2Dアクション
『深世海 Into the Depths』2020年、switch、氷で覆われ地上には住めなくなった世界。主人公が目指すは海の底、深世海。
今回はアクションゲームを紹介します。
『
氷で覆われ地上には住めなくなった世界で、人類は海中に住むようになっていました。主人公もその一人ですが、ある日、海底にある主人公の家に氷の魔の手が伸び、住めなくなってしまいます。氷から逃げるように、主人公は海のさらに奥、深海に足を踏み入れていきます。そこはまさしく、
本作を手掛けるのは、モンスターハンター、バイオハザード、逆転裁判などでおなじみCAPCOMさんですが、本作はややマイナーかもしれません。現時点(2024/07)ではSwitch(ダウンロード限定)でしかプレイできません。少人数体制で制作した作品とのこと。
アクションゲームが多いCAPCOMさん。本作も、海底探索アクションとニンテンドーストアの説明で銘打っています。
本作は、深海にある資源を集め、主人公の潜水服を強化したり武器を作ったりすることで、更に深く深く潜り、探索領域を広げていきます。俗に言う、メトロイドヴァニア(簡単に言うと探索要素のある2Dアクションゲーム)です。
特徴的なのは深海が舞台なので、キャラクターの台詞がありません。そもそも、物語の最初から、主人公は頭から足先までがすっぽり隠れる潜水服を着ているので、主人公の外見も年齢さえもわかりません。これも結構面白い点だと思います。
ゲームが始まってすぐ、主人公が海底に放り出されるので慌てつつ進んでいきます。水中独特の浮遊感と言いますか、操作に慣れるまでが大変ですね。
慣れながら海底を探索しているうちに、深海生物が出てきます。こちらに対して攻撃的なものやそうでないものもいて、対処していくのですが、やがて生物ではない機械的な存在が出てくるように。この辺りで、主人公にも相棒が現れます。
潜導と出会い、さらに潜水艦も手に入れて探索範囲がぐっと広がる。これが序盤の流れです。
主人公の武器は、いくつか種類があります。最初は引っ掛けたり、投げたりするだけのシンプルな武器なのですが、段々と貫通性能のある武器や電撃を放つ武器とかが出てきて幅広くなります。そして、これらの武器は敵を倒すだけでなく、壁を壊すなど、新たな道を切り開く鍵にもなります。
海底を進むうえで何よりも気をつけないといけないのが、酸素。主人公は酸素がないと死にます。HP(ヒットポイント)の概念が本作では酸素になっているわけです。
攻撃を受けるとつけている酸素ボンベや潜水服にダメージが入り、ボンベが割れるとその分の酸素が一気になくなります。落ちている酸素ボンベやセーブポイントなどで酸素は補充できますが、序盤では持てる酸素ボンベが限られているので、無理はできません。しかも酸素なので、何もしていなくてもゆっくり減っていきます。なお、酸素を消費して早く移動するブースト移動などもできるので、ときには酸素を使うことも大事です。
序盤は操作に慣れないので事故もあります。軽く着地したつもりなのにドスン!と着地、そのせいで酸素ボンベがバリンと割れるとか。何回もやらかしました。
素材も序盤だと限られているところがあるので、武器も使いすぎると大変かもしれません。素材から武器を作るのですが、武器の中には持てる数に限りがあるものがあります。
こうして振り返ると、このゲーム、潜水艦を手に入れるまでの序盤がそこそこきついかもしれません。
潜水艦を手に入れる頃になると、思うように操作できるようになってますし、海底の景色が綺麗なので、次はどんな場所に行けるのかなとわくわくします。
戦闘は探索中に出会う敵の他に、雑魚ラッシュやボス戦もあります。中には、潜水艦に乗ったまま戦うことになるかなり大きなボスも。
舞台は変わらずずっと深海ですが、大きな廃船や海底遺跡、海底火山など、ロケーションの変化はあり飽きません。
私は普通の難易度でプレイしましたが、後半の雑魚ラッシュなど少しきつく感じる時もありましたので、探検するのが好きだけどアクションが苦手な方は難易度を下げても良いかもしれません。
本作は、世界観の作り込みが素晴らしいです。
わざわざ、現実の凍った湖に効果音を取りに行ったり、ゲーム音楽に水中で流れているように聞こえるよう加工をしたりと、音響面のこだわりがすごく、だからこそ、プレイしていると本当に海中にいるように感じられるのだと納得しました。
また、この世界独自の文字があるのですが漢字に似ているので、ある程度は推測でき(ゲームタイトルロゴの『深世海』もこの世界の文字で書かれています)、海底には過去の人類が残したと思われる資料があるのですが、そこからなんとなく、この世界の人類に何が起こったのか考えられるようになっています。
ちなみに、本作には主題歌があり、その歌詞は何を言っているのかよく分からないのですが、文字だけでなくこの世界の言語も創作されたらしく、ちゃんと意味があるとのこと。
ゲーム内UIもこの世界の文字を使用していて、独特なデザインが深世海の世界観に浸らせてくれます。
こんな風に、様々な面で、ゲームの世界を作り込もうというこだわりが見られる素敵な作品です。
本作のエンディングは分岐があり、二種類あります。最終盤で分かれます。直前に流れるイベントシーンで、もしかして?と思い、試したら分岐しました。
エンディングごとに、最後に映る一枚絵もスタッフロールで流れるイラストも違うのでひきこまれましたし、なによりすごく考えさせられます。
どちらの終わり方が良いのか、一概に言えない気がして。これはもう、実際に見てもらうしかないですね。
クリア後にはチャレンジモードや音楽鑑賞モードが開放されます。しかも音楽鑑賞モードは、水中で流れているように聞こえる加工バージョンはもちろん、無加工バージョンも聞けます。クリア後のおまけも手厚く感じました。
深海のゲームなので、涼しくなるのではと思い、数年前の真夏にプレイしたのですが、そのせいか暑い季節になると思い出す、そんなゲームです。
(参考サイト:
任天堂公式サイト本作商品ページ、カプコン公式本作サイト、CAPCOMサウンドチーム公式サイトcap's tone )
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