第6話

彼はぼくの問いに笑みを浮かべて返した

「前の学校でいろいろあってね、学校では女装していたんだ。 」

その時、ぼくに近づいてきた。ぼくは怖くなりあとずさりしていると後ろの本棚にぶつかった、目の前には彼がいて左右にも逃げられない。彼は後ろの本棚に腕押しをして僕の耳元で囁こうと前傾姿勢になる、僕は怖くなりとっさに目をつぶった。

すると通りのほうからなんだか懐かしい声が聞こえた

「よるか!」

ぼくが目を開けると彼は声がしたほうを見ていた、ぼくは気になって彼と同じ場所を見る。そこには京治がいた、なん、 、で?

そう思い固まっていると京治が

「よる、そいつにかかわんなよ。 それよりも、あっちに探してるやつあったぞ」

それを聞くと彼は体を戻して京治に

「わかった 行こうか」

そういうと二人のもとに行ったぼくもその場を離れようとするその時、京治がぼくに対して言った

「頼むから、おれたちには近づかないでくれ」

ぼくはその言葉を聞いて立ち止まってしまったが、少しうなずいて急ぎ足でその場を後にした。

夏休み最後の日、近くの河川で花火大会があるらしいぼくはまた、ついに連れられて行くことになった。

花火が始まった。星輝く夏の空に、星の輝きにも負けないといわんばかりに多くの夏の花がこの夜を照らした。

あぁ、この花をみんなで見られたらなぁ、そう考えながらぼくは届かぬ思いに手を伸ばした。でもやっぱり届くことはないそう思い手を下す

花火大会が終わり、眠りかけのツイをしょって二人家に帰った

今年の夏はなんだろうすごく涼しかったなぁ、みんなで過ごしたいと願っていたことがおごりだったのかなぁ。

あぁ、ひとりってこんなにもつらいんだなぁ

――翌日――

始業式、今日から二学期か、やっと一人で登校することに慣れてきた

集会も終わり教室に戻る、ぼくは静かに自分の席に座って顔を伏せて先生が来るのを待つ。するとぼくの肩をたたいて話しかけてくれる人がいる、

「かなめー、大丈夫?」

ぼくが顔を上げると、喜ぶ美月がいた。

なんだ、ぼくにはまだ、美月いるそう思った瞬間、脳裏に京谷たちが言ったこと

美月が夏祭りで一緒にいたことがよぎってぼくは

仲良く寄り添ってくれる美月のことを拒絶してしまった、美月は驚いた顔をして

「ごめんね」

と、一言を残して立ち去ってしまった

次の日もその次もずっと美月だけはぼくに話しかけてくれた、そのうちぼくも少しずつ会話をするようにしていたある日

体育祭の種目決めがあった、次々と種目の選手が決まっていく。ぼくは見学をしようと静かに聞いていた、京谷は100メートル走と綱引きそれと余り物の借り物競争かいっぱい出るんだなぁ。僕は時間が過ぎるのをじっと待っていると委員の人が

「一人一種目は出るようにってなってるんだけど、加賀地さんまだだよね?」

あっそうなんだ一つか、あまり体を動かしたくないな

残っているのは、二人三脚だけでももうぼくと一緒に出てくれる人なんてそう決めかねていると目の席で手を挙げながら立ち上がって

「私がかなめと一緒に出る」

あれは美月、ぼくはうれしかった。この二人で出ますと言おうとしたとき委員の人が

「美月さんごめん、大羽さんも出る種目ないからこの二人でいい?」

ぼくは少し嫌だった、このままじゃ大羽さんとが決まってしまうその時だった

京谷が立ち上がって委員に抗議した

「おいおい!これじゃ、かわいそうだろ。さすがに最後まで決まってないからって

よる、俺の100m出ろよ。代わりに俺が二人三脚出るからよ」

大羽さんは少し眉をゆがめたがすぐに笑顔になって

「うん!ありがとう」

といい種目の交換を承諾したぼくは京谷に何でと聞こうとしたが近づくなと言われたことがよぎり話しかけることはなかった、

ぼくは静かに一人で帰る

それからの体育の時間はいつも見学をしたけれど京谷は一度も話しかけてくることはなかった、何で京谷が変わったんだろう僕はそれだけがすごく疑問だった

月日が流れて

ついに体育祭の当日が来た

――開会の辞――

全校生徒がグラウンドに並んで校長先生の話を退屈そうに聞いていた、あれ?

そこには京谷の姿はなかった準備でいないのかなと思いあまり気にしないようにした

――100m走――

そこには百合佳がいた、彼はぼくのほうを見てなぜか笑みを浮かべてくる

本当に怖い何を考えているか得体の知れない恐怖を感じた

そして結果彼は一等だった。足が速かったんだなぁ

――綱引きーー

そこには京谷の姿もあった、すごく頑張っていたけど残念ながら二位という結果だった

そして午前中最後の競技

――借り物競争――

大きなピストルの音と同時に一斉に走り出す、でも何だろうなんでこんなにも京谷は必死なんだ?

そうおっもているともうお題の紙を拾っていた、なんだろうそう思っていると彼は自分のクラスに走ってきた。

もしかして、少し何かを期待してしまったでも手を取られたのは、大羽さんだった

彼らが走っていくときお題が後ろ半分だけど見えた、 

そこには

きな人

そう書かれていた

そうか、京谷は


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