第23話 病院
病院で目覚めた優は、脳震盪と診断された。
3日間の入院になるようだった。手続きは響さんがしてくれた。
(……なんの力にもなれてない)
それが余計、むなしかった。
すぐに仕事先に連絡しようとする優の代わりに、響さんが電話をかけることになる。
優も心配だったけど、その前に、優の仕事先の人に謝らなきゃと思った。
だから響さんのあとをついていこうとしたけど、優に手首をつかまれる。
「……傍にいてくれませんか?」
僕はそれが淋しいからだと思った。病気の時、自分がよくなるやつだと。
「でも謝らないと……」
「僕に謝ってもないのに?」
「!」
「……正直に言うと、今ここにいてほしいんです。傷つけるつもりはありません」
理由は別にあった。
その理由が、その時はわからなかった。
結局、優の眠るベッドの傍らに座り、僕達はずっと手を繋いでいた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます