【詩】君の声が聴きたい

菊池昭仁

君の声が聴きたい

絶え間なく降る 夜の雨


君は泣いているの?


僕は君を泣かせてばかり


どうして僕は 素直になれない?


僕は愛し方を忘れてしまった


君のすべてがわかるつもりなのに


でも 君は泣いている


電話をしても 君は出ない


わかっているんだ 君はスマホを取ろうとしている


でも君は そこで手を止める


傷付くことが わかっているから


君は僕の 着信を見てるだけ


人はなぜ 恋をするんだろう?


想い悩み 苦しみ 傷付くだけなのに


それでも愛さずにはいられない 君を


そして僕はまた 君に電話をかけてしまう


君が電話に出ないことはわかっているのに


君は臆病な ふるえる子猫             


無言の着信に 想いを込めて


君の声が聴きたい


寂しくて 切なくて 泣いている君を抱きしめたい


僕はスマホを抱きしめる


少しでも 君に想いが伝わるように


こんな冷たい 雨の夜


君はひとりぼっちで泣いている


君の声が聴きたい


そしてひと言 


 「愛しているよ」と 伝えたい


             

こんな寂しい 雨の夜だから


君の声が聴きたい


たとえそれが 君の涙声でもかまわない


君を慰め 君に寄り添いたい


スマホに軽い おやすみの口づけを


雨はいつか 止むだろう


君の声が聴きたい


こんな雨の 夜だから




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

【詩】君の声が聴きたい 菊池昭仁 @landfall0810

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ