第5話

ぼくがそういうと、美月はぼくの顔を見て慌てて駆け寄ってきた。ぼくが呆然としていると彼女は涙を流していいた

なんで、泣いているのだろう。どうして、そう思い彼女のほほをつたる涙をぬぐう

そうすると彼女は泣きながら問いかけてきた

「ねぇ、どうして。君はいつも」

そう言って、彼女はまた泣き出したもう何が何だかわからない。

さっきまでぼくは彼女のことを許せなかった。いままで仲良くしていたのに

今になってぼくからみんなを奪おうとするなんて

でも今の彼女は違った、ぼくのことを見て泣いてくれるそんなの見せられたら憎めないじゃん

ぼくはそっと抱きしめた、少しだけ安心した、 、 、 

気づくと、目の前に美月の姿はなく少し眠ってしまっていた

時計を見るともう14時になっていて廊下を見渡しても誰もいなかった

鞄を取りに教室に戻ると朝あったはずのプレゼントたちがなくなっていた、誰かが捨てたのかなそう思い鞄をとり教室を出た。

家に着くと、お母さんの姿はなかった。

ぼくは部屋に入り、制服を脱ぎ捨てそのまま寝た。

――夏休みーー

いつもなら京谷たちと遊んでたのに、今年で最後なのに。

月日は流れ夏休みも半分くらいになるとき、弟のツイが一緒に夏祭りに行こうとぼくの断る声を聴こうともせず手を引いた。

弟に手を引かれながら夏祭り会場についた、そういえば去年は京谷はインターハイで、京治も夏期講習でこれなかったんだっけ。今年こそはって思っていたんだけどなぼくが沈んでいると、ツイが心配そうな目でぼくのほうを見てきて

「ねぇ、大丈夫?」

そう聞いてくる弟にも迷惑をかけるわけにはいかない。ぼくは深く息を吸い、心を落ち着かせた

「大丈夫!今日は楽しもうっ!」

そう言ってぼくは弟の手を引いていろいろな出店を回った射的や金魚すくい

あぁ、二人がいたらなぁそう思う心をぼくはごまかすように笑った

ひと通りで店を回った時ツイがトイレに行きたいというので少し離れた公園に行った

ツイが出てくるのを外で待っていると、楽しそうな声が聞こえてくるぼくは興味本位

で声のするほうを見る。そこには雨宮兄弟と美月それに、大羽さんがいた

「っ」

ぼくはすぐにトイレに入った、心の声が漏れ出しそうだった僕はとっさに口を手で覆い膝から崩れ落ちた。

ぼくは、ぼkは。

涙が止まらない、

親友にうそをつかれた?ちがう

幼馴染から拒絶された?違う

あの中にいられないから?違う

ぼkは、もう

ぼくは限界だった、泣きながらトイレをかけ出た無我夢中だった

ツイはぼくが中に入っているときに出ていたようだった、後ろから呼ぶ声が聞こえた

「えっ、お兄ちゃん? どうしたの? ちょっ おねえちゃーーん!!!」

ぼくは最低だな、幼い弟を置いて急に走り出すなんて。

それでも、もう気持ちが限界で、限界で一心不乱に走った道中何度もこけて汚れていくそれでも走った。

気づくと家の前までついていた、ぼkは静かに家に入った。するとお母さんが

きて、こっちを見て眉をゆがめて叫んだ!!

「ツイはぁ!!?」

えっ なn、 、 、 で、 、

お母さんはぼくの言葉を聞かずまくしたてた、

「あの子はまだ小学生なのよ!!それなのにあなたは!!」

あぁ、お母さん。もう、どんどんと声が小さくなっていき頭がくらくらしてきて

バタッ!!

目が覚めるとぼくは自分のベッドの上にいた、どうしてかはあまり覚えていない

昨日何があったのかもうっすらとしか思い出せない。ぼくが頭を抱えていると

誰かが部屋の扉をノックしてきたその後

「入るわよ」

その一言と、ともにお母さんが入ってくる。お母さんはぼくの横に静かに

ごはんを置いて出て行った。ぼくはまた怒られるのではと思っていたから

少しほっとした。ぼくはもう一度横になろうとしたが、少しだけご飯を食べた

何故だろうあまり味がしなかった。

そこから一週間くらい過ぎ、ぼくは弟に連れられて一緒に図書館に行くことになった

もうすぐ学校が始まる、あと半年かそう考えていると胸が締め付けられた

図書館につくとツイはすぐにどこかに行ってしまった。ぼくはまた一人になり、仕方ないので適当に見て回ることにした

心理学かぁ、少し興味があり立ち寄った背表紙を見ていると難しい言葉ばかりだ

やっぱりぼくなんかでは無理かなとあきらめていると。高い位置に<初心者にもわかる心理学>という本が置いてあった。ぼくは届かないだろうなとあきらめつつも手を伸ばしてみた、 、 、やはり届かないそう思っていると、横から背の高い人が

「とりましょうか?」

と、とってくれた。ぼくは感謝をして受け取ろうとする

「ありがとうございます   えっ」

そこには見覚えのある顔があった

「お久しぶりですね、同じクラスの大羽(おおば)夜華(よるか)です」

ぼくは困惑を口に出してしまった

「あなたって女性じゃ」


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