第21話
文化祭でお祭りムードの校内は
生徒たちの足取りを軽くしていた
ライブで歌う先輩たち
告白して付き合う人達
屋台やカフェや演劇の準備
しかしうちのクラスは展示だけなので
特にすることは無かった
「杉田の彼女は来ないの?」
人気もまばらな放課後の教室で
葉月夜子が話しかけてきた
俺はゆっくりと背筋を伸ばして
葉月夜子に振り返る
もう2年も同じクラスなのに
まだ緊張しているのが自分でも分かる
「うん、来ないよ」
「なんだそっかー見てみたかったな」
彼女の話題は何だか照れくさくて
ニヤッとしてしまう
「何で?そんな見ても何ともないよ」
「見てみたいじゃんそんなに長く愛される彼女」
俺は優越感をくすぐられ
つい余計な事を言ってしまった
「んー普通の子だよ...葉月さんの方が美人だし」
「えっ何それーなんかガッカリ」
間違えた俺!!
葉月さんは一途な恋物語を求めてるのに
間違えた!
と思いながらも止まらない
「いやいやホント、腐れ縁みたいもんだし」
「...ふーん」
明らかに葉月夜子の
テンションが下がったのが伝わる
「でも好きなんでしょ?」
「あーうん、まあね結婚したいと思ってるよ」
これでどうだ!取り返せるか?!
「えー!良いじゃん!杉田最高だね」
良し!と心の中で言うと
杉田は胸をなで下ろした
「じゃあ今度私と遊ぼうよ」
「へ?」
訳が分からない展開に困惑した
胸がドキドキしてよく覚えてないが
俺は今度葉月さんの家に遊びに行くようだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます