第2話 人の目

僕は人見知りだ。

人の目を見るのが怖い。


それは自分に自信がないから……。


白すぎる肌も、柘榴のように赤くぷっくりとした誘うような唇も、猫のようにキュンと吊り上がった大きな瞳も、小さく細い体も……。

男なのに、周りからは「お姫様」と言われて、頑張ろうにも途中で、「いいから、いいから! お姫様」だなんて、道を断たれ続けてきた日々。


顔をあまり見られたくなくて、前髪を伸ばした。

その分、襟足も少し伸びた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る