第3話
母はぼくの答えを聞いてどこか嬉しそうに微笑んでくれる
何故何も言ってくれないんだろうぼくはその心を静かに閉ざす、
「お母さん、お皿並べるね」
ぼくはそう言って母の後ろの食器棚から皿を取り、ダイニングのテーブルへ運ぶ母は
料理をしながらふと聞いてきた
「そう言えば、もう雨宮さんとは大丈夫なの?」
「っ」
ぼくはテーブルにお皿を置く手を止めた
「う、うん仲良くいつも一緒に帰っているし楽しいよ」
ぼくは静かに皿を置いてキッチンで料理をしている母に聞く
まるでいち早くこの話題を変えようとして
「そういえば、ツイは?」
母は軽く息を吐いてから話し始めた
「ツイなら今日は友達のお家でお泊まりだって」
ぼくは軽くうなづき、答えを返す
「そうなんだ、ぼくちょっと宿題やらなくちゃ」
そう言い切り、放り出していた鞄を手にとって階段を駆け上がって部屋の戸を強く閉めた。なんだろう、今日は少し疲れたなぁ
――翌朝――
はぁ、体が重いなぁ、なんだろう昨日の疲れが取れてないのかな。少し学校に行くのが怖い
外はすごい雨が降っている、窓を打ちつける音で心がさらにくすんでいきそうだ
大きく息を吸って、、吐く気持ちをリフレッシュしてベッドから出た。
リビングに降りていくと朝食が用意されていたぼくはパンをひとかじりして学校の支度をした。
家を出る時に母が
「今日は傘もっていくのよ」
ぼくはなるべく元気なように
「はーい!」
そう伝えて今日は傘を持って家を出る
いつもの道を通り京谷達の家へ向かう。そこには京治がただ1人立っていた
ぼくは少し首を傾げながら聞く
「あれ?京谷は?」
そう聞くと京治は少しため息をついて答えた
「京谷は一人で行ってったぞ。 なんだか図書委員がとか言ってたけど」
ぼくは少しホッとした、ひどいかもしれないがなんだか今は会いたくない
「じゃあ 今日は二人で行こ!」
そう言って雨の中二人で登校した
京治とは教室が違うので下駄箱で別れた
教室に入る
「っ」
そこには仲良く団欒する京谷と美月が居た。あれ?おかしいなぁ、ぼく
何かが込み上げてくる、だめだ。
この思いを押し殺して笑顔を作って入っていく、絶対に悟られないように
ぼくは元気に京谷達に挨拶をした、そこには隠れて見えなかったのか大羽さんの姿があって少し動揺した
「っ」
ぼくは黙って自分のせきへ居座ったなんだか本当今日は体調が悪いなぁ
なんだろう今まではなんとも無かったのに、どうしてだろう最近になって辛くなる
やっぱりそう考えていると京谷が話しかけてきた
「どうした、そんな浮かない顔して」
なんだろう能天気もここまで付き合いが長くなると少しウザくなってきたなぁ、
ぼくはフッと息を整えて返す
「大丈夫だよ、ぼくになんかようか?」
京谷は何か恥ずかしいのか頭をかきながら
「いや、なんだ、仲直りしたし飯でもどうだ?」
僕はふと思った
「京谷、部活は?」
京谷は何やら嬉しそうに
「今日はこんな雨だプールなんてつかえないし屋内プールは予約できてなくてな
今日はオフになった」
「そうなんだ、じゃあ放課後にね」
僕はそう告げると1限目が始まった
――SHR――
「ありがとうございました」
ふぅ、放課後だし京谷と
その時後ろから美月が
「かなめー、少しいい?」
なんだろう図書委員の用事かな?僕が答えようとすると
京谷が後ろからきて肩を組みながら言った
「すまん、今日は一緒に飯食いに行くから。だからもう先約がいるんだよ」
京谷が、ぼくは凄く嬉しかった
「ごめん、美月また今度でもいい?」
ぼくがそういうと美月は何故か少し引き攣った顔をして、残念そうに言う
「そっか、ううん大丈夫だよ」
その言葉に少し罪悪感を覚えながらも鞄を取りぼくは教室を出た
帰り道、京谷はぼくの顔を見て聞いてきた
「なぁ、要は卒業後の進路考えたか?」
ぼくは少し考えてから答えた
「うん、大丈夫! それより飯どこ行く?」
そう返すと京谷は面を食らったようだった
「そうだな、ラーメン食いに行くか」
久々に京谷と二人でご飯、ワクワクするなぁ
「うん!」
――翌日――
朝何故かまた美月に呼ばれた昨日のことを謝ろう、そう思ってついていく
何故か人気の無い教室に着いた。ものすごく怒ってるのかなぁそう考えていると
美月は振り返って大声で
「京谷に近づかないで!!」
ぼくは唖然としてしまったなんで、ぼくはただいつも通り過ごしているだけなのに
彼女はそう言って教室から走り去っていった
「なんで、」
ぼくはこの一言しか出てこない、本当にわからなかったぼくはただ
美月はもしかすると京谷のことが、そう考えながら戻っていると後ろから。大羽さんの声
「かなめさん、どうかしたの?」
ぼくはさっきのことを誤魔化して
「うん!何にもないよ」
そう返すと大羽さんはにっこりと笑い
「ならよかった、そう言えばもう期末テストだよねぇ わたし自身がないよ」
あれそうかもう、
「そうだね、一緒にがんばろ!」
ぼくはそう返す、テストかぁ少し不安だなぁ
――SHR――
「今日からテスト期間に入るな3年の1学期最後だ気を抜かず全力で挑めよ」
「起立 礼 ありがとうございました」
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