第5話 幼馴染

今は朝の5時50分。

あと10分すれば、102号室の優が玄関のチャイムを鳴らす。

ご飯だけ受け取りたいが、いつも部屋にあがってくる。

そして、僕が食べ終わるまで、ずっと見つめている。

(いつも思うけど、男が男の顔を見て、何が嬉しいんだろう?)


僕の身長は164㎝、優は172。

いつも見上げるから、その度プライドが傷つく。

そんなことで傷つくなと言われるかもだけど、女扱いされるのも、女に見えるキッカケも、すべてが僕は嫌なんだ。


「実―! 実、実って……!」


朝ベッドで起きてから、ずっと俯いて考えていた。

なのでまだ、水色と白のストライプ柄のパジャマ姿だった。

そしたら、合鍵を使って、優が僕の寝室に入ってきていた。

両肩を揺さぶられて、視線だけ優に動かす。


「何……?」


嫌そうな顔を隠さない僕を見て、優はハアッと溜息。

「朝ごはん食べますよ!」

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