第9話

部活やテストや資格試験

予習復習レポート提出

高校生活は慌ただしく過ぎる


冬になり

いつの間にか

付き合っているクラスメイトや

先輩といい雰囲気の女子の噂が

囁かれる


同じクラスの

柔道部の佐々木健太には

女子校の彼女が居て

一途な恋愛を謳歌しているようだ


帰宅部の杉田は

中学の頃からの長い彼女が居るようだ


高校生の恋愛なんてほぼ別れてしまうのに


その無駄となるであろう時間から

何かを得られる特殊能力でもあるのだろう


文月菜々は

日毎に美しさが増しているように見える

女の子は愛される度綺麗になる

を体現してるようだ


いつも隣にいる葉月夜子は

黒い真っ直ぐな髪からのぞく

涼し気な目

どこか疲れたような妖艶さを感じる


小さな狭い教室で

静かに眠る事は難しいので

諦める事にした


家のリビングのソファに寝転がって

まるで人間ドラマを観るように

この小さな教室の

噂話や揉め事を

黒縁メガネ越しに眺める



眩しすぎる者に

近寄る者は皆、目がくらみ

焦がされて堕ちて行く


先の道も後の道も

自分自身の足元さえ見えなくなる


ずっと近くには居られない

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