第5話 3度目
砂っぽい、コンクリートを打ちっぱなしにした床の上で寝ていたようだ。
緑青のタイルや花崗岩のタイルと比べると今度は急造感というか安さが感じられる。相変わらず一方向に風が吹いて天井にはガストーチがまたたく。
何かに、恐らく頸動脈を切られ、死んだような目に遭わされたが、気絶した段階で助命されたらしい。死ぬような目に合わせ、助命してまで私に何をさせたいのか、相変わらず教えてくれない。
着ているツナギには血液の後はなく、首筋を恐る恐る触ったが治療の痕跡はない。
というか傷跡らしいものはない。
何日も昏睡状態だったものを、怪我が治るまで世話して血まみれの服も変えてまた通路に置き去りにしたのか?「監視者」の動機の理解できない執念に身の毛がよだつ。
何をさせたいかはともかく、通路上には死角から襲ってくる「敵」がいること、そして電気柵にしろ「敵」にしろ、意識を失うと似たような別の施設に運ばれてしまうことがわかった。
何かしら武器が必要だ。
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