第6話 銀色のシベリアンハスキー

優は僕の寝室のドアを開け、キッチンに入ると、テキパキと朝ごはんの準備を始めた。

姿は見えないが、音だけでわかる。

僕は上だけTシャツに着替えると、キッチンに行き、冷蔵庫から炭酸を取り出すと胸に抱え、食器入れからコップをふたつ取り出して、両手に持ち、リビングに向かった。


テーブルの上に、コップをふたつ置き、胸に抱えていた炭酸を両方に注ぐ。

残った炭酸は、注いだコップのすぐ横に置き、深く沈むソファーに座った。


いつの間にかエプロンをつけていた優だが、銀色のシベリアンハスキーを人間にしたら、こうなるんだろうなあって、いつも思う。クールで凛とした姿に憧れてしまう。

服は家では、夏は麻の黒シャツとズボンにしているようで、いつも涼しげだ。

腰まである髪は、僕といる前ではいつも結んでいるけど、それはいつも来るのが、食事時だからかもしれない。

ただ性格が、まるで秘書かお母さんみたいなので、そのギャップが凄い。

声は姿の方に寄り添う感じで、カッコよさに加算されている。

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