第20話

「文月さん凄い泣いてたな」

「あー凄かったな」


「あんな美人振る男居るんだな」

「まあ顔が全てじゃないけどな」


「性格も良さそうだけどな」

「性格も顔も良いみんなが羨ましい彼女な」


「完璧すぎてダメ...?」

「そうだな、自分が情けなくなってくるのかも」


「あんな男の彼女がこんな美人?みたいな」

「二世タレントみたいな」


「ほーん。俺は親の七光り利用したいけどな」

「暇になると疑問を持ち始めるんだよ」


「疑問...」

「本当に俺はこれでいいのか...くっ」


「なんだ厨二病か」

「...まあそんな感じだ」


「贅沢な病だなー」

「1番贅沢なのはお前だよ」


「うち貧乏なのに?イケメンでも無いのに?」

「何も無いのが分かりやすくて幸せなんだよ」


「何も無いとは失礼だろ!少しは否定しろ」


帰り道が同じ

静かなグループの野田が

頭をパシパシ叩いてきたので

村人Aの黒縁メガネがズレた


「わぁーごめんって」


村人Aが逃げ出すと

野田は道に落ちていた謎の棒を振り上げて

笑いながら追いかけてきた

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