『天穂のサクナヒメ』2020年、ps4、 米を作って戦え! 稲作✕2Dアクション

 皆さん、お米は好きですか?


『天穂のサクナヒメ』2020年、ps4、CERO:B(12歳以上対象)、えーでるわいす


 主人公サクナヒメは武神と豊穣神の間に生まれた神ですが、亡き両親の残した財産で、自堕落な生活をしていました。

 しかし、ある日人間たちを神の住む世界に侵入させてしまった上、人間たちを止めようとする騒ぎの中で、主神カムヒツキに納める大事な献上米を台無しにしてしまいます。

 罰として、サクナヒメは人間たちともに、鬼が住むとされるヒノエ島の調査へ。そこはかつて、サクナヒメの両親も訪れた地でした。


 本作、いわゆるインディーゲーム(個人や小さな会社で制作されたゲームのこと)ですが、インディーゲームの中でもかなり有名だと思います。今年アニメ化までされています。


 本作の特徴は、稲作✕アクション。

 本作には春夏秋冬及び朝昼夜の時間の概念があり、1年目、2年目というふうにゲーム内で季節が巡っていきます。この一年のサイクルの中で米を育てつつ、探索もバトルもしていきます。


 サクナヒメは、武神と豊穣神の間に生まれたためか、米を作ることで格(レベル)が上がります。つまり、本来は敵を倒して経験値を得ることでレベルを上げるのがアクションゲームですが、今作はバトルに勝ってもレベルは上がりません。経験値自体もらえません。

 米を作り、秋に米を収穫した時に、米の質や量に応じてはじめてレベルが上がります。

 つまり、一年に一回しかレベルは上がりません。私のプレイ時はレベルが3上がる時もあれば5上がる時もありました。何が違うのか。米の質が違うわけですね。

 稲作は、田起こしから籾摺りまでを行います。かなり本格的です。しかも序盤は役立つ道具もスキルもないので、一つ一つの工程に時間がかかりがち。最初の方は、苗を一本一本植えないといけませんし、夜通しで脱穀作業をしていた気がします。

 しかし、物語が進むと、サクナヒメの仲間が道具を開発してくれたり、サクナヒメが便利なスキルを覚えたりして、段々と一つ一つの農作業が楽に、かつ早くなっていきます。

 ゲーム内に農書という、稲作に関するヘルプもあるので、稲作について知識がなくても問題なくプレイできるようになっています。

 私も最初の頃は農書を見つつ、プレイしてましたが、慣れてくると、「この時期は水量多めだったな」とか「この作業する時は晴れのほうが良かったよな」とか、わりと覚えてきます。不思議なものです。


 もう一つのメインであるアクション。

 今作はステージクリア型で、一つ一つのステージを敵(鬼)と戦いながら探索し、探索目標を達成することで新しいステージを開放していきます。各地域にはボスもいます。稲作を行う拠点は3Dマップですが、探索を行う各ステージは2Dアクションになっています。

 サクナヒメの武器は農具。コンボや技を決めつつ、羽衣を使うと壁を登ったり鬼を投げ飛ばしたりもできます。

 農具もいくつか種類がありますし、技にも熟練度のようなものがあり、同じ技を使うほど強くなります。アクション部分は操作が分かりやすくも深いところがあります。

 ステージ内にある素材や野菜、鬼を倒して得られる肉を集めて、武器・装備の作成や料理なども作ることができます。


 料理にももちろん、自分で作った米を使うこともできます。最初の頃は収穫量も少ないのであまり使えないのですが、収穫量が増えてくると気にせず丼物が食べれるようになり、「今年の稲作頑張ったな」なんて思えてきます。米は加工することもでき、麹やお酒も作れるのが細かいところです。

 さらに、米は神様の世界との取引にも使え、砂糖のような調味料を手に入れることができ、料理のレパートリーも増えていきます。

 料理を食べると、探索中のサクナヒメにバフ効果(HPや攻撃力、防御力などの上昇効果)がつきます。

 米の取引で手に入るものには武器や装備用の素材もあり、サクナヒメをさらに強くできます。こんなふうに、稲作部分とアクション部分がちゃんと結びついているのが良いところだと思います。


 このゲームは、常に時間が経過していきます。その中で稲作と探索を行っていくので、スケジュール立てがある程度必要になります。

 私は朝、稲の様子を見る→水量や肥料の調整、天気を変えたりする(物語を進めると天気を変えれるようになります)→探索&バトルへ→帰ってきて稲の様子を見る→夕食→寝る(もしくは夜探索)のルーティンを繰り返していました。

 収穫後の冬は、朝から探索に行ってました。時間がかかるようなボス戦も、冬に行うと気持ち的に楽です。もちろん、収穫後も、次の年にむけて種籾の選別など準備はあるので、それを忘れてはいけません。


 ストーリーはわがままだったサクナヒメが成長していき、立派な神様になっていきます。サクナヒメと行動を共にする人間たちも、完璧ではなく、ときに衝突もしますが、全員が少しずつ成長していきます。

 ちなみに、米作りにハマっている人ほど、ショックなイベントも起きますが、シナリオはその辺りから盛り上がりはじめます。

 和風の世界観も良いですよね。サクナヒメは装備として狩猟着や笠があるのですが、変更するとちゃんと反映されるので、見た目でも楽しめました。

 音楽も和風の音楽が戦闘を盛り上げてくれますし、拠点だと音楽が季節ごとに変わるのが細かいです。


 実は、私はアクションゲームは好きなのですが、本作の稲作要素のようなシミュレーション系はやや苦手です。しかし、本作は前評判から気になっていたゲームで、ぜひプレイしてみたいと思っていました。

 でも、調べると、稲作とアクションはそれぞれ別々に難易度が選べるうえ、いつでも変更できるとのことで、自分でもプレイできるのではと思い購入。

 最初は一応、普通の難易度でプレイしてみようと思い、やってみたら、稲作初心者でもちゃんとお米は育ってくれました。そのため、結局、稲作もアクションも普通の難易度で、最後までクリアしました。

 最終的には、本作のアートワークス(設定集)を購入するくらい、好きなゲーム作品になりました。稲作✕アクション、どちらの要素も楽しめました。面白かったです!




(参考サイト:マーベラス公式本作サイト、プレイステーション公式サイト本作商品ページ)


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る