第30話
「こらっ!陽ちゃん!」
佐々木健太からの電話を切るとほぼ同時に
彼女のゆりが大荷物で部屋に入ってきた
「うわぁびっくりしたあ」
悪い事もしてないのに俺は焦った
「電話したのに!誰と長電話してたの」
「ああ、佐々木」
「なんだー」
「急にどうした?」
「明日、誕生日だからお泊まりに来た」
「あ、俺の」
そういえば明日は俺の誕生日だった
ゆりはそう言うと荷物をあけ始め
中からパジャマと
プレゼントと思われる袋を出した
「まだあげないよー明日になってからね」
とニコニコするゆり
一通り荷物を出して綺麗に整えると
「私、下で夕食手伝ってくる、陽も後で来て」
と慣れたように部屋を出て階段を降りて行った
ゆりは中学からの付き合いで
家族公認の仲だ
母も父も姉もゆりを気に入っていて
このまま結婚するんだろうなと
自然とそう思える
佐々木から電話があるのは珍しい事では無かったが何か様子が変だった
葉月夜子
そんな前の話を今頃何なんだ
葉月さんと何かあったのか?
ぼんやりとそんな事を考えてると
「陽ちゃーん!あはははっ」
楽しそうに俺を呼ぶゆりの声が
階段から響く
俺はふっと笑って立ち上がった
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