第7話 コンクリート

花崗岩や緑青の時はどこまでも磨かれたタイルの廊下でSFチックな感じすらあった。


今度の打ちっぱなしのコンクリートは廃墟のようでホラーめいている。


だが、このコンクリートからは廃墟のような「生」を感じられない。劣化したコンクリートにはミネラルと水分をもとめてカビや虫がまとわりつく。対象が小さくて見た目には見つけられなくとも、臭いや遺骸が残留するものだ。


そういったカビや虫の痕跡すらない。


絶え間なく吹き続ける風で水分が乾いてるのがあるとしても、あまりにも何もない。


コンクリートの劣化具合から建築されて数年以上、下手すると数十年経ってるはずなのに、生物に侵食されないとはどういう立地にあれば可能なのだろうか?


未だに答えは出ていない。

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