彁爆裂☆借金地獄カーニバル!

道楽byまちゃかり

彁爆裂☆借金地獄カーニバル!

「どうもどうもー。私は水の女神にしてアクシズ教の御神体アクア様よ! 画面の前の信者達に質問! 私は今どこにいるでしょうか! えっ? 文字だから分からない? それじゃそれじゃ、説明役のカズマさんを呼び出しましょうか!」


「おい駄女神。さっきから虚空に向かって誰と話してんだ。勾留暮らしでついに頭狂ったのか? いや、前から狂ってたわ。だから現にお前、牢屋にぶち込まれてるわけだしな。おいたわしや借金女神」


「その顔に聖なるグーをぶち込むわよヒキニート。私は借金なんかじゃなくてれっきとした水の女神よ!」


「はいはい(めんどい)んじゃ、俺は今からアクア引き取りのための手続きしてくっから。くれぐれも牢屋で暴れるんじゃねえぞ?」


「……ていうか。どうして私、牢屋なんかに入れられちゃったりしてるのかしら? どうにも昨日の記憶が無いのよねぇ」


 そういえば、この駄女神。昨晩はいつにも増して沢山のシュワシュワを口にしていた。それが原因でアクアは暴走し、結果的に街を巻き込んだ大騒動を起こしたのだが。どうやら本人は覚えてないようだ。




◇昨日




「硫黄と硝酸と木炭があるだろ。それらをかき混ぜたら火薬の完成だ! 爆裂魔法の威力に劣らない、ダイナマイトの原材料! 大量に作ってやったぜ!」


 アクアがシュワシュワを踊り飲みしている最中、俺はダイナマイトの大量生産に取り組んでいた。


 ていうか、さっきから怪しく紅い瞳をゆらゆらさせて爆裂魔法の準備をしているめぐみんが怖い。怖すぎる。多分ダイナマイトを作ってるせいだろうが、まさか屋敷で撃ったりしないだろうな?


「黒より黒く闇より暗き漆黒に我が深紅の混淆を望みたもう」


 アカン、ヤル気だ!? このままじゃ屋敷が、財産が、俺の異世界生活が!


「ああもう容赦しねえぞ! クリエイトアースからのウィンドブレス!」


「覚醒のとき来た……あ゙あ゙っ目がっ!」


 目潰しで近づいてからのドレインタッチ。これで魔力を吸えば、めぐみんは魔力不足で爆裂魔法を撃てなくなる。チェックメイトだ。このまま寝技をかけた後、彼女の胸を揉んでみた。柔らかかった。


「……んっ、ああっ。んんっ、カズマぁ……」


 あっ、急にデレてきためぐみんに強く嗜虐心を刺激されて……スイッチが。よし、童貞捨てよう!(決心)


 そうして屋敷のど真ん中で俺とめぐみんは初めてを経験するため、愛のディープキスを深く深く刻み合おうとした、そんな時だった。


 両手に抱えた大量のダイナマイトをアクアが持ち去っていく姿を観たのは。スイッチが完全に入っているめぐみんを押しのけ、飛び起きた時にはもうアクアは外へ繰り出してしまっていた。一度火がついたらド派手に大爆発を起こす物大量に抱えて。嫌な予感しかしない。すぐに止めなくては!


 俺はすぐに荷支度整え、アクアを追おうとした。追おうとしたのだが、その瞬間めぐみんが背後から抱きついてきた。俺が何か言おうとする前に『カズマが行こうとしてる理由は分かっています! でも、この機会を逃したら次はいつになるんですか。それに今日は爆裂魔法が撃てないのです。責任取ってください』と寂しそうに呟いてきたのだ。


 俺はこの屋敷に残ることにした。アクアなんか知るか。都合のいいことにダクネスも実家に帰っているし、邪魔する奴らは誰もいない。それでは改めて、童貞捨ててやる!




◇現在




 こうして俺は無事に童貞卒業。ダイナマイト大量に抱えて外出したアクアは無事、アクセルの街を爆破しまくって逮捕•勾留。さらに大量の借金を背負うはめになったとさ。めでたしめでたし。


「めでたくないんですけど!?」

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