第13話

私たちは2年生になった


重たそうな制服を纏う

1年生が入学してきた


新田先輩は大学生になったけど

近くで一人暮らしを始めたので

半同棲のような生活になった


新田の実家に招待されたり

校外のやんちゃな繋がりの輪に参加したり

夜子は順調に

新田の彼女になって

いけるはずだった


同じ学校というステージが無くなって

新田の世界にちょこんと居座る自分

高校に取り残された自分


新田の話の中に段々

知らない人が登場するようになり

知らない女の人の話をするようになり

知らない女の人に取られてしまった


彼にとって

高校という世界の中では

私が1番だっただけ


大学という世界の中で

また1番を見つけたのだ


私がこの町でこの国で

誰かの1番であり続けるには

どうしたらいいの


もし私が菜々のように

どこに行っても誰しもが振り返る美人なら

ずっと彼の1番で居られたのか


私の世界は突然色を無くした

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