栄えた王国ハロウネスト(厳密にはその他の地域も含みます)。探索要素のある2Dアクションで、要はメトロイドヴァニアですね。

 この作品は、有名なインディーゲームだと思います。それも高難易度のゲームとして。

 なお、私は本作、真ラスボス撃破までなんとか到達し、本作の真エンドを見ていますが、それでも思います。この作品は本当に難しいです。

 本作をプレイした後、他の2Dアクションをプレイするときに、このホロウナイトが基準になりました。

 どういうことかと言いますと、「このゲーム難しいな→いや、ホロウナイトのあのボスに比べればマシだ」みたいな感じになります。お陰で、2Dアクションはそこそこ上手くなりました。


 このゲームの難しさはまず、シンプルに敵が強いです。ボスの攻撃は初見では対応できずに、被弾してそのまま死にます。覚えることが前提ですね。このモーションの時はこの攻撃が来る、みたいな。

 終盤になると、雑魚敵でも初見では対応しにくくなります。「そんなことしてくるの?」となります。

 さらに難しさを高めているのは、「死」にペナルティがある点です。ボス戦や旅の途中で死ぬと、最後にセーブした地点に戻されるのですが(本作は各所にあるベンチに座ることで回復&セーブを行います)、死ぬとペナルティがあります。

 まず、所持金がなくなります。そして、主人公が死んだ場所に影が現れます。この影を倒さないとお金を取り戻せません。そして、この影は主人公が強くなると強くなるうえ、この影を倒せないまま主人公がまた死ぬと、所持金はもう戻ってきません。

 まあ、お金なのでまた貯めればいいのですが、失うくらいならすぐに使ってしまおうとなります。


 一方で、主人公の操作自体はそんなに難しくありません。基本の動作は釘による直接攻撃とソウルを使用する魔法攻撃と、回復のみ。

 釘はRPGにおける剣での攻撃と一緒です。釘の直接攻撃は方向キー入力で、上下の入力ができ、ジャンプしているときに下入力して攻撃すると真下にも攻撃できます。

 敵を攻撃するとソウルというものが貯まるのですが、このソウルで魔法が使えます。

 主人公の前方に弾を飛ばす魔法、それから下方向に衝撃波を飛ばす魔法、上方向に弾を打ち出す魔法の三種類。なお、ソウルはHPの回復にも使用する要素ですので、主人公がピンチの時は回復に使うか魔法に使うか、考えることになるときもあります。

 探索を進めると、主人公は奥義を覚えて回転斬りや溜め斬りもできるようになりますが、他にも、二段シャンプやダッシュ、壁登りといったアクションも習得できます。

 この作品で重要なのは、まさしく探索です。

 魔法の中には、物語を進めるのに必須の魔法もありますが、魔法の強化については必須ではなく探索で可能になります。奥義も教えてくれるキャラに探索して出会わないと覚えられません。

 ちなみに、各地域にいるボスを倒すと大体その後に新しい魔法やアクションを覚えられるのですが、三回くらい、「この魔法(アクション)、今のボス戦で使いたかった……そしたらもう少し楽に倒せたはず……」となりました。このゲームは、こういう点でも厳しいです。

 この作品、探索の順番はある程度の流れが決まっていますが、絶対にこの順番で探索を進めなければならない、というのがありません。なので、プレイヤーが組み立てることもできます。こっち側に行ったらそこのボスが強いから、一旦諦めて反対側を探索してみよう、なんてこともできます。

 マップは最初何も書かれておらず、途中まで書かれたマップを買うか、あるアイテムを手に入れるとベンチで休んだときにそれまでに進んだ場所がマップに書き込まれるようになるので、それらを利用してマップを作っていきます。

 道なき道を進みマップを切り開いていくのは、怖くもあり楽しくもあります。各マップの背景も描き込まれていてすごく綺麗です。遠近感が凄いんですよ。

 主人公にはチャームといって、HPを増やしたり、攻撃力を増やしたりする装備品もあります。チャームはコストがあって、その合計値が決まっているので、制限の中で組み合わせを色々考えるのが結構楽しいです。

 新しいチャームを探索の中で見つけることもあり、探索で手に入れた強化魔法やチャームをつけて、倒せなかった敵に挑むと勝てたりします。回り道することも重要ですね。


 なお、ゲーム内で戦う敵はほとんどが正気を失った虫たちです。なぜ、このようなことになったのか。そして、主人公は何者なのか。探索を進めると少しずつ明らかになることがある一方、明確に語られないこともあります。

 でも、探索を進めていると、主人公に似た姿のキャラが倒れていたりして、どういうこと?となりますし、ホーネットという主人公の正体を知っているキャラも出てきますし、マップはもちろんのこと、ストーリーも先が気になるような、良い作りになっていると思います。

 なお、ここだけの話、私はプレイするまで、ホロウナイトって主人公の名前だと思ってました。違いました。タイトルのホロウナイトがゲーム内で出てきた時は、少し感動しましたね。


 ちなみに、虫たちはキャラ的にデフォルメされていますが、一部要注意な敵がいます。

 私は、倒すと体が2つに分かれて動き出すスイツキという雑魚敵がダメでした。分かれるな、動くな、と思いました。気持ち悪かったですね。やっぱり虫なのでそういうデザインの敵も少なからずいます。


 こういった感じで、このゲームはいろんな特徴がありますが、やはり一番印象に残るのは難易度の高さです。それでも、続編が出たときにはプレイしてみたいと思っています。また、そこに幾度の死が待っているとしても。

 それくらい、このゲームにしかない魅力に溢れた素敵な作品でした。難しいですけどね。難しいですけど、何度も敵に挑んで勝てたときの達成感はやっぱり忘れられないです。




(参考サイト:任天堂公式サイト本作商品ページ)

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