第27話

菜々は先生とうまくいってるようで

学校でも楽しそうにしていた


通り過ぎる後輩の女子でさえ

菜々の笑顔にキャーッと絶叫するほどだ


菜々はより綺麗になって

学校のマドンナをこなしていた


私は密かに好きな人が出来た

違うクラスのそんなに目立たない男子だ

話したことも無い

見た目と雰囲気だけで好きになった


すぐに飽きるかもと思ったので

なんとなく菜々には内緒にした


佐々木健太を家に誘った事も

菜々には言えなかった


あの日私は佐々木と寝た



佐々木が好きな訳じゃない


長く付き合っている彼女

一途に愛されてる彼女


私の手に入らなかった世界に

幸せそうに生きる女の子に

嫉妬しただけだ


簡単にほかの女の誘惑に負ける

それが現実だよね


佐々木は嬉しそうにニヤニヤしていたけど

私は優越感と劣等感に挟まれた気分だった


佐々木は杉田に話すのかな

そして優越感を味わうのかな


彼女には後ろめたい気持ちを持ちながら

何事も無かったようにするのかな


どうでもいいや


私が1番じゃない世界なんだから

どうなってもいい


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