第18話 夢(★)

シャワーを浴び終えた僕は、いつものパジャマを着て、ベッドに横になり、うつらうつらしてから目を閉じた。


玄関のチャイムが鳴ったけど、僕は起きるのが億劫でそれを無視した。

そしたらガチャって勝手に鍵を開ける音がして、それでも僕は目を開けられない程、眠くて。

「実、起きてますか……?」

「ん、んー……」

ベッドが軋んで、体が沈む。

少し沈んだ方に体が傾く。

「夢現?」

「……なんで部屋……に」

僕は目を開けず、声だけで返事を返す。

「触りたくて」

「……?」

ベッドが更に沈み、パジャマの上から、お腹にそっと手を当てられ、えって目を開くと、そこから下に降りていく指。

「え……っ?」

敏感なところを避けて、さすられて、身をよじる。

僕の真上から見下ろしてくる優の瞳が揺れている。

近づいてくる気配に、息を飲む。

下唇を嘗められて、スッと離れたかと思ったら、すぐにふにっと押し付けられて、触られてもいない敏感な部分にキュッと熱が集まる。そこを指の腹で撫でまわされて、ぐっと唇を噛む。

「気持ち、いいでしょう……?」

「やめ……っ」

唇の間を口と舌でこじ開けられて、両手で優を押し返す。


そこで、目が覚めた。

目が覚めたそこには、優はいなかった。


(く……!)


優でこんな夢を見てしまうなんて、相当目隠しカフェがトラウマだったんだろう。

そう思うことにした。


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